令和2年度第2回 動画ライブラリー 過去問遊園地 トップページ |
【問 1】不法行為(令和2年4月1日以降に行われたもの)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 1.建物の建築に携わる設計者や施工者は、建物としての基本的な安全性が欠ける建物を設計し又は建築した場合、設計契約や建築請負契約の当事者に対しても、また、契約関係にない当該建物の居住者に対しても損害賠償責任を負うことがある。 2.被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を与え、第三者に対してその損害を賠償した場合には、被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができる。 3.責任能力がない認知症患者が線路内に立ち入り、列車に衝突して旅客鉄道事業者に損害を与えた場合、当該責任無能力者と同居する配偶者は、法定の監督義務者として損害賠償責任を負う。 4.人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しない場合、時効によって消滅する。 解答解説 1〇 建物の建築に携わる設計者や施工者は、建物としての基本的な安全性が欠ける建物を設計し又は建築した場合、設計契約や建築請負契約の当事者に対して損害を与えれば、債務不履行責任としての、契約関係にない当該建物の居住者に対して損害を与えれば不法行為責任としての、損害賠償責任を負う。 2〇 従来、被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を与え、第三者に対してその損害を賠償した場合には、最高裁では、被用者は、使用者に対して求償することを認めていなかった(11-29参照)が、令和2・2・28の判決で、「被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができる。」とするに至った。https://www.o-basic.net/blog/2228.html 3× 責任無能力者と同居する配偶者には、法定の監督義務は認められていない。 4〇 ①不法行為による損害賠償の請求権は、ⅰ被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。又はⅱ不法行為のときから20年間行使しないときは、時効によって消滅する。724条。 ②人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効に ついての ①ⅰの適用については、①ⅰ中「3年間」とあるのは、「5年間」とする。(724条の2)。よって、「人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しない場合、時効によって消滅する。」とするのは、正しい。11-32 正解3 ワンポイント 2の判例変更は、出題時の10か月前で、知らない人が多かったと思う。正解肢3「責任無能力者と同居する配偶者は、法定の監督義務者」が、常識的にもおかしいんじゃないか、ということでかろうじて正解を導けたと思う。 【問 2】AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和2年7月1日に授与した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 1. Bが自己又は第三者の利益を図る目的で、Aの代理人として甲土地をDに売却した場合、Dがその目的を知り、又は知ることができたときは、Bの代理行為は無権代理とみなされる。 2. BがCの代理人も引き受け、AC双方の代理人として甲土地に係るAC間の売買契約を締結した場合、Aに損害が発生しなければ、Bの代理行為は無権代理とはみなされない。 3. AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うことはない。 4. Bが、Aから代理権を授与されていないA所有の乙土地の売却につき、Aの代理人としてFと売買契約を締結した場合、AがFに対して追認の意思表示をすれば、Bの代理行為は追認の時からAに対して効力を生ずる。 解答解説 1〇 代理人Bが自己又は第三者の利益を図るため代理行為をしたときは、相手方Dがその意図を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。4-2 代理人の権限濫用である。 2× BがCの代理人も引き受け、AC双方の代理人として甲土地に係るAC間の売買契約を締結した場合、Bの代理行為は無権代理とみなされる。Aに損害が発生したか否かを問わない。いわゆる双方代理である。4-5(1) 3× AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、Eが代理権の消滅につき善意・無過失であればBに表見代理が成立するので、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うこともある。4-12 4× Bが、Aから代理権を授与されていないA所有の乙土地の売却につき、Aの代理人としてFと売買契約を締結したことは、Bの無権代理行為であるが、本人Aが相手方Fに対して追認の意思表示をすれば、Bの代理行為は契約のときにさかのぼってAに対して効力を生ずる。4-9 追認のときから効力を生じるのではない。 正解1 【問 3】親族に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 1.姻族関係は、離婚した場合及び夫婦の一方が死亡した場合、当然に終了する。 2.離婚に当たり、相手方に有責不法の行為がなければ、他の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができない。 3.未成年者に対して親権を行う者がないときは、家庭裁判所は、検察官の請求によって、親族の中から未成年後見人を選任する。 4.夫婦間で婚姻の届出前に別段の契約をしなかった場合、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。 解答解説 1× 姻族関係は、離婚によって当然に終了する。しかし、夫婦の一方が死亡した場合は、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときに、姻族関係は終了する。意思表示をしなければ、終了しない。法728条 2× 協議上の離婚をした者の一方は、相手方の有責不法の行為の有無を問わず、相手方に対して財産の分与を請求することができる。家庭裁判所が財産分与を定めるときでも、当事者双方がその協力によって得た財産の額「その他一切の事情」を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。法768条3項 3× 未成年者に対して親権を行う者がいない場合、家庭裁判所が、「未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人」の請求によって、未成年後見人を選任する。請求するのは、検察官ではなく、また未成年後見人が「親族」の中から選任されるとは限らない。法840条1項 4〇 夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。法762条2項 解答4ワンポイント 親族法だけからの出題は、初めて。取れなくても、仕方がない。 【問 4】債務不履行に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、債務は令和2年4月1日以降に生じたものとする。 1. 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限が到来したことを知らなくても、期限到来後に履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 2. 債務の目的が特定物の引渡しである場合、債権者が目的物の引渡しを受けることを理由なく拒否したため、その後の履行の費用が増加したときは、その増加額について、債権者と債務者はそれぞれ半額ずつ負担しなければならない。 3. 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に、当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。 4. 契約に基づく債務の履行が契約の成立時に不能であったとしても、その不能が債務者の責めに帰することができない事由によるものでない限り、債権者は、履行不能によって生じた損害について、債務不履行による損害の賠償を請求することができる。 解答解説 1〇 不確定期限の履行期は、債務者がその期限の到来した後に履行の請求を受けた時又は その期限の到来したことを知ったときのいずれか早い時であるから、記述のとおりである。細かいところだが、2020年の改正点である。5-2 2× 債務の目的が特定物の引渡しである場合、債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、「債権者」の負担とする。法413条2項 3〇 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。5-5法413条の2 4〇 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、その履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。1-3 法412条の2 従来、契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であるときは、契約無効で、原則として損害賠償の問題は生じないと解されてきたが、2020年改正により、損害賠償の請求もできるとされた。 正解2 【問 5】時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、時効の対象となる債権の発生原因は、令和2年4月1日以降に生じたものとする。 1. 消滅時効の援用権者である「当事者」とは、権利の消滅について正当な利益を有する者であり、債務者のほか、保証人、物上保証人、第三取得者も含まれる。 2. 裁判上の請求をした場合、裁判が終了するまでの間は時効が完成しないが、当該請求を途中で取り下げて権利が確定することなく当該請求が終了した場合には、その終了した時から新たに時効の進行が始まる。 3. 権利の承認があったときは、その時から新たに時効の進行が始まるが、権利の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことを要しない。 4. 夫婦の一方が他方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は、時効が完成しない。 解答解説 1〇 記述のとおり、消滅時効の援用権者である「当事者」とは、権利の消滅について正当な利益を有する者であり、債務者のほか、保証人、物上保証人、第三取得者も含まれる。7-8 法145条 2× 裁判上の請求をしたが、それが確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合(請求の取下げ等)にあっては、その終了の時から6箇月を経過するまでの間は、時効の完成は猶予される。が、請求の終了した時から新たに時効の進行が始まる=時効の更新の効力はない。7-11 法147条1項1号 3〇 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。この承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことを要しない。 7-16 法152条 4〇 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。法159条 正解2 ワンポイント 法改正があった、時効の完成猶予と時効の更新に関する記述が正解肢。3が細かいが、1~4すべて条文通りの出題で、正解肢はわかったと思う。 【問 6】AはBにA所有の甲建物を令和2年7月1日に賃貸し、BはAの承諾を得てCに適法に甲建物を転貸し、Cが甲建物に居住している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 1. Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。 2. Cの用法違反によって甲建物に損害が生じた場合、AはBに対して、甲建物の返還を受けた時から1年以内に損害賠償を請求しなければならない。 3. AがDに甲建物を売却した場合、AD間で特段の合意をしない限り、賃貸人の地位はDに移転する。 