ルッジェロ・デオダート 《監督》 |
特許を巡って争われていた「青色発光ダイオード」をニュースで耳にするたびに「ルッジェロ・デオダート」を思い出してしまう私は、はっきり云って変人である。『食人族』は見ていても、その監督の名前までも覚えている人はあまりいないだろう。 デオダートの監督作が我が国で初めて公開されたのは、無法刑事が暴れまわる『バニシング』だったと記憶する。明らかに『フレンチ・コネクション』や『ダーティ・ハリー』を模倣した本作は、ポパイ刑事やハリー・キャラハンを上回る無法ぶりを描き、イタリア映画の無節操、並びに徹底ぶりを我々に再認識させたのであった。 続く『カニバル』の食人世界で我々を圧倒したデオダートは、『食人族』で『ET』に次ぐ興業成績を記録(あくまでも我が国での話)、「食人監督」としての地位を不動のものにする。 『カニバル』と『食人族』のヒットが故にグロテスク・ホラーばかり撮っていると思われがちなデオダートだが、その実は職人監督で、あらゆるジャンルをものにしている。 |
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