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アメリカ史上最年少の死刑囚は10歳のジェイムス・アーセンだが、彼が実際に処刑されたのは13年後の23歳の時だ。では、最年少で処刑されたのは誰かというと、このハンナ・オクイシュだとされている。彼女が絞首刑によって処刑された時、僅か12歳と9ケ月だったという。彼女もまたジェイムス・アーセンと同様にネイティブ・アメリカン(ピクォート族)だった。
但し、当時の資料には「Hannah Ocuish, a Mulatto Girl」とあり、白人との混血だったのかも知れない。
ハンナ・オクイシュは1774年、コネチカット州ニューロンドンで生まれた。その生い立ちは恵まれたものではない。母親はアル中で、ネグレクトされて育った。知的障害があったとの指摘もある。そして、地元の裕福な農家であるボールス家に使用人として引き取られた。おそらく、奴隷同然で売り渡されたのだろう。
ハンナが殺害したのは、このボールス家の6歳になる娘、ユーニス・ボールスだった。殺害方法や動機についての詳しいことは不明だが、とにかく殺害したらしい。尋問された彼女は泣き出したという。
「もうこんなことは二度としません。誰も傷つけません」
ハンナが処刑されたのは1786年12月20日のことだった。その際、彼女は処刑場まで手を引いて導いてくれた保安官に感謝していたという。
(2011年12月10日/岸田裁月) |