4. BがAに約定の賃料を支払わない場合、Cは、Bの債務の範囲を限度として、Aに対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負い、Bに賃料を前払いしたことをもってAに対抗することはできない。 解答解説 1× 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない。ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない。よって、記述は誤り。9-9 2〇 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。法622条 3〇 賃借権が対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。9-21 本肢では、転借人Cが建物の引渡しを受けているので、賃借権は対抗要件を備えている。9-19 よって、AがDに甲建物を売却した場合、AD間で特段の合意をしない限り、賃貸人の地位はDに移転する。 4〇 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。9-7 正解1 ワンポイント 転貸借の基本論点。 【問 7】Aを売主、Bを買主として、令和2年7月1日に甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 1. 甲土地の実際の面積が本件契約の売買代金の基礎とした面積より少なかった場合、Bはそのことを知った時から2年以内にその旨をAに通知しなければ、代金の減額を請求することができない。 2. AがBに甲土地の引渡しをすることができなかった場合、その不履行がAの責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、BはAに対して、損害賠償の請求をすることができる。 3. Bが売買契約で定めた売買代金の支払期日までに代金を支払わなかった場合、売買契約に特段の定めがない限り、AはBに対して、年5%の割合による遅延損害金を請求することができる。 4. 本件契約が、Aの重大な過失による錯誤に基づくものであり、その錯誤が重要なものであるときは、Aは本件契約の無効を主張することができる。 解答解説 1× 売主が「種類又は品質」に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合には、買主の不適合の通知期間に制限があるが、「数量」に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合は、不適合の通知期間の制限はない。よって、代金減額請求ができなくなることはない。6-26 2〇 債務者がその債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。5-4 3× 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。この法定利率は、変動制が取られているので、年5%の割合とは限らない。5-9 4× 錯誤が「表意者の重大な過失」によるものであった場合には、一定の場合を除き、意思表示の「取消し」をすることができない。錯誤による意思表示は「無効」ではなく、「取消し」である。3-5 正解2
1億2,000万円の財産を有するAが死亡した場合の法定相続分についての次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものの組み合わせはどれか。 ア. Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 イ. Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。 ウ. Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 エ. Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。 1.ア、ウ 2.ア、エ 3.イ、ウ 4.イ、エ 解答解説 ア× 被相続人Aの長男の子B及びCが相続人ということは、BCは長男の代襲相続人である。被相続人Bの次男の子Dが相続人ということは、Dは次男の代襲相続人である。代襲相続人が複数いるとき、代襲相続人の相続分は、被代襲者の相続分を株分け(代襲相続分の相続分に応じて分ける)となる。よって、被代襲者の長男と次男の相続分はそれぞれ2分の1であるが、長男を代襲するBCはそれぞれ4分の1を代襲する。一方、次男を代襲するDは、次男の相続分2分の1をそのまま代襲できる。よって、BCDの相続分がそれぞれ4000万円というのは誤り。12-2 イ〇 アで述べたとおり、BCは長男の相続分を株分けし、Dは次男の相続分をそのまま代襲するので、BCはそれぞれ4分の1=4500万円。Dは、2分の1=9000万円となり、記述は正しい。 ウ〇 祖父母が相続人になる場合は、親の相続を代襲するのではなく、相続順に従った本位相続(固有の相続)である。よって、複数いる場合は、各人同格なので、均分し、相続分は各4000万円である。12-1 エ×祖父母EFGは、本位相続人なので、各3分の1=4000万円が相続分である。 ワンポイント 代襲相続人が複数いる場合は株分けになること、祖父母が相続人になるときは本位相続であることを知っていれば、容易であるが、知らないと訳が分からない問題に見えると思う。令和2年の10月試験でも、相続人子には再代襲があるが、相続人兄弟姉妹には再代襲がないという、かなり細かいことを聞いていた。 正解3 【問 9】地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 1. 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。 2. 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。 3. 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。 4. 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。 解答解説 1× 地役権は、継続的に行使され、「かつ」、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。「又は」ではない。10-16 外形上認識できるものに限ったのは、時効取得される所有者側に、裁判上の請求等による時効の更新の機会を与えるためである。 2〇 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。10-14 法280条 3〇 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。法286条 4〇 地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転する。したがって、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るのであれば、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。10-17 正解1 【問10】不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1. 共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。 2. 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。 3. 共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。 4. 共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。 解答解説 1〇 各共有者の持分は、相等しいものと推定する。10-2 2〇 共有物を変更するには、全員の合意が必要である。10-5 3〇 共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。10-4 4× 共有者の1人が、①その持分を放棄したとき、又は、②相続人なくして死亡し、特別縁故者に相続財産の分与をもなかったときは、その持分は他の共有者に帰属する。10-7 正解4 【問 11】次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 1. 借地権者が借地権の登記をしておらず、当該土地上に所有権の登記がされている建物を所有しているときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができるが、建物の表示の登記によっては対抗することができない。 2. 借地権者が登記ある建物を火災で滅失したとしても、建物が滅失した日から2年以内に新たな建物を築造すれば、2年を経過した後においても、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。 3. 土地の賃借人が登記ある建物を所有している場合であっても、その賃借人から当該土地建物を賃借した転借人が対抗力を備えていなければ、当該転借人は転借権を第三者に対抗することができない。 4. 借地権者が所有する数棟の建物が一筆の土地上にある場合は、そのうちの一棟について登記があれば、借地権の対抗力が当該土地全部に及ぶ。 解答解説 1× 借地権者が借地権の登記をしていなくても、当該土地上に登記がされている建物を所有するしているときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができ、この登記は建物の表示の登記でもよい。9-36 2× 登記した建物が滅失したときは、一定事項を土地のみやすい場所に掲示することによって、滅失の日から2年間は、借地権を第三者に対抗できるが、建物を新たに建てるだけでは対抗できない。9-37 3× 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。そして、当該土地建物の転借人は、借地人が対抗要件を備えていれば、転借権を第三者に対抗することができる。9-36 なお、本記述で、「転借人が対抗力を備えていなければ」とあるのが、何を意味するのか不明である。転借人の対抗力とは、具体的に何を意味するのか分からない。 4〇 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。そして、借地権者が所有する数棟の建物が一筆の土地上にある場合は、そのうちの一棟について登記があれば、借地権の対抗力は当該土地全部に及ぶ。9-36 正解4 【問 12】賃貸人Aと賃借人Bとの間で令和2年7月1日に締結した居住用建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。 1. 当該建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらずAが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは自ら修繕をすることができる。 2. BがAに無断でCに当該建物を転貸した場合であっても、Aに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除することができない。 3. 賃貸借契約に期間を定め、賃貸借契約を書面によって行った場合には、AがBに対しあらかじめ契約の更新がない旨を説明していれば、賃貸借契約は期間満了により終了する。 4. Bが相続人なしに死亡した場合、Bと婚姻の届出をしていないが事実上夫婦と同様の関係にあった同居者Dは、Bが相続人なしに死亡したことを知った後1月以内にAに反対の意思表示をしない限り、賃借人としてのBの権利義務を承継する。 解答解説 1〇 賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人は、その修繕をすることができる。法607条の2第1号 2〇 賃借人が、賃貸人の承諾を得ず、その賃借物を転貸した場合、賃貸人は、原則として契約の解除をすることができる。しかし、当該転貸借が、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人は賃貸借契約を解除することができない。9-4・5 3× 期間の定めがある建物賃貸借をする場合、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合、建物賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した「書面」を交付して「説明」しなければならない。「説明」するだけでは不十分である。