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28年問1権利関係 「民法の条文」・537条第三者のためにする契約
【問 1】次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

1 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年3%とする旨

2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨

3 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨

4 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する旨


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=60
◎改正民法草案と現行民法を並べ、現行民法に規定されているものはどれかという問題形式がここ数年定着した。宅建学習ではいちいち条文を提示しないので、解きにくかったと思う。  

1☓ 規定されていない。現行民法では、法定利率は年5分である。404条

2☓ 規定されていない。敷金につき現行民法は、敷金を受け取った賃貸人の不動産賃貸の先取特権について定めた316条*を除き、規定を設けていない。
*316条 賃貸人は、敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

3☓ 規定されていない。免責的債務引き受けだが、現行民法は、規定を設けていない。改正民法では、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨 、定めることになった。

4〇 規定されている。第三者のためにする契約である。下記に条文*を示す。
*537条  契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。

正解 4


28年問2権利関係 「制限行為能力者」
【問 2】 制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。

2 被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。

3 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。

4 被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=182
◎制限行為能力者の4タイプを並べて問う、オーソドックスな形式。

1☓ 営業許可された未成年者も、許可された営業の範囲外では、制限行為能力者なので、古着の仕入れ販売とは関係のない居住用建物を法定代理人の同意を得ずに第三者から購入した場合は、法定代理人はその売買を取り消せる。2-2

2☓ 被保佐人が不動産の贈与を拒絶するのは、重大な行為なので、保佐人の同意が必要である。2-4

3× 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年後見人の居住している建物を売却するには、家庭裁判所の許可が必要である。これを後見監督人の許可で代えるわけにはいかない。2-3

4〇 被補助人が補助人の同意を得たと詐術を用いて行為をしたときは、当該行為を取り消せなくなる。2-9
 
正解 4


28年問3権利関係 「物権変動と登記」等
【問 3】 AがA所有の甲土地をBに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Aが甲土地をBに売却する前にCにも売却していた場合、Cは所有権移転登記を備えていなくても、Bに対して甲土地の所有権を主張することができる。

2 AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。

3 Aから甲土地を購入したBは、所有権移転登記を備えていなかった。Eがこれに乗じてBに高値で売りつけて利益を得る目的でAから甲土地を購入し所有権移転登記を備えた場合、EはBに対して甲土地の所有権を主張することができない。

4 AB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=440
◎定番の、二重譲渡等物権変動と登記の問題。4肢は、付けたし。

1☓ 典型的な二重譲渡の場合。この場合は、譲受時点の先後ではなく、登記の早い者勝ちになるので、所有権移転登記を備えていないCは、Bに対して、甲土地の所有権を対抗できない。6-2

2× 詐欺による取り消しは、取消前に利害関係をもった第三者が善意の場合には、取消を対抗できないが、悪意の第三者には、対抗できる。第三者が登記を備えたかどうかは問わない。よって、Dが登記を備えれば、善意悪意を問わずAが甲土地所有権を主張することができないというのは誤り。3-1の2

3〇 甲土地購入者Bが未登記なのに乗じてBに高値で売りつける目的で甲土地を購入したEは、形式的には二重譲受人だが、悪質なので(背信的悪意者)、登記を備えても、Bに甲土地所有権を主張することができない。6-5の2の5)

4☓ 錯誤の場合、現行法上無効が問題となるから、取り消せるとするのは、誤り。                                 3-5
正解 3


28問4 権利関係 「抵当権」
【問 4】Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。

2 甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。

3 AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。

4 Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=617
◎抵当権の総合問題だが、正解肢2は宅建によくあるひっかけ問題。

1〇 Aが甲土地に抵当権設定当時、甲土地上にA所有の建物があったのだから、
 ①抵当権設定当時土地建物が同一所有者であるという法定地上権成立の要件があり、⇒②競売により土地建物が別所有者になった時には、建物のため地上権が成立する。もっとも、競売前にAは建物をCに売却しているので、この時点で土地建物は別所有者になり、AはCのために約定利用権を設定したはずだが、判例は、このような場合でも、抵当権設定当時には抵当権者・設定者ともに法定地上権の成立を予期しているはずだから、競売時に法定地上権の成立を認めるべきだとしている。
よって、甲土地を競落したDは、建物所有者Cに、甲土地の明け渡しを求めることはできない。8-18

2☓ 抵当目的物が火災で滅失した場合、抵当権者は、火災保険金請求権に物上代位できるが(8-4の4)、本肢では、火災で滅失したのは、抵当目的となる土地上の建物であり、土地の抵当権に基づき、物上代位することはできない。

3〇 同一目的物に対する複数の抵当権の順位は、順位の変更によって不利益を被る者の承諾を得て、各抵当権者の合意によって変更することができる。不利益を被る者とは、変更により優先弁済権が減少する抵当権を転抵当にとっていた者とか変更により優先弁済権が増える抵当権の後順位の抵当権者であり、抵当権設定者や被担保債権の債務者は特に不利益をこうむらない。8-10
https://youtu.be/JuVvZBbcDqM?t=13m2s
よって、順位の変更により不利益を被る者はいない本肢では、BとEが合意すれば、抵当権設定者であり被担保債権の債務者であるAの同意がなくても、抵当権の順位を変更することができる。

4〇 抵当権付き物件をつかまされた第三取得者Fは、抵当権の実行としての競売による差押えの効力発生前なら、抵当不動産の代価等を記載した書面(法383条所定の書面)を送付して抵当権の消滅を請求することができる。8-16

