モンスター・パニック 米 1980年 80分 |
ロジャー・コーマン製作の低予算パニック映画であるが、演出のテンポがいいので結構見られる。しかし、物語は使い古しの煮汁のようなものなので新味はゼロ。しかも、事件はまったく解決されずに終わり、後味の悪さを残す。 或る地方の漁村で、女ばかりが襲われて誘拐される事件が頻発していた。原因はシーラカンスが突然変異したヒューマノイド。地元の缶詰め工場が鮭に「成長促進剤」を投与したところ、これを喰ったシーラカンスが過激に進化し始めたのだ。手足が生えて、二足歩行をし、脳髄は人間よりも大きい。彼らが人間の女性を誘拐していたのは、これを犯して妊娠させて、己れの種と人間のハイブリッドを作るためだったのだ。シーラカンスたちは村のカーニバルを襲い、血祭りにあげ、そしてハイブリッドの誕生にほくそ笑むのであった.....。 監督は女性であるが、本当に女性が監督したのか?、と疑いたくなるほどのセクシャル・ハラスメントの嵐。ドロドロギトギトの怪物に女が犯されるシーンは不快の極みだし、『エイリアン』をパクったハイブリッドの出産シーンも醜悪の一言に尽きる。バーバラ・ピーターズなどという監督は実在しないのではないか?。コーマン門下の誰かさん、例えば、本作によく似た『殺人魚フライングキラー』のジェームズ・キャメロンあたりが監督したのではないか?。どうもそんな気がする(註1)。 主演のアン・ターケルはたしかリチャード・ハリスのカミさんだった人。演技はヘタだが、行動力のある生物学者役を好演している。 註1 そんなことはない。 |
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