9-27 4〇 居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、建物の賃借人と事実上夫婦と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。9-26 ワンポイント 正解肢3は、定期借家権の基本。定期借家権は頻出なので、細かいところも抑ええておく必要がある。 正解3 【問 13】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1. 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。 2. 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。 3. 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。 4. 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を解任することができる。 解答解説¥ 1〇 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。13-11 2〇 管理者又は特定の区分所有者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。13-3 3× 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じる。13-15 4〇 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任又は解任することができる。13-9 ワンポイント 正解肢3は、常識でもわかる基本中の基本。 正解3 【問 14】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1. 表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 2. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。 3. 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 4. 登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。 解答解説 1〇 表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる地位も相続するので、当該表示に関する登記を申請することができる。法30条「表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。」 2× 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地についても、分筆の登記をすることができる。法40条参照 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について制限されているのは、合筆の登記である。14-8参照 3〇 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。14-21 法48条1・2項(区分建物についての建物の表題登記の申請方法)「第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。」 4〇 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。ただし、登記の申請所等、一定の図面以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。14-2 法121条2項 正解2 【問 15】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。 2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。 3.都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。 4.準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。 解答解説 1× 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとされている。1-38 2〇 市街地開発事業は、市街化調整区域には定めることができない。1-30 3× 都市計画区域は、原則として都道府県が指定する。1-1 4× 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができる。高度利用地区は、定めることはできない。 正解2 【問 16】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。 1. 市街化調整区域において、非常災害のため必要な応急措置として8,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。 2. 市街化区域において、社会教育法に規定する公民館の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。 3. 区域区分が定められていない都市計画区域において、店舗の建築の用に供する目的で行われる2,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。 4. 市街化調整区域において、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行われる100㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の詐可を受けなくてよい。 解答解説 1× 許可不要。非常災害のための開発行為は、許可不要である。さらに「8,000㎡の土地の区画形質の変更」というだけでは、開発行為に当たるかどうかも不明である。⒈-12・17 2〇 公民館等公益上必要な建築物の建築のように供する目的で行う開発行為は許可不要である。 3× 区域区分が定められていない区域(非線引き区域)で行う3000㎡未満の開発行為は許可不要である。1-14 4× 市街化調整区域では、規模による許可不要の例外はないので、100㎡の開発行為でも許可が必要である。1-14 正解2
【問 17】建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1. 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について、敷地の属する面積が大きい方の地域内の建築物に関する規定を適用する。2-14 65条 2. 倉庫の用途に供する建築物で、その用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が500㎡であるものは、耐火建築物としなければならない。 3. 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 4. 高さ1m以下の階段の部分には、手すりを設けなくてもよい。 解答解説 1× 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について、防火地域内の建築物に関する規定を適用する。2-14 65条 2〇 倉庫その他これに類するもので政令で定めるもので、その用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が「200㎡以上」に該当するものは、耐火建築物としなければならない。法27条2項1号 3〇 高さ「20mを超える」建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りでない。2-27 4〇 階段には、手すりを設けなければならないが、高さ1m以下の階段の部分には、この規定は適用されず、手すりを設けなくてもよい。法施行令25条4項 正解1 ワンポイント 2・4は細かい。1・3は切ればければダメ。 【問 18】次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。 1. 建築物の壁又はこれに代わる柱は、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものを除き、壁面線を越えて建築してはならない。 2. 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。 3. 都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、防火地域内にある耐火建築物については、法第53条第1項から第5項までの規定に基づく建蔽率に関する制限は適用されない。 4. 田園住居地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。 解答解説 1〇 建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ2mをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築してはならない。ただし、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものについては、この限りでない。2-4 2〇 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第48条第1項から第13項までの規定による制限を緩和することができる。1-7 3〇 防火地域(建蔽率の限度が10分の8とされている地域に限る。)内にある耐火建築物等については、建蔽率に関する規定は適用されない。したがって、都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、建蔽率に関する規定は適用されない。 2-6 ゴロ合わせ<10分の8(や)指定区域内・防火地域内の耐火建築物等(ぼったい)> から敵はない(適用なし) 4× 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域若しくは「田園住居地域」内又は第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内においては、北側斜線制限の規定が適用される。7-9 正解4 【問 19】宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1. 宅地造成工事規制区域は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地になろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事につき規制を行う必要があるものについて、国土交通大臣が指定することができる。 2. 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、宅地造成に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。 3. 都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)は、宅地造成工事規制区域の指定のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 4. 宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可を受けた宅地造成に関する工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を受けなければならない。 解答解説 1× 宅地造成工事規制区域は、都道府県が指定する。5-1 2〇 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事のうち、高さが5mを超える擁壁の設置は、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。5-3施行令16条1号 3〇 都道府県知事等は、宅地造成工事規制区域の指定のため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要がある場合においては、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる(法4条1項)。この場合、都道府県は、他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。