正解 2


28問5権利関係 「債権譲渡」
【問 5】Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 AのBに対する債権に譲渡禁止の特約があり、Cがその特約の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Cからさらに債権の譲渡を受けた転得者Dがその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、BはDに対して特約の存在を対抗することができる。

2 AがBに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合には、Bが異議をとどめない承諾をしても、BはCに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。

3 AのBに対する債権に譲渡禁止の特約がなく、Cに譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、AからCへの債権譲渡は有効である。

4 Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、異議をとどめない承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Bは、Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=970
◎ここが出た 
 1は、譲渡禁止特約を対抗できない第三者には転得者も含まれるか。
 2は、債権譲渡の債務者に対する対抗要件。
 3は、将来発生する債権の譲渡性。
 4は、債権譲渡と相殺。

1☓ 譲渡禁止特約は、善意無重過失の第三者には対抗できない(11-1)。この第三者には、債権の譲受人はもとより、その者から譲り受けた転得者も含む。したがって、直接の譲受人Cが悪意でも、転得者Dが善意・無重過失であれば、債務者BはDに対して特約の存在を対抗できない(判例)。

2× 債権譲渡は、譲渡人から債務者に譲渡通知をしてそれを到達させるか、債務者が債権譲渡を承諾すれば、債務者に対抗できる。記述では、債権譲渡の通知は到達していないが、債務者が異議をとどめない承諾をしているので、債務者Bは、譲受人Cに対して債務の弁済を拒否することはできない。11-2

3〇 契約時点ではまだ発生していない将来債権でも、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば、譲渡することができ、譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったことは譲渡の効力を直ちに否定するものではない(平成11年1月29日)。平成19年9番肢3 11-1チェック
よって、記述は正しい。

4× 債権譲渡は、債権の同一性を維持して移転するものであるから、債務者が債権譲渡の通知を受けただけの時は、債務者はそれまで譲渡人に主張できたことは、譲受人にも主張できる。記述では、Aが、Bに対する債権を譲渡した当時、BはAに対し弁済期の到来した反対債権を有しており相殺を主張できたのであるから、譲受人に対しても相殺を主張できる。11-3

正解 3
なお、債権譲渡は、2020年に改正されている。

28年問6権利関係  悪意買主と売主の担保責任
【問 6】Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。

2 Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、Bは、本件契約を解除することができる。

3 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。

4 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=1303
◎ここが出た 
1と2は、他人の権利の売買で買主悪意の場合に、売主が権利を買主に移転できなかったときの売主の責任を、
3と4は、抵当権付き物件の売買で買主悪意の場合に、抵当権が実行されたときの売主の責任を問題とする。
 つまり、悪意買主でも認められる売主の責任を問うている。
悪意買主でも認められる、売主の責任は、
たかい いちげん ていかいそん 他解  一減  抵解損
①他人の権利の売買で、権利移転できなかった場合の契約解除権
②一部が他人の権利の売買で、権利移転できなかった場合の代金減額請求権
③抵当権等が実行された場合の契約解除権と損害賠償請求権  
である。6-27

1〇  悪意買主でも認められる、たかい いちげん ていかいそん 他解  一減  抵解損 には、他人の権利の売買で、権利移転できなかった場合の損害賠償請求権は含まれない。よって、Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。そのこころは、他人物売買の悪意買主は、権利移転できないことも予想すべきだからである。
 よって、記述は正しい。

2〇 他人の権利の売買の、権利移転できなかった場合の契約解除権は、たかい(他解)に該当する。よって、記述は正しい。そのこころは、悪意買主でも権利移転してもらえないのに代金を支払ういわれはないので、契約は解除できるとすべきだからである。

3×  悪意買主でも認められる、売主の責任は、
たかい いちげん ていかいそん 他解  一減  抵解損 である。抵当権付き物権の悪意買主は、抵当権を実行されたら、契約解除のほか損害賠償の請求も認められる。よって、抵当権付き物件の悪意買主Bは、損害賠償請求できないとする記述は誤りである。
この場合、悪意買主でも損害賠償の請求も認められるのは、いったん所有権を移転してもらいながら、のちに抵当権実行により所有権を失うのは、ダメージが大きいからである。

4〇 上に述べたよう、抵当権付き物権の悪意買主は、抵当権を実行されたら、契約解除は、当然認められる。所有権を失ったのに、代金を返してもらえない(又は、払わなければならない)のは不当だからである。

正解 3
なお、売主の担保責任も2020年に抜本的改正が行われている。


28年問7権利関係 「不法行為、賃貸借目的物の一部滅失」
【問 7】AがBから賃借する甲建物に、運送会社Cに雇用されているDが居眠り運転するトラックが突っ込んで甲建物の一部が損壊した場合(以下「本件事故」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
なお、DはCの業務として運転をしていたものとする。

ア AはBに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じ、賃料の減額を請求することができる。

イ Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。

ウ Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Dに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。

1.一つ   2.二つ   3.三つ   4.なし


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=1491
◎ここが出た 
CDとBでは、不法行為責任が問題になる。
AB間では、賃借物が賃借人の過失によらないで滅失したことが問題となる。

ア〇 賃借物である甲建物が賃借人の過失によらず一部損壊している。この場合につき、
「賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。」(611条1項)とする規定がある。よって、賃借人Aは、Bに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。記述は正しい。

イ〇 滅失した残りの部分では、賃借目的を達することができない場合につき、「賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失した場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる 。」(同条2項)とする規定がある。よって、Aは、Bとの賃貸借契約を解除できる。記述は正しい。

