いわゆる「現代版フランケンシュタインもの」である。
政府が運営する宇宙開発研究所で、或る研究者が陰謀に巻き込まれて殺されて、火星探検用の改造人間にされてしまう。これに怒った改造人間は、研究所を脱走して殺人マシーンと化す。
翌年の『ロボコップ』とそっくりの物語で、その企画を聞きつけたプロデューサーが、即席に作って先に公開したものなのだろう。その出来は『ロボコップ』に遠く及ばないことは云わずもがなである。
しかし、そんなダメ映画にも、たった一つだけ見どころがある。研究所に雇われた「改造人間ハンター」に、あのパム・グリアが扮しているのである。剣道着姿で颯爽と登場した彼女は、冷酷無比な殺人者でもあり、改造人間の目撃者を、まるで「必殺仕事人」のように後頭部に針を刺して抹殺する。このシーンが実にクールでカッコいい。
「改造人間は男なの?」。
「そうだ」。
「云っとくけど、私は男に負けたことがないのよ」。
などという科白も決めてくれる。
しかし、そんな彼女も改造人間に追い詰められて、負けるのが悔しいので、自ら頭を打ち抜いて死ぬ。
さすがはパム・グリア。いい死に様である。
パム・グリアのファンは必見の1本であった。
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