法7条1項 4〇 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可を受けた者は、当該許可に係る工事を完了した場合においては、その工事が宅地造成に関する工事の技術的基準に適合しているかどうかについて、都道府県知事の検査を受けなければならない。法13条1項 正解1 ワンポイント 正解肢は、やさしい。3・4は、テキストに記載がないが、常識的に判断できよう。 【問20】土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. 市町村が施行する土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、従前の宅地に存する建築物について賃借権を有する者に対して支払わなければならない。 2. 施行者は、仮換地を指定した時に、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。 3. 換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。 4. 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るために宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合は、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小宅地とならないように換地を定めることができる。 解答解説 1× 都道府県又は市町は、土地区画整理事業の施行により、土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、その公告があった日における従前の「宅地」の所有者及びその「宅地」について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に対して、減価補償金として交付しなければならない。「建築物」について賃借権を有する者に対して支払う必要はない。法109条1項 2× 施行者は、「換地処分の公告」があった場合においては、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。仮換地の指定時に徴収又は交付するわけではない。法110条1項 3-15参照 3〇 換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない(換地照応の原則)。法89条 4× 都道府県又は市町村若しくは国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社の施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るため宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合においては、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小宅地とならないように換地を定めることができる。土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画において、問題文のような規定はない。法91条1項 ワンポイント 1・4は、細かい規定だが、3の正解肢が基本事項だから、飾りとして出題されたのだろう。 【問 21】農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。 1. 山林を開墾し、農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地に該当しない。 2. 親から子に対して、所有するすべての農地を一括して贈与する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。 3. 耕作を目的として農業者が競売により農地を取得する場合であっても、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。 4. 市街化区域以外の区域に存する4haを超える農地を転用する場合には、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。 解答解説 1× 「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいうが、これは現況により判断され、土地登記簿上の地目で判断されるのではない。4-1 2× 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合は、農地法3条の許可が必要である。有償・無償を問わない。したがって、農地を贈与する場合には、法第3条第1項の許可が必要であり、これは親から子への贈与であっても同様である。4-2 3〇 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合は、農地法3条の許可が必要である。競売による取得であっても、所有権が移転する以上、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。4-2 4× 農地を農地以外のものにする者は、「都道府県知事等」の許可を受けなければならない。4haを超える農地を転用する場合であっても同様である。4-6 正解3 【問 22】国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。 1. 都道府県知事は、事後届出に係る土地の利用目的及び対価の額について、届出をした宅地建物取引業者に対し勧告することができ、都道府県知事から勧告を受けた当該業者が勧告に従わなかった場合、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。 2. 事後届出が必要な土地売買等の契約により権利取得者となった者が事後届出を行わなかった場合、都道府県知事から当該届出を行うよう勧告されるが、罰則の適用はない。 3. 国が所有する市街化区域内の一団の土地である1,500㎡の土地と500㎡の土地を個人Aが購入する契約を締結した場合、Aは事後届出を行う必要がある。 4. 個人Bが所有する都市計画区域外の11,000㎡の土地について、個人CがBとの間で対価を支払って地上権設定契約を締結した場合、Cは事後届出を行う必要がある。 解答解説 1× 都道府県知事は、事後届出に係る土地の利用目的については、届出をした宅地建物取引業者に対し勧告することができるが、対価額については勧告できない。6-3 2× 届け出義務違反には、罰則が科される。6-1 3× 市街区域内では、2000㎡以上の一団の土地を有償取得した場合は、届け出なければならないが、契約当事者の一方が国である場合は、届出不要となる。6-1 4〇 都市計画区域外で10000㎡以上の土地につき対価を支払って地上権設定契約をした場合は、設定を受けた者Cは、事後届け出をする必要がある。6-1 正解4 【問 23】住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. この税率の軽減措置の適用を受けるためには、やむを得ない事情がある場合を除き、その住宅用家屋の取得後1年以内に所有権の移転登記を受けなければならない。 2. この税率の軽減措置は、住宅用家屋を相続により取得した場合に受ける所有権の移転登記についても適用される。 3. この税率の軽減措置に係る登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、売買契約書に記載されたその住宅用家屋の実際の取引価格である。 4. 過去にこの税率の軽減措置の適用を受けたことがある者は、再度この措置の適用を受けることはできない。 解答解説 1〇 住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の適用を受けるためには、やむを得ない事情がある場合を除き、その住宅用家屋の取得後1年以内に所有権の移転登記を受けなければならない。8-13 2× この税率の軽減措置は、住宅用家屋を売買又は競落により取得した場合に受ける所有権の移転登記についても適用され、相続により取得した場合に受ける所有権の移転登記については適用されない。8-13 3× この税率の軽減措置に係る登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額による。登録免許税法附則7条8-12参照 売買契約書に記載されたその住宅用家屋の実際の取引価格ではない。 4× この税率の軽減措置は、なんどでも受けられる。8-13チェック2 正解1 【問 24】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1.固定資産税を既に全納した者が、年度の途中において土地の譲渡を行った場合には、その譲渡後の月数に応じて税額の還付を受けることができる。 2.固定資産税の税率は、1.7%を超えることができない。 3.固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定めることとされているが、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。 4.200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、課税標準となるべき価格の2分の1の額とする特例措置が講じられている。正解3 解答解説 1× 固定資産税は、賦課期日(1月1日)における所有者に対して、その年度分の固定資産税の全額が課税される。年度途中において土地の譲渡を行ったからといって、その譲渡後の月数に応じて税額の還付を受けることはできない。8-4 2× 固定資産税の標準税率は、1.4%である。これは標準とすべき税率であり、市町村の条例でこれと異なる税率を定めることができ、特に1.7%を上限とすべき定めは地方税法上ないから、1.7%を超えることもできる。なお、地方税法350条では、一定の場合には、1.7%を超える税率で固定資産税を課する旨の条例を制定しようとするときは、当該市町村の議会において、当該納税義務者の意見を聴くものとされている。 3〇 固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。8-4法362条1項 4× 住宅用地のうち、その面積が200㎡以下であるもの(小規模住宅用地)に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の「6分の1」の額とする。8-7 正解3 【問 25】地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. 土地鑑定委員会は、その土地に地上権が存する場合であっても、標準地として選定することができる。 2. 土地鑑定委員会は、標準地について、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めるものとし、当該2人以上の不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価書を連名で提出しなければならない。 3. 土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を判定したときは、標準地の単位面積当たりの価格のほか、当該標準地の価格の総額についても官報で公示しなければならない。 4. 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、標準地として選定されている土地を取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格と同額としなければならない。正解1 解答解説 1〇 土地鑑定委員会は、標準地について、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの「正常」な価格を公示する。この「正常な価格」とは、当該土地に地上権が存する場合には、地上権が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいう。したがって、地上権が存する土地を標準地として選定できることを前提にしている。7-7法2条2項 2× 土地鑑定委員会は、標準地について、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めるものとするという点は正しい。しかし、標準地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し鑑定評価書を提出しなければならないが、「連名」で提出しなければならない旨の規定はない。