ウ〇 Cの被用者Dの居眠り運転によりB所有の甲建物を損壊させたのだから、DのBに対する不法行為責任とDの使用者CのBに対する使用者責任が発生している。この場合、使用者が被害者に損害を賠償すれば、被用者に求償できる(11-20)が、使用者にも過失がある場合など全面的に被用者に対する求償を認めては酷な場合があるそこで、「使用者がその事業の執行につき被用者の惹起した自動車事故により損害を被つた場合において信義則上被用者に対し右損害の一部についてのみ賠償及び求償の請求が許されるにすぎない」とする判例がある (最判 昭和51年7月8日)
よって、使用者責任に基づき被害者Bに損害を賠償したCの被用者Dに対する求償が、信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある、とする記述は正しい。

正解3


28年問8権利関係 「転貸借」
【問 8】AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aは、Bの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するには、Cに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。

2 BがAに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、AはCに対して、賃料10万円をAに直接支払うよう請求することができる。

3 AがBの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合、CのBに対する賃料の不払いがなくても、AはCに対して、甲建物の明渡しを求めることができる。

4 AがBとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、Bとの合意解除に基づいて、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。


解答解説  
◎ここが出た
 1は、適法な転貸借があるとき、原賃貸借が債務不履行解除をする場合に転借人に通知する必要があるか。
 2は、転貸借における転借人の直接義務。
 3は、転貸借があるとき、原賃貸借の債務不履行解除は対抗できるか。
 4は、転貸借があるとき、原賃貸借の合意解除は対抗できるか。 

1☓ 賃貸人の承諾を得た転貸借関係があるとき、賃貸人が債務不履行解除をするとき、転借人に通知をする必要はない。これは確定判例である。したがって、Aは、Bとの賃貸借を解除する際、転借人Cに支払催告をしなければならないというのは誤りである。9-7チェック2

2〇 転借人は、賃貸人に直接に義務を負う。したがって、賃借人Bが賃貸人Aに対して賃料を支払ないときは、Aは転借人Cに対し、Bの賃借料とCの転借料の範囲内の賃料=10万円を限度として、Aに直接支払うよう請求できる。9-6の2 

3〇 転貸借は、原賃貸借を前提とするから、原賃貸借関係が終了すれば、原賃貸人は原賃貸借契約の終了を対抗できるのが原則である。したがって、賃貸人Aが賃借人Bの債務不履行を理由に賃貸借契約を解除した場合、転貸借の前提となる賃貸借の消滅を対抗でき、転借人に賃借物の明け渡しを求めることができる。転借人の転貸人に対する賃料の不払いがあったかどうかは関係がない。9-7

4〇 転貸借は、原賃貸借を前提とするから、原賃貸借関係が終了すれば、原賃貸人は原賃貸借契約の終了を対抗できるのが原則である。例外として、原賃貸借が合意解除で終了した時は、原賃貸借の終了を転借人に対抗できない(判例)。契約自由の原則上、合意解除も有効であるが、契約により不当に第三者の利益を不当に侵害することは許されないからである。9-8

正解1


28年問9権利関係 「判例 契約締結上の過失」平成23年4月22日
【問 9】次のlから4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文) 契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。(中略)上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものである(略)。

1 信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権は、買主が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効により消滅する。

2 信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権は、損害を被っていることを買主が知らない場合でも、売買契約から10年間行使しないときは、時効により消滅する。

3 買主に対して債権を有している売主は、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権を受働債権とする相殺をもって、買主に対抗することができない。

4 売主が信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった場合、買主は、売主に対して、この説明義務違反を理由に、売買契約上の債務不履行責任を追及することはできない。



解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=2160
◎定番の判例読み取り問題。素材判例は、契約締結上の過失に関する平成23年4月22日の最高裁判例である。従来、契約を締結する交渉過程に過失があり、それにより不当な契約を締結させて損害を与えた場合、損害賠償責任が発生することは認められていたが、その損害賠償責任の法的性質につき、契約関係にない者のの間で成立する不法行為責任か、それともこれから契約関係に入る者の間の問題だから、債務不履行責任の一種であるか争いがあった。
が、本判例は明確に債務不履行責任説を退け、不法行為責任であることを明言した。両者の違いは、損害賠償請求権の時効期間等で現れる。本問も、時効期間を問題としている。

1〇 判例は、信義則上の説明義務に違反した売主に対する買主の損害賠償請求権は、不法行為により発生したものであるとする。そして、不法行為による損害賠償請求権は被害者が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき、又は不法行為の時から20年を経過すると、時効によって消滅する。11-23の1
よって、信義則上の説明義務に違反した売主に対する買主の損害賠償請求権は、買主が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する、とする記述は正しい。

2× 上述のとおり、判例は、信義則上の説明義務に違反した売主に対する買主の損害賠償請求権は、不法行為により発生したものであるととする。そして、不法行為による損害賠償請求権は被害者が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、又は不法行為の時から20年を経過すると、時効によって消滅する。11-23の1 よって、同損害賠償請求権は、売買契約=不法行為の時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する、とする記述は誤りである。

3〇 信義則上の説明義務に違反した売主に対する買主の損害賠償請求権は、不法行為により発生したものである。そして、対立する債権に不法行為によって生じた債権が含まれている場合、不法行為の加害者からの相殺はできない。よって、加害者である売主は、同損害賠償請求権を受働債権とする相殺をもって、被害者である買主に対抗できない、とする記述は正しい。6-17

