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モンスター・パニック
MONSTER : HUMANOIDS FROM THE DEEP

米 1980年 80分
製作総指揮 ロジャー・コーマン
監督 バーバラ・ピーターズ
脚本 フレデリック・ジェームズ
出演 ダグ・マクルーア
   アン・ターケル
   ヴィック・モロー


 ロジャー・コーマン製作の低予算パニック映画であるが、演出のテンポがいいので結構見られる。しかし、物語は使い古しの煮汁のようなものなので新味はゼロ。しかも、事件はまったく解決されずに終わり、後味の悪さを残す。

 或る地方の漁村で、女ばかりが襲われて誘拐される事件が頻発していた。原因はシーラカンスが突然変異したヒューマノイド。地元の缶詰め工場が鮭に「成長促進剤」を投与したところ、これを喰ったシーラカンスが過激に進化し始めたのだ。手足が生えて、二足歩行をし、脳髄は人間よりも大きい。彼らが人間の女性を誘拐していたのは、これを犯して妊娠させて、己れの種と人間のハイブリッドを作るためだったのだ。シーラカンスたちは村のカーニバルを襲い、血祭りにあげ、そしてハイブリッドの誕生にほくそ笑むのであった.....。

 監督は女性であるが、本当に女性が監督したのか?、と疑いたくなるほどのセクシャル・ハラスメントの嵐。ドロドロギトギトの怪物に女が犯されるシーンは不快の極みだし、『エイリアン』をパクったハイブリッドの出産シーンも醜悪の一言に尽きる。バーバラ・ピーターズなどという監督は実在しないのではないか?。コーマン門下の誰かさん、例えば、本作によく似た『殺人魚フライングキラー』のジェームズ・キャメロンあたりが監督したのではないか?。どうもそんな気がする(註1)。

 主演のアン・ターケルはたしかリチャード・ハリスのカミさんだった人。演技はヘタだが、行動力のある生物学者役を好演している。
 缶詰工場の回し者で、ネイティブ・アメリカンに偏見を持つイヤな男の役にヴィック・モロー。数年後、『トワイライト・ゾーン』の事故で首を切断することになるのであるが、この人、晩年はこんなイヤな役ばかりやっていたのだ。

註1 そんなことはない。


関連人物

ロジャー・コーマン(ROGER CORMAN)


 

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