7-8 法5条 3× 土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、「標準地の単位面積当たりの価格」は公示しなければならないが、「当該標準地の価格の総額」までは公示する必要はない。7-9法6条2号 4× 誤り。土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、「公示区域内の土地」を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を「規準」としなければならない。「標準地として選定されている土地」そのものを取得する時は、取得価格を公示価格と同額としなければならない、わけではない。7-12 法9条 ワンポイント 地価公示法の基本からの出題。 【問 26】次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.宅地建物取引業者は、建物の売買に際し、買主に対して売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引してはならない。 2.宅地建物取引士は、自ら役員を務める宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅地建物取引士の登録を消除されることとなる。 3.宅地建物取引業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結してはならない。 4.宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為は禁止されているが、売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引する行為は禁止されていない。7-5 2〇 業務停止処分事由(宅地建物取引業に関し不正な行為等)に該当し情状が特に重いことにより宅地建物取引業者が免許を取り消された場合、その宅地建物取引業者が法人であるときは、その法人の役員であった者は、事後的に登録欠格事由に該当することになるので、宅地建物取引士の登録を消除される。8-5 3×宅地建物取引業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結 することについては、何ら規制はかかっていない。 4× 宅地建物取引業者は、その「事務所」ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならない。案内所に帳簿を備える必要はない。3-2 正解2 【問 27】宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。 2.宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。 3.宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。 4.テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、一定の事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。「表示」自体が禁止されているのであり、誤認による損害が実際に発生していなくても、監督処分の対象となる。7-2 2× 宅地建物取引業者は、建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる建築確認等があった後でなければ、当該工事に係る建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。建築確認申請中である旨の表示をしても、建築確認がない状態では広告をすることはできない。7-3 3〇 宅地建物取引業者は、宅地の造成に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。許可等の処分があった後であれば、広告をすることができる。7-3 4× 宅建業法の広告の規制は、テレビやインターネットを利用して行う広告も含まれる。7-2 正解3 【問28】宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「専任媒介契約」とは、専属専任媒介契約ではない専任媒介契約をいうものとする。 ア. AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければならない。 イ. AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 ウ. AがBとの間で一般媒介契約を締結し、当該契約において、Bが他の宅地建物取引業者に重ねて依頼するときは当該他の宅地建物取引業者を明示する義務がある旨を定める場合、Aは、Bが明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。 エ. AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、不動産鑑定士に評価を依頼して、その根拠を明らかにしなければならない。 1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.四つ 解答解説 ア× 宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、一定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。これに反する特約は、無効とされている(法34条の2第10項)。したがって、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約があっても、それは無効である。5-6 イ× 専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を「2週間」に1回以上報告しなければならない。5-6 ウ〇 34条の2書面には、依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを許し、かつ、他の宅地建物取引業者を明示する義務がある媒介契約にあっては、依頼者が明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならない。5-3 エ× 宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。この根拠は、不動産鑑定士の鑑定評価に限らず、他の合理的な説明がつくものであればよい。5-4 以上より、正しいものは、ウの一つだけであり、肢1が正解となる。 正解1 ワンポイント 有効期間の制限と登録・報告義務【覚え方】ゴロ合わせ 3か月 【有効期間の制限】浮気はできない (専任) な(7日)ご(5日)やの 【登録義務】 兄(2・1週間)ちゃん 【報告義務】 【問 29】次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.宅地建物取引業者(甲県知事免許)が、乙県内に新たに事務所を設置して宅地建物取引業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行い、その免許を受けたときは、国土交通大臣から、免許換え前の免許(甲県知事)の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする免許証の交付を受けることとなる。 2.宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったため、乙県知事に登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をしたときは、乙県知事から、有効期間を5年とする宅地建物取引士証の交付を受けることとなる。 3.宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する建物の売買に関する取引において宅地建物取引士として行う事務に関し不正な行為をし、乙県知事により事務禁止処分を受けたときは、宅地建物取引士証を甲県知事に提出しなければならない。 4.宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、乙県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買の契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場合、国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。 解答解説 1× 免許換えによる免許は純然たる新規免許で、有効期間は5年である。免許換え前の免許の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とするのではない。⒈-16 2× 登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請があったときは、移転後の都道府県知事は、「従来の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間」とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。2-12 3〇 宅地建物取引士は、事務禁止の処分を受けたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその「交付を受けた都道府県知事」に提出しなければならない。乙県知事より事務禁止処分を受けたとしても、宅地建物取引士証の提出先は、甲県知事である。2-10 4× 免許換えは、「事務所」の設置廃止移転で問題となり、「案内所」の設置廃止移転で問題となることはない。本肢では免許換えは不要である。⒈-16 正解3 ワンポイント 基本的なひっかけ問題である。 【問30】宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。 2.保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。 3.保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。 4.保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所は60万円及びその他の事務所ごとに30万円の合計額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。したがって、本肢では、60万円(本店)+30万円×3(3つの支店)=150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。4-14 2〇 保証協会から還付額に相当する額の還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。4-19 3× 一の宅地建物取引業保証協会の社員である者は、他の宅地建物取引業保証協会の社員となることができない。4-11 4× 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、保証協会が供託した弁済業務保証金について、弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について当該「保証協会」の認証を受けなければならない。甲県知事の認証を受けるわけではない。4-18 正解2 【問 31】宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.宅地建物取引業者が、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許が取り消され、その後5年を経過していない場合は、免許を受けることができない。 2.免許を受けようとしている法人の政令で定める使用人が、破産手続開始の決定を受け、復権を得てから5年を経過していない場合、当該法人は免許を受けることができない。 3.免許権者は、免許に条件を付することができ、免許の更新に当たっても条件を付することができる。 4.宅地建物取引業者の役員の住所に変更があったときは、30日以内に免許権者に変更を届け出なければならない。 正解3 解答解説 1×悪質な免許取り消し処分(不正手段により免許を受けた、業務停止処分事由に該当し情状が特に重い又は業務の停止の処分に違反したことを理由とする免許取消処分)を受けた場合は、その取消しの日から5年を経過しない者は免許を受けることはできないが、「免許を受けてから1年以内に事業を開始せず」免許が取り消された場合は、その後5年を経過していなくても免許を受けることができる。⒈-11 2× 法人でその政令で定める使用人のうちに欠格事由に該当する者のあるものは、免許を受けることはできない。