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狂気のいけにえ
CRAZE

英国 1972年 96分
製作 ハーマン・コーエン
脚本 エイベン・カンデル
   ハーマン・コーエン
監督 フレディ・フランシス
出演 ジャック・パランス
   ダイアナ・ドース
   トレヴァー・ハワード
   デヴィッド・ウォーベック
   スージー・ケンドール


『姿なき殺人』を紹介するためにいろいろと調べていたら「英国のマリリン・モンロー」ことダイアナ・ドース(左写真)が本作にも出ていることを知り、「あっ、そう云えば、これ、持っていたっけ」と「未見映画格納庫」から引っ張り出して、ビデオデッキに入れる。

「うっひゃあ、でぶりんぐッ」

『早春』の頃より更に太ってないかい?。もう一度見せるけど、これだよ、これ。

 ディヴァインと見紛うような見事なボデ腹だ。ところが、彼女がしゃべり出すと、これがなかなか愛嬌があってキュートなのよ。モンローよりも演技派だったかも知れない。だって、モンローが生きていたら『早春』のような色情狂のおばちゃん役を嬉々として演じたとは思えないもの。

 さて、肝心の本編だが、これが実にたわいのない「強欲親父大暴れの巻」である。
 アフリカかなんかの邪神を信仰するジャック・パランスが過って女を殺してしまったところ、どういうわけか大儲け。
「あ、こりゃ、生贄が必要なんだわ!」
 と、せっせと殺しまくる物語だ。しかし、叔母さん殺して遺産が舞い込むってえのは神の御利益でもなんでもないんでないかい?。警察にはマークされるは、弟分に裏切られるわで、パランス親父は遂に発狂。斧を振り回してフンガフンガやってるところを銃で撃たれて、
「こ、これが、最後の、生贄でぃっす」
 バタンキューで間髪入れずに「ジ・エンド」。製作・脚本が『姿なき殺人』のハーマン・コーエンだからそっくりだわ、投げやりな終わり方が。

 で、我らがダイアナ・ドースはといえば、叔母さん殺しのアリバイに利用される元恋人のおばちゃん役。どうでもいいような役だが、彼女が出てくると画面が和み、単調な物語のアクセントになっている。流石である。
 だけど、パランス親父が容姿を眺めて、
「昔と変わらないなあ」
 って云うのは、やっぱり皮肉だよね(笑)。


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姿なき殺人(BERSERK)


 

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