食人族 伊 1981年 95分 |
友人の山川と大宮が、 我々を驚かせたのは、例の串刺し女のシーンである。その質感から本物の人間にしか見えなかったからだ。しかし、タネを明かせば何のことはない。自転車のサドルに腰かけた女性に発砲スチロールの木をくわえさせただけなのである(改めて見ると、性器のあたりをアップで撮らえた場面でノイズが走る。当初は性器を見せないための処理かと思ったが、実はサドルを見せないためだったのだ)。 なお、私は『食人族』を本気で傑作だと思っている。観ている者の感覚を麻痺させて、虚実の別を混乱させる演出手腕は大したものだ。この映画の中盤で「これはヤラセだ」として、銃殺刑のフィルムが上映されるのだが、これは実は本物なのである。現実と虚構の判断を麻痺させられてしまうのだ。この映画は何度観ても、学ぶべきところが多い。 |
関連人物 |
関連作品 |