4〇 判例は、契約の一方当事者が,当該契約の締結に先立ち,信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、不法行為による賠償責任を負うことがあるとする。 したがって、売主が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して,当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、買主は、売主に対して、この説明義務違反を理由に、不法行為責任を追及することができる場合があり、売買契約上の債務不履行責任は追及することはできない。よって、記述は正しい。


28年問10権利関係 「相続」
【問 10】甲建物を所有するAが死亡し、相続人がそれぞれAの子であるB及びCの2名である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bが甲建物を不法占拠するDに対し明渡しを求めたとしても、Bは単純承認をしたものとはみなされない。

2 Cが甲建物の賃借人Eに対し相続財産である未払賃料の支払いを求め、これを収受領得したときは、Cは単純承認をしたものとみなされる。

3 Cが単純承認をしたときは、Bは限定承認をすることができない。

4 Bが自己のために相続の開始があったことを知らない場合であっても、相続の開始から3か月が経過したときは、Bは単純承認をしたものとみなされる。


◎解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=2570
1と2と4が、法定単純承認となるか。
3は限定承認できるか。
明らかに出題テーマは、法定単純承認である。3は、飾りの記述である。
そして、正解肢は、承認するか放棄をするかの熟慮期間の起算点についての定番ひっかけである。ここに気が付けばアットいう間に解けるが、気が付かないと時間がかかる。

1〇 熟慮期間内に何もしないか、相続開始を知って相続財産を処分又は隠匿・消費すると、単純承認したとみなされる(法定単純承認)。12-7の3
Bは、相続財産である甲建物を不法占拠するDに明け渡しを求めているが、これは相続財産の保存行為であり、法定単純承認の事由のいずれにも該当しない。よって、記述は正しい。

2〇 相続財産の未払い賃料の支払いを求め、これを収受領得したことは、法定単純承認の事由である相続財産の処分に当たる。よって、Cは単純承認したものとみなされるので、記述は正しい。12-7の3

3〇 限定承認は、共同相続人全員でしなければならないので、Bの共同相続人Cが単純承認してしまうと、Bは限定承認をすることができない。

4× 相続開始を知ってから3か月の熟慮期間内に放棄も限定承認もしなければ、単純承認をしたものとみなされる。12-7の3
しかし、相続開始を知らなければ、熟慮期間はスタートしないので、相続開始を知らなかったBは、相続開始から3か月を経過しても、単純承認をしたものとはみなされない。

正解4


26問11権利関係 「借地借家法」借地関係
【問 11】Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。

1 Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。

2 Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。

3 AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。

4 Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=2804
◎ここが出た
1と2は、借地権登記に代わる対抗力が認められる借地上の建物登記の要件
3は、定期借地権の要件。
4は、債務不履行解除と建物買取請求権。

1〇 借地権登記に代わる対抗力が認められる借地上の建物登記は、本人名義でなければならない。9-32
判例(最大判昭41.4.27)は「借地権者が、借地上建物について、子・妻などの家族名義で所有権の登記をしていた場合には、借地権の対抗力は否定される。」としている。家族名義の登記は所有権の登記としても無効であるから、借地権登記に代わる対抗力も認められない。

2× 判例(最判昭39.10.13)は「登記記録の記録が建物の実際の面積・構造などを正確に公示していなくても、登記記録に記録された建物と現実の建物との間に同一性が認められる場合には、借地権の対抗力は肯定される。」としている。その理由は、①第三者は現地を検分するのが通例だから、容易に建物の存在を知ることができ、賃貸借等の土地使用権原の存在を推知することができること、②第三者が不測の損害を被ることはないことが挙げられる。

3☓ 借地契約を公正証書で行っただけで、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時には借地上の建物を収去すべき旨を有効に定めることはできない。
契約更新のない定期借地権を定めるには、期間を50年以上にする(一般の定期借地権)等一定の要件が定められており、それに適合しなければならない。9-41・42・43

4× 建物が存在するにもかかわらず借地契約が終了し、更新がなされなかったときには、借地権者は借地権設定者に建物買取請求権が認められる(9-28)が、借地権者の債務不履行を原因とする契約解除により契約が終了した場合には,借地権者は借地権設定者に対して建物の買取りを請求することができない。確定判例である。9-28チェック
したがって、債務不履行解除したBが、建物を買い取らなければならないとする記述は誤りである。

正解 1



28年問12権利関係 「借家関係」
【問 12】AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。

2 BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。

3 甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により本件契約が終了するときは、CはBに対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。

4 本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=3141
◎ここが出た
1は、期間の定めのある借家契約の法定更新。
2は、正当事由の考慮要素。
3造作買取請求権。
4は、定期借家契約。期間1年以上の場合は、期間通りの終了には終了通知が必要。

1〇 期間の定めがある借家契約では、期間満了前に当事者が行使しに旨の通知をしない限り従前契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。したがって、記述は正しい。9-11の1

2☓ 誤りが2点ある。
 第1点は、期間を定めた以上、解約権を留保(民法618条)していない限り、一方的意思表示で解約の効果をもたらす解約申し入れはできない(9-11)。なお、合意=契約、による解約の申し込みは、契約自由の原則上、当然できます。
 第2に、解約申し入れができるとしても、賃貸人に要求される正当事由は、「財産上の給付の申し出」だけでは認められない。こちらの誤りで、第2肢は誤りと判断された方が多いでしょう。9-11*