そして、破産手続開始の決定を受けて復権を得れば、翌日から免許を受けることができるので、当該法人は免許を受けることができる。⒈-11 3〇 免許権者は、免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。そして、これについて免許の更新を含むとされている。法3条の2第1項 4× 宅地建物取引業者が法人である場合においては、その役員の「氏名」は宅地建物取引業者名簿の記載事項であるが、役員の「住所」は記載事項ではないので、変更の届出は不要である。⒈-15 【問 32】宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 ア. 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。 イ. 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。 ウ. 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。 エ. 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。 1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.四つ 解答解説 ア〇 宅地の売買においては、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要は、重要事項の説明対象である。6-3 法35条1項2号 イ〇 建物の貸借においては、「当該宅地又は建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨」というのは、重要事項の説明対象である。6-6施行規則16条の4の3第2号 ウ〇 宅地の貸借については、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限「以外」のもので、当該宅地に係るものとされており、本肢の事項は説明対象から外されている。施行令3条2項 エ〇 宅地の売買においては、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要は、重要事項の説明対象である。6-3 法35条1項2号 以上より、ア~エの4つとも正しいので、正解は肢4となる。 正解4 ワンポイント かなり細かい。常識判断を加味して解くほかない。 【問 33】宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1.宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。 2.宅地建物取引業者は、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。 3.宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。 4.免許権者は、宅地建物取引業者が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内に届出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、当該事務所につき政令で定める額の営業保証金を供託しなければならないが、供託先は、主たる事務所のもよりの供託所である。4-5 2× 宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合において、有価証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に新たに供託しなければならない。従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求するのではない。4-6 3× 免許の有効期間が満了したときは、当該宅地建物取引業者であった者が供託した営業保証金を取り戻すことができる。そして、この取戻しは、還付請求権者に対し、6月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかった場合でなければ、これをすることができない。4-10 法30条2項 4〇 免許権者は、免許をした日から3月以内に宅地建物取引業者が営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。そして、その催告が到達した日から1月以内に宅地建物取引業者が届出をしないときは、その免許を取り消すことができる。4-4 正解4
【問34】宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1.宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。 2.宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。 3.宅地建物取引業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。 4.宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。 解答解説 1〇 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。そして、宅地建物取引業者は、国土交通大臣の定める報酬額を超えて報酬を受けてはならない。これは、依頼者が承諾していたとしても、同様である。5-16法46条2項 2〇 宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、不当に高額の報酬を要求する行為をしてはならない。これは、要求する行為自体を禁止するものであり、実際に報酬を受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。5-16 3〇 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まない。)の1月分の1.1倍に相当する金額以内とする。本肢は、事業用建物の貸借であり、居住用の建物の場合のように、依頼者の一方から受けることのできる報酬の額が、1月分の0.55倍に相当する金額以内であるというような制限はない。5-13 告示第4 4× 依頼者の「依頼によって」行う広告の料金に相当する額については、報酬額とは別途受領することができるが、「依頼者の依頼によらない」広告の料金は別途受領することはできない。5-16 正解4 【問 35】宅地建物取引業者Aが行う媒介業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。 ア.Aが建物の売買契約を成立させた場合においては、37条書面を買主に交付するに当たり、37条書面に記名押印した宅地建物取引士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。 イ.Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。 ウ.Aが建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。 エ.Aが事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならない。 1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.四つ 解答解説 ア〇 宅地建物取引業者は、37条書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名押印させなければならないが、当該書面の交付者については特段の規制はなく、37条書面に記名押印した宅地建物取引士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。6-12 イ× 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、その媒介により契約が成立したときの37条書面には、「引渡しの時期」は記載しなければならないが、「賃借権設定登記の申請の時期」は記載する必要はない。これは、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても同様である。6-13 ウ〇 「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容」は、37条書面の記載事項であり、たとえ重要事項説明書にその旨記載していたとしても、37条書面にもその内容を記載しなければならない。6-17 エ〇 宅地建物取引業者は、37条書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名押印させなければならない。これは、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても同様である。6-12 以上より、正しいものは、ア、ウ、エの三つであり、正解は肢3となる。 正解3 1.宅地建物取引業者は、依頼者本人の承諾があった場合でも、秘密を他に漏らしてはならない。 2.宅地建物取引業者が、宅地建物取引業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。 3.宅地建物取引業者は、裁判の証人として、その取り扱った宅地建物取引に関して証言を求められた場合、秘密に係る事項を証言することができる。 4.宅地建物取引業者は、調査の結果判明した法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、「正当な理由」がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。そして、この「正当な理由」には、依頼者本人の承諾があった場合が含まれるので、この場合には秘密を他に漏らしてもよい。7-8 2× 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなった後であっても、同様である。7-8 3〇 宅地建物取引業者は、「正当な理由」がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。そして、裁判の証人として証言を求められたことは、秘密を漏らしてよい「正当な理由」にあたる。7-8 4× 宅地建物取引業者は、「正当な理由」がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。そして、法第35条第1項各号に掲げる事項は、取引の相手方に説明しなければならないことは、秘密を漏らしてよい「正当な理由」にあたる。7-8 正解3 【問 37】宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。 1.既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。 2.代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。 3.損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。 4.宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。 解答解説 1〇 「当該建物が既存の建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」というのは、37条書面の必要的記載事項であり、確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。6-13 2× 「代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合においては、当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置」は、定めあれば記載すべき事項で、定めがなければ、「定めがない旨」の記載も不要である。6-14 3× 「損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容」は、定めあれば記載すべき事項で、定めがなければ、「定めがない旨」の記載も不要である。 4× 「当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容」は、定めあれば記載すべき事項で、定めがなければ、「定めがない旨」の記載も不要である。 正解1 【問 38】宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア.宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。 イ.未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。 ウ.宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。 エ.成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。 1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.なし 解答解説 ア× 宅地建物取引業者は、法定の数の専任の宅地建物取引士の設置義務に関する規定に抵触するに至ったときは、「2週間」以内に、この規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。そして、専任の宅地建物取引士の氏名は、宅地建物取引業者名簿の記載事項であるから、宅地建物取引業者は「30日」以内に、その旨を免許権者に届け出なければならない。 2-15 イ× 未成年者である宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員)が宅地建物取引士であるときに、成年者である専任の宅地建物取引士とみなされることによって、未成年者が専任の宅地建物取引士となることはあるが、単に法定代理人の同意があるというだけで、専任の宅地建物取引士となることができるということはない。2-16参照 ウ〇 宅地建物取引士は、重要事項の「説明」をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。しかし、宅地建物取引業者相互間の取引においては、重要事項の「説明」は不要であり、重要事項説明書を「交付」するに当たり、宅地建物取引士証の提示をする必要はない。取引の関係者から請求があったときだけ、宅地建物取引士証を提示すればよい。6-1、2-10 エ× 成年被後見人又は被保佐人は、登録欠格事由からはずされた。2020年改正 成年被後見人又は被保佐人は、「心身の故障によりれた宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの」に該当することにより登録を受けることができない場合があるが、すべて登録を受けることができないというわけではない。2-5・6 法18条1項12号 以上より、正しいものは、ウの一つだけであり、肢1が正解となる。 ワンポイント エが改正直後の出題で、しかも個数問題だから、難しかった。 【問 39】宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1.Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。 2.Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。 3.Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。 4.Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅地建物取引業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。 解答解説 1× 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所等以外の場所において、買受けの申込みをしても、申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、「かつ」、その代金の全部を支払ったときは、クオフによる契約を解除することができない。本肢では、代金全額は支払われているが、引渡しを受ける前なので解除することができる。7-14 2.〇 Bが、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結したことは、クオフできるが、クオフできる旨と方法につき書面告知を受け8日経過するとクフできなくなる。問題となっているのは契約締結後10日後だが、書面告知をしたのは契約締結後3日目なので、書面告知後7日経過後である。よって、Bは、クオフできる。 3〇 クオフできる旨と方法につき書面告知をしてから8日経過するとクフ出来なくなるという法の定めより買主に不利な特約は無効となる。記述の特約は、14日経過後にできなくなるというもので、法の定めより買主に有利だから有効である。よって、契約締結・書面告知後10日後でもクフできる。 4〇 当該宅地建物取引業者から代理又は媒介の依頼を受けた他の宅地建物取引業者の事務所はクオフできない場所になるが、記述のハウスメーカーは宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていないので、その事務所はクオフできる場所になる。したがって、クオフについて書面告知を受けてから8日経過後まではクオフでき、記述では、6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付したというのだから、Bはクオフでき、Aは契約の解除を拒むことができない。7-13・14 正解1 ワンポイント クーリング・オフは、例年4肢目いっぱい使って問われるが、内容的にはむずかしくない。問題文を的確に読み取り、基準にしっかり当てはめることが大事である。 【問 40】宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する業務に関する禁止事項についての次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 宅地建物取引業者が、マンション販売の勧誘をするに際し、相手方から購入を希望しない旨の返事があった後に、当該勧誘を継続することは法に違反しない。 2 宅地建物取引業者は、契約の相手方に対して資金不足を理由に手付の貸付けを行ったが、契約締結後償還された場合は法に違反しない。 3 宅地建物取引業者は、契約の締結の勧誘をするに際し、理由の如何を問わず、相手方に対して当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。 4 宅地建物取引業者は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘したとしても、法に違反しない。 解答解説 1× 宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続してはならない。7-7 2× 宅地建物取引業者は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為をしてはならない。これは、契約の誘引行為自体を禁止しており、契約締結後償還されたとしても、法に違反する。7-5 3× 宅地建物取引業者等は、正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。正当な理由があれば、このような行為も認められるので、「理由の如何を問わず」という部分が誤りである。7-7 4〇 宅地建物取引業者は、「手付」について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為をしてはならない。売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘することは禁止されていない。7-5参照 正解4 【問 41】宅地建物取引業法第49条に規定する帳簿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1.宅地建物取引業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。 2.宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。 3.宅地建物取引業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならないが、自ら売主となり、又は売買の媒介をする新築住宅に係るものにあっては10年間保存しなければならない。 4.宅地建物取引業者は、帳簿の記載事項を、事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンターを用いて明確に紙面に表示する場合でも、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができない。 解答解説 1× 宅地建物取引業者は、その「事務所ごと」に、その業務に関する帳簿を備えなければならない。支店にも帳簿を備える必要がある。3-2 2〇 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。3-2 3× 宅地建物取引業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならないが、当該宅地建物取引業者が「自ら売主」となる新築住宅に係るものにあっては、10年間保存しなければならない。「売買の媒介」の場合の保存期間は5年である。3-2 4× 帳簿の記載事項である宅地建物取引のあった年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積等が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに記録され、必要に応じ当該事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができる。3-2 正解2 ワンポイント 3のひっかけは、うっかりすると気が付かない。 【問 42】宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。 1.地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項により指定された歴史的風致形成建造物である建物の売買の媒介を行う場合、その増築をするときは市町村長への届出が必要である旨を説明しなくてもよい。 2.既存の建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。 3.区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。 4.建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならない。 解答解説 1× 建物の売買の媒介を行う場合、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律により、歴史的風致形成建造物の増築、改築、移転又は除却についての市町村長への届出は、重要事項の説明対象である。6-3 2〇 当該建物が既存の建物であるときは、設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの「保存の状況」を説明しなければならない。したがって、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。6-8 3〇 区分所有建物の売買の場合には、「当該一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容」は、重要事項の説明対象である。6-7 4〇 建物の貸借の場合には、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」は、重要事項の説明対象である。6-6 正解1 ワンポイント 正解肢1は、知っている人は少ないだろう。消去法と常識で判断しよう。 【問43】宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士及びその登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. 登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。 2. 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。 3. 宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。 4. 宅地建物取引士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。 解答解説 1× 登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、「本人」又はその法定代理人若しくは同居の親族は、その旨を当該登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。