アンリ・デジレ・ランドリュー |
アンリ・デジレ・ランドリュー ランドリューと犠牲者たち |
チャールズ・チャップリンのブラック・コメディ『殺人狂時代』の原案者がオーソン・ウェルズだと知った時、なるほどと感心したものだ。愛すべき放浪紳士を恐るべき殺人鬼に仕立てるとは、如何にもイタズラ好きのウェルズらしいアイディアである。 |
遺体を焼却したストーブ |
1915年 4月 ?日 ジャンヌ・クーシェ |
クロード・シャブロル監督『ランドリュー』 |
物的証拠がないままにランドリューの裁判は始まった。フランス政府は新聞社にこの裁判を大々的に報じるべきことを奨励した。それはフランスにとって好ましからざる方向に向いつつある講和条約会議から国民の眼を逸らすためであった。国民にとっても4年も続いた大戦の後だったので、またとない気分転換となった。そんな訳で「青髭裁判」は国民的な行事となった。今話題の「青髭」を一目見ようと何千という傍聴希望者が裁判所に殺到した。 |
参考文献 |
『殺人百科』コリン・ウィルソン(彌生書房) |