3〇 賃貸人の同意を得て建物に付加した造作(クーラー等)は、賃貸借終了時に、賃借人(又は転借人)は、賃貸人に対し、時価で買い取るよう請求できる。 よって、記述は正しい。9-21

4〇 定期借家権であっても、期間が1年以上である場合には、賃貸人は、期間満了の1年前から6月前まで の間に賃借人に対し通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。よって、記述は正しい。9-23
 

28年問13権利関係「区分所有法」管理所有等
【問 13】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 管理者は、集会において、毎年2回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

2 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

3 管理者は、自然人であるか法人であるかを問わないが、区分所有者でなければならない。

4 各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、共有者数で等分することとされている。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=3466
◎1~3が管理者について問うており、4だけ、共用部分の持分割合について問う。
出題テーマは、管理者であり、4は飾り。

1☓ 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。13-13
管理者は、毎年2回集会で事務報告をしなければならない、というのは誤りである。

2〇 管理の便宜上、共用部分は、管理者の所有とすることもできる。13-3
よって、記述は正しい。

3☓ 管理者は、自然人であるか法人であるかを問わず、又、区分所有者である必要もない。管理会社が、管理者になることはよくある。したがって、区分所有者でなければならないとする記述は誤り。13-9

4× 各共有者の共用部分の持分は、規約に定めがない限り、専用部分の床面積(壁の内側線で囲まれた部分の水平投影面積= いわゆる内法計算)の割合による。13-3

正解 2


28問14権利関係 「所有権保存登記等」
【問 14】不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。

2 登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。

3 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

4 区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。


解答解説 https://youtu.be/ANvU7PXz5EQ?t=3602
◎ここが出た
1と4が、所有権保存の登記を問題にしている。
2は、登記できる権利。。
3は、建物滅失の登記。
正解肢は、1か4にあるだろう。

1☓ 新たに生じた土地もしくは表題登記がない土地の所有権を取得した者又は新築建物もしくは表題登記がない建物の所有権を取得した者(区分建物の場合を除く)⇒取得日から1月以内に表題登記を申請しなければならない(36・47)。14-7
よって、新築建物もしくは区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その取得の日から1月以内に、所有権保存の登記を申請しなければならないとするのは、誤り。申請しなければならないのは、表題登記である。

2〇 登記できる権利は、1.所有権 2.地上権 3.永小作権 4.地役権 5.先取特権 6.質権 7.抵当権 8.賃借権 9.採石権である(法3条)。

3〇 建物が滅失⇒表題部所有者又は所有権の登記名義人は、滅失日から1月以内に当該建物の滅失登記を申請しなければならない(57)。14-7
 よって、記述は正しい。

4〇 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、区分建物の所有権保存の登記を申請できる。14-11
一般の建物の場合は、表題部所有者から所有権を取得した者は、直接所有権保存の登記の申請はできず、表題部の所有者名義で所有権保存登記をしたうえで、現在の所有者へ所有権移転の登記をする。
しかし、区分建物では、原始取得者に表題登記が義務付けられている(14-19)ので、表題登記前に区分建物が売却されている場合も、分譲主が表題登記と所有権保存の登記をして、そこから所有権移転の登記をするとなると、二度手間になる(*)ので、表題部所有者から所有権を取得した者も、直接所有権保存の登記の申請をできるようにした。
*一般の建物では、表題登記前に建物が売れた場合は、買主が表題登記と所有権保存の登記ができる。

正解 1


28年問15法令上の制限 「国土利用計画法」事後届出
【問 15】国土利用計画法第23条に規定する届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 市街化区域内の土地(面積2,500㎡)を購入する契約を締結した者は、その契約を締結した日から起算して3週間以内に事後届出を行わなければならない。

2 Aが所有する監視区域内の土地(面積10,000㎡)をBが購入する契約を締結した場合、A及びBは事後届出を行わなければならない。

3 都市計画区域外に所在し、一団の土地である甲土地(面積6,000㎡)と乙土地(面積5,000㎡)を購入する契約を締結した者は、事後届出を行わなければならない。

4 市街化区域内の甲土地(面積3,000㎡)を購入する契約を締結した者が、その契約締結の1月後に甲上地と一団の土地である乙土地(面積4,000㎡)を購入することとしている場合においては、甲土地の事後届出は、乙土地の契約締結後に乙土地の事後届出と併せて行うことができる。


解答解説 https://youtu.be/41ijdqA09Yc?t=5 
◎ここが出た
1 事後届出の届出期間。
2 監視区域内の規制方法。
3 一団の土地と届出要する規模の基準
4 一団の土地取引の届出のタイミング

1☓ 事後届出は、契約締結後2週間以内である。3週間以内ではない。6-1の③

2☓ 注視区域、監視区域は、事前届出である。事後届出ではない。6-4の2

3〇 都市計画区域外の届出を要する規模の基準は10,000㎡以上だから、6,000+4,000㎡の一団の土地を購入する者は、事後届出が必要である。6-1の①

4☓ 規模の規準以上の一団の土地の土地を複数の契約で購入する場合、各契約ごとに事後届出が必要である。甲土地の事後届出は、甲土地購入契約後2週間以内にしなければならない。もっとも、甲土地は、それ自体で規模の基準以上なのだから、甲土地購入契約後2週間以内に事後届け出が必要なのは当然である。6-1 Q 

正解 3


28問16法令上の制限 「都市計画法:各種計画」
【問 16】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。