2-13 法21条3号 2× 宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が指定する講習で交付の申請前6月以内に行われるものを受講しなければならないが、登録の移転に伴い宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合には、この講習の受講は不要である。2-12 3× 宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、「10万円」以下の「過料」に処する。8-8(3) 4〇 刑法第222条(脅迫)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は、宅地建物取引士の登録を受けることができない。2-5 正解4 ワンポイント 肢1は、改正があった細かいところだが、正解肢4は、基本中の基本。 【問 44】宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア.宅地には、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、将来的に建物の敷地に供する目的で取引の対象とされる土地も含まれる。 イ.農地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであっても、宅地には該当しない。 ウ.建物の敷地に供せられる土地であれば、都市計画法に規定する用途地域外に存するものであっても、宅地に該当する。 エ.道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであれば宅地に該当する。 2.二つ 3.三つ 4.四つ 解答解説 ア〇 宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいうが、これには、現に建物の敷地に供せられている土地に限らず、広く建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地も含まれる。⒈-1 イ× 宅地には、都市計画法に規定する用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むとされている。したがって、農地であっても、用途地域内であれば、宅地となる。⒈-1 ウ〇 宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいうので、用途地域の外に存するものであっても、宅地となる。⒈-1 エ× 宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法に規定する用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの「以外」のものを含む。したがって、道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、用途地域内に存しても宅地ではない。⒈-1 以上より、正しいものは、アとウの二つであり、肢2が正解となる。 正解2 【問 45】宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によれば、正しいものはどれか。 1. Aが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。 2. Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。 3. Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。 4. 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。 解答解説 1× 販売新築住宅の合計戸数の算定に当たっては、販売新築住宅のうち、その床面積の合計が「55㎡」以下のものは、その2戸をもって1戸とする。 2× 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、国土交通大臣の承認を受けた場合を除き、変更又は解除をすることができない、という規定はあるが、本肢のような規定はない。 *履行確保法2条7項5号 3× 新築住宅に瑕疵がある場合において、宅地建物取引業者が保険金の支払を受けることができるのは、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分に瑕疵があった場合であり、給水設備又はガス設備の瑕疵による場合は、支払を受けることができない。法2条7項2号イ 4〇 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者が住宅瑕疵担保責任保険法人と締結するものであり、「宅地建物取引業者」が保険料を支払うことを約するものであることが必要である。法2条7項1号 正解4 【問 46】独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。 2 証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。 3 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。 4 証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金は含まれない。 解答解説 1〇 機構は、その業務として、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを行っている。9-2法13条1項6号 2〇 証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関がそれぞれ貸し付けたものである以上、金融機関によって異なる場合がある。9-5 3〇 高齢者が自ら居住する住宅について行う改良(改良後の住宅が加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能の低下の状況に対応した構造及び設備について機構が定める基準に適合する構造及び設備を有するものとすることを主たる目的とするものに限る。)に係る貸付金の償還は、高齢者の死亡時に一括償還をする方法によることができる。9-3業務方法書24条4項2号 4× 証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、住宅の購入に付随する当該住宅の改良も含まれる。9-5住宅金融支援機構法施行令5条1項2号 【問 47】宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。 1. 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、セットバックを要する旨及びその面積を必ず表示しなければならない。 2. 取引態様については、「売主」、「貸主」、「代理」又は「媒介(仲介)」の別を表示しなければならず、これらの用語以外の「直販」、「委託」等の用語による表示は、取引態様の表示とは認められない。 3. インターネット上に掲載している賃貸物件について、掲載した後に契約済みとなり実際には取引できなくなっていたとしても、当該物件について消費者からの問合せがなく、故意に掲載を継続していたものでなければ、不当表示に問われることはない。 4. 新築分譲住宅を販売するに当たり、販売価格が確定していないため直ちに取引することができない場合、その取引開始時期をあらかじめ告知する予告広告を行うことはできない。 解答解説 1× 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、その旨を表示し、セットバックを要する部分の面積がおおむね「10パーセント以上」である場合は、併せてその面積を明示することが必要である。面積については、必ず表示しなければならないわけではない。公正競争規約施行規則8条(5)10-3 2〇 取引態様は、「売主」、「貸主」、「代理」又は「媒介(仲介)」の別を「これらの用語」を用いて表示する必要がある。「直販」、「委託」等の用語を用いることはできない。公正競争規約10条(1) 3× 事業者は、継続して物件に関する広告その他の表示をする場合において、当該広告その他の表示の内容に変更があったときは、速やかに修正し、又はその表示を取りやめなければならない。問題文のような事情があったとしても不当表示になる。公正競争規約24条1項 4× 予告広告とは、新築分譲住宅等であって、価格等が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、その本広告に先立ち、その取引開始時期をあらかじめ告知する広告表示をいい、このような広告も認められている。公正競争規約4条6項(3) 正解2 【問 48】次の記述のうち、正しいものはどれか。 1. 建築着工統計(令和2年1月公表)によれば、平成31年1月から令和元年12月までの新設住宅着工戸数は約90.5万戸となり、3年ぶりに増加に転じた。 2. 令和2年版国土交通白書(令和2年6月公表)によれば、平成31年3月末における宅地建物取引業者数は12万4,000を超えている。 3. 令和2年版土地白書(令和2年6月公表)によれば、平成30年の住宅地、工業用地等の宅地は約196万haあるが、前年に比べて大きく減少した。 4. 平成30年度法人企業統計調査(令和元年9月公表)によれば、不動産業について、平成30年度の売上高営業利益率及び売上高経常利益率は、いずれも10%以下となっている。 解答解説 1× 前年の新設住宅着工戸数は約90.5万戸であるという点は正しいが、これは3年連続の減少である。 2〇 平成31年3月末における宅地建物取引業者数は、124,451であり、12万4,000を超えている。 3× 平成30年の住宅地、工業用地等の宅地は約196万haであるという点は正しいが、これは前年に比べ微増である。 4× 法人企業統計調査によれば、平成30年度の売上高営業利益率及び売上高経常利益率は、いずれも11.1%であり、10%を超えている。 正解2 【問 49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 1.山地は、地形がかなり急峻で、大部分が森林となっている。 2.低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。 3.埋立地は、一般に海面に対して数mの比高を持ち、干拓地に比べ自然災害に対して危険度が高い。 4.台地は、一般に地盤が安定しており、低地に比べ自然災害に対して安全度が高い。 解答解説 1〇適当。山地は、地形がかなり急峻で、大部分が森林となっている。11-1 2〇適当。低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくなく、十分な防災対策が必要である。11-1 3×不適当。埋立地は、一般に海面に対して数mの比高を持っており、海面以下または海面と同じくらいの比高である干拓地に比べ、自然災害に対して危険度が「低い」。11-1 4〇適当。台地は、一般に地盤が安定しており、低地に比べ自然災害に対して安全度が高い。11-1 正解3 【問 50】建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 1. 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。 2. 木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。 3. 鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。 4. 近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。 解答解説 1〇適当。基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造を支持する役目を負うので、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。 2〇適当。木造建物は、できるだけ建物の形態を単純にした方が、耐震、耐風的な構造になる。11-4 3×不適当。鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいという点は正しいが、鋼材については防錆処理を行う必要がある。11-6 4〇適当。超高層共同住宅建物は、従来は鉄骨鉄筋コンクリート造等が多かったが、近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。11-6 正解3 |
令和2年度第2回 動画ライブラリー 過去問遊園地 トップページ |