2 準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。

3 高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。

4 地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度を定めなければならない。


解答解説 https://youtu.be/iE4MbFrH1QY?t=2
1〇 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画は、近年中に工事に着手しなければならないので、施行予定者をも定めなければならない。 1-40

2☓ 準都市計画区域には、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区(ただし、建築物の高さの最低限度は定められない)、景観地区、風致地区、都市緑地法による緑地保全地域及び伝統的建造物群保存地区等のうち必要なものを定めるものとする。繁華なところに定める防火地域や準防火地域は、定められない。1-11

3☓ 高度利用地区は、用途地域内の市街地の高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区である。
 用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区は、高度地区である。 1-7

4× 地区計画について、地区計画の種類、名称、位置、区域 は、定めなければならないが、「面積」は、定めるよう努める事項である(都計法12条の5)。また、建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度」は、地区計画の中に定める、地区整備計画に定める。1-43

正解 1


28問17法令上の制限 「都市計画法」開発許可制度
【問 17】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1 開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。

2 二以上の都府県にまたがる開発行為は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

3 開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けることなく、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。

4 都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。


解答解説 https://youtu.be/7LdtmO9asDw?t=2
◎ここが出た
1開発行為に関する工事を廃止
2二以上の都府県にまたがる開発行為の許可権者
3開発許可に基づく地位の承継
4用途地域無指定区域で開発許可をするときの建築制限

1☓ 開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。 つまり、廃止すること自体に許認可は必要ない。廃止後、遅滞のない届出をすればよい。1-27

2☓ 開発許可制度-開発行為をするには都道府県知事(地方自治法の指定都市・中核市・特例市では市長)の許可が必要である(29条)。「二以上の都府県にまたがる開発行為は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。」という定めはない。1-13   

3☓ 開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者(特定承継)は、知事の承認を受けて、開発許可に基づく地位を承継できる。 1-26

4〇 知事は、用途地域の定められていない区域における開発行為について開発許可をする場合に、必要があるときは、建築物の建ぺい率・高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。1-23


28年問18法令上の制限 「建築基準法:防火・準防火地域内規制、単体規定」
【問 18】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 防火地域にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

2 高さ30mの建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。

3 準防火地域内においては、延べ面積が2,000㎡の共同住宅は準耐火建築物としなければならない。

4 延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。


解答解説 https://youtu.be/TEtlWMjausE?t=2
◎ここが出た
1防火地域にある建築物で、外壁が耐火構造
2非常用昇降機
3準防火地域内においては、延べ面積が2,000㎡の共同住宅
4延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物

1〇 防火地域・準防火地域内では、外壁が耐火構造のもの 外壁を隣地境界線に接して設けることができる。2-11

2☓4避避雷設備・昇降機(33・34条) 高さ20m超建築物には、原則・有効に避雷設備。高さ31m超建築物には、原則・非常用の昇降機。 ゴロ合わせ 最少(31m超昇降機)2階に避雷針(20m超避雷設備) 2-23

3× 耐火建築物としなければならない場合のゴロ合わせ
ミイ 坊 (3階以上又は100㎡超・防火地域内)
じゅん坊、良 い子(準防火地域内・4階以上又は延面1500㎡超) で
耐えた(耐火建築物) ⇒準防火地域内においては、延べ面積が2,000㎡の共同住宅
は、耐火建築物でなければならない。2-10

4× 延べ面積が1,000㎡超建築物は、防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画床面積合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。ただし、耐火又は準耐火建築物は、この限りでない。記述は、耐火建築物であるから、「防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画床面積合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。」の規制はかからない 2-23
正解 1


28年問19法令上の制限 「建築基準法」
【問 19】建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。

2 前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。

3 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されない。

4 第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない 。


解答解説 https://youtu.be/EzM7crSn0QI?t=2
◎集団規制の用途制限、容積率、建ぺい率、容積率、外壁後退距離の横断的問題だが、やさしい。正解肢の4は、適用地域に関するひっかけ。

1〇 建築基準法48条の別表による用途制限では建築できない建築物も特定行政庁の許可があれば建築できる。飲食店は、別表によれば両端(1低専・工専)はダメ(2-5、48条)だが、特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。 2-5

2〇 前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m未満の場合に限られるので、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。2-7、52条

3〇 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されない。 2-6、53条

4☓ 1・2低層住居専用地域において、外壁の後退距離の限度(1.5m又は1m)が定められた場合には、建築物の外壁(又はこれに代わる柱の面)から敷地境界線までの距離は、原則として、当該限度以上でなければならない。このように外壁後退距離制限は、1・2低専特有の規制である。記述では、 第一種住居地域内について述べているが、外壁の後退距離は、第一種住居地域では定められないので、誤りである。2-12



28年問20法令上の制限 「宅地造成等規制法」
【問 20】宅地造成等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1 宅地造成工事規制区域外に盛土によって造成された一団の造成宅地の区域において、造成された盛土の高さが5m未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない。

2 宅地造成工事規制区域内において、切土又は盛土をする土地の面積が600㎡である場合、その土地における排水施設は、政令で定める資格を有する者によって設計される必要はない。

3 宅地造成工事規制区域内の宅地において、高さが2mを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。

4 宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者は、一定の場合を除き、その転用した日から14日以内にその旨を都道府県知事に届け出なければならない。



解答解説 https://youtu.be/Bl2-ECIYUlY?t=4 
◎3・4は、定番の3つの届出義務のうち2つ。2は、平成25年に既出。⇒正解肢の1は、初見だが、消去法で解ける。また、1は、例外を認めない断定的判断の表現をとっていることから、常識的にも☓と判断できる。

1☓ 造成された盛土の高さが5m未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない、ということは定められていない。5-8

2〇 高さ5m超の擁壁・切り盛り面積が1500㎡超の土地における排水施設の設置の工事は、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない(施行令16)。 5-3 設計者の資格については、25年に既出である。

3〇 高さ2m超の擁壁又は排水施設の除却工事を行なおうとする者⇒工事着手日の14日前までにその旨を都道府知事に届け出なければならない。 5-6

4〇 宅地以外の土地を宅地に転用した者は、転用した日から14日以内 それぞれ、その旨を都道府知事に届け出なければならない。5-6


28年問21法令上の制限 「土地区画整理法」
【問 21】土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。

2 仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。

3 施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。

4 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。


解答解説 https://youtu.be/ptdrT1i8Wmc?t=2
◎正解肢は定番のひっかけ。これを間違えてはならない。典型的なプレゼント問題。

1〇 施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。3-9 98条

2〇 仮換地の指定の効力発生日から換地処分の公告がある日まで 、従前の宅地について権原に基づき使用・収益できる者は、 換地を使用・収益をすることができる。 3-10

3〇 施行者は、仮換地を指定した場合に、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めることができる。3-12

4× 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、市長)の許可を受けなければならない。3-5 76条


28問22法令上の制限 「農地法」
【問 22】農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。

2 法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。

3 法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。

4 農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。


解答解説 https://youtu.be/h7_jezOfsMw?t=1044
◎2以外は、定番記述。

1☓ 特定遺贈による農地の取得は、許可不要の例外となっていないから、許可が必要である。4-4

2× 農地所有適格法人(農地法2条3項)以外の法人が、農地を所有することはできない。しかし、農地を借り入れることは、禁じられていない。

3〇 農地法の許可が必要な農地の売買について、許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。 4-3

4× 市街化区域内にある農地を、あらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合は、許可不要である。同区域内では、農業が不適だからである。が、そのような事情がない市街化調整区域内の農地を転用する場合には、原則どおり法4条の許可が必要である。4-8

正解 3


28問23税 「印紙税」
【問 23】印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 印紙税の課税文書である不動産譲渡契約書を作成したが、印紙税を納付せず、その事実が税務調査により判明した場合は、納付しなかった印紙税額と納付しなかった印紙税額の10%に相当する金額の合計額が過怠税として徴収される。

2 「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)とBの所有する乙土地(価額3,500万円)を交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は3,500万円である。

3 「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)をBに贈与する」旨の贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、3,000万円である。

4 売上代金に係る金銭の受取書(領収書)は記載された受取金額が3万円未満の場合、印紙税が課されないことから、不動産売買の仲介手数料として、現金48,600円(消費税及び地方消費税を含む。)を受け取り、それを受領した旨の領収書を作成した場合、受取金額に応じた印紙税が課される。


解答解説
◎出題テーマは、2と3の記載金額。どちらかに正解がある。4は、典型的な理由から結論を導く、誤りの記述。


1☓ 印紙税を納付しなかったときの過怠税は、納付すべき印紙税の額とその額の2倍の合計金額の過怠税が徴収される。8-11

2☓ 交換契約書は、双方の金額(評価額)が記載してある場合には高い方の金額が、記載金額になる。よって、正しい。8-10

3☓ 贈与契約書は、記載金額がない契約書として課税される。8-10

4× 受取金額が5万円未満の場合、印紙税が課されない、のである。3万円未満ではない。8-8

正解 2


28問24税 「不動産取得税」
【問 24】不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 家屋が新築された日から3年を経過して、なお、当該家屋について最初の使用又は譲渡が行われない場合においては、当該家屋が新築された日から3年を経過した日において家屋の取得がなされたものとみなし、当該家屋の所有者を取得者とみなして、これに対して不動産取得税を課する。

2 不動産取得税は、不動産の取得に対して課される税であるので、法人の合併により不動産を取得した場合にも、不動産取得税は課される。

3 平成28年4月に取得した床面積240㎡である新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の算定については、当該新築住宅の価格から1,200万円が控除される。

4 平成28年4月に個人が取得した住宅及び住宅用地に係る不動産取得税の税率は3%であるが、住宅用以外の家屋及びその土地に係る不動産取得税の税率は4%である。


解答解説
◎正解肢は、基本中の基本。2は、典型的な、理由から結論を導くひっかけ。

1☓ 新築の日後6月(住宅分譲業者の場合は、1年)を経過して、使用又は譲渡が行なわれないときは、その経過した日に、家屋の取得があったものとみなし、その際におけるその家屋の所有者が納税義務者となる。よって、「当該家屋が新築された日から3年を経過した日において家屋の取得がなされたものとみなし、当該家屋の所有者を取得者とみなして、これに対して不動産取得税を課する。」というのは、誤り。
2☓ 相続(包括遺贈を含む)や法人の合併による所有名義の形式的移転は非課税。8-1
3〇 住宅(床面積50㎡〔戸建てでない貸し家は40㎡〕以上240㎡以下)の建築又は新築住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入をした場合の課税標準の算定は、一戸につき1200万円が控除される。8-2

4☓ 標準税率は、地方税法本則は100分の4だが、平成30年3月31日までに取得した住宅及び土地については100分の3とする特例が定めている。よって、住宅用以外の家屋及びその土地に係る不動産取得税の税率は4%ととする記述は誤りである。8-1

正解 3


28問25価格評定 「鑑定評価」
【問 25】不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。

1 不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であるが、市場性を有しない不動産については、鑑定評価の依頼目的及び条件に応じて限定価格、特定価格又は特殊価格を求める場合がある。

2 同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいうが、不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によって、その地域的範囲は狭められる場合もあれば、広域的に形成される場合もある。

3 鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる取引事例等については、取引等の事情が正常なものと認められるものから選択すべきであり、売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情が存在する事例を用いてはならない。

4 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であるが、市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、その価格と収益価格との乖離が増大するものであるため、この手法の適用は避けるべきである。


解答解説 https://youtu.be/OdNxg3YfLuY?t=3
◎ここが問われた
1市場性を有しない不動産について求める価格
2同一需給圏の意味
3特殊事情が存する取引事例の適格性
4市場における土地の取引価格の上昇が著しいときの収益還元法の適用

1☓ 市場性を有しない不動産について求める価格は、特殊価格である。特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格である。文化財指定建造物、宗教建築物又は現況管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産について、保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合に求める。7-4

2〇 記述のとおり。7-2のQ

3☓ 取引事情に特殊事情があっても、正常なものに補正できれば(事情補正)、採用できる。また、 多少古い事例でも、取引時点の価格変動に応ずる修正(時点修正)ができれば、採用できる。7-2

4〇 市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、その価格と収益価格との乖離が増大するものであるので、先走りがちな取引価格に対する有力な験証手段として、収益還元法が活用されるべきである。7-1

正解 2



28問26 宅建業法 監督処分
【問 26】宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、自らが売主となった分譲マンションの売買において、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。

2 Aは、乙県内で宅地建物取引業に関する業務において、著しく不当な行為を行った。この場合、乙県知事は、Aに対し、業務停止を命ずることはできない。

3 Aは、甲県知事から指示処分を受けたが、その指示処分に従わなかった。この場合、甲県知事は、Aに対し、1年を超える期間を定めて、業務停止を命ずることができる。

4 Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。


解答解説 https://youtu.be/nMshZDk7IGM?t=8 
◎これは簡単でしょう。
135条違反と監督処分
2業務停止処分
3業務停止処分
4自ら賃貸借をする場合と監督処分

1〇 重要事項説明義務違反は、業務停止処分の事由であり、業務停止処分は、免許権者がすることができる。7-2

2☓ 業務に関して著しく不当な行為は、業務停止処分の事由であり、業務停止処分は、所在場所管轄知事がすることができる。7-2

3☓ 業務停止処分は、1年以内の期間を定めなければならない。7-2

4☓ 自ら賃貸借をすることは、宅地建物取引業ではないので、監督処分の対象とはならない。7-2、1-2

1が正解


28問27宅建業法 「媒介契約」
【問 27】宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却に係る媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において一般媒介契約とは、専任媒介契約でない媒介契約をいう。

1 AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要はない。

2 AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。

3 AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅地建物取引士は、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。

4 Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要はない。


解答解説 https://youtu.be/qg3lXM9kIu0?t=2
◎ここが問われた
1媒介契約書記載事項
2成約報告の時期
3媒介契約書面へ記名押印する者
4媒介契約書記載事項

1☓ 媒介契約書面には、一般媒介でも専任媒介でも、下記①~⑧を記載しなければならない。          
①物件の特定表示  
②売買すべき価額 
③媒介契約のタイプ(一般媒介か、専任媒介か。一般媒介なら明示義務があるか否か)       
④有効期間及び解除に関する事項
⑤報酬に関する事項
⑥依頼者が特約違反をして契約を成立させたときの措置 
⑦その媒介契約が、国交大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別
⑧指定流通機構への登録に関する事項  
である。5-7
  よって、AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要がある。

2☓ 専任媒介において、媒介に係る売買契約が成立した時は、遅滞なく、その旨物件情報を登録した指定流通機構に通知しなければならない。物件の引渡し前でも通知しなければならない。5-9の2

3〇 法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印するのは、宅地建物取引業者である。特に媒介を担当した宅地建物取引士がする必要はない。5-6

4☓ 売買すべき価額は、一般媒介契約であろうと、専任媒介契約であろうと、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要がある。5-7 肢1の解説参照。

正解 3


28問28宅建業法 「業者自ら売主規制」
【問 28】宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反するものの組合せはどれか。

ア Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金200万円を受領し、さらに建築工事中に200万円を中間金として受領した後、当該手付金と中間金について法第41条に定める保全措置を講じた。 •

イ Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、法第41条の2に定める保全措置を講じることなくBから手付金400万円を受領した。 •

ウ Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金500万円を受領したが、Bに当該手付金500万円を償還して、契約を一方的に解除した。

エ Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,000万円とする特約を定めた。

1 ア、ウ
2 イ、ウ
3 ア、イ、エ
4 ア、ウ、エ



解答解説 https://youtu.be/5aI1VTg2bTY?t=2
◎ここが問われた
ア 未完成物件の手付金等保全措置
イ 完成物件の手付金等保全措置
ウ 解約手付
エ 債務不履行解除にともなう損害賠償額の予定

ア 違反 ≪未完成物件につき、引渡し前に、代金額5%、又は1000万円超の代金充当金を受け取ろうとするなら、その前に保全措置を講じなければならない。≫6-9
記述では、代金額10%にあたる代金充当金を受け取った後に保全措置を講じているので、違反である。

イ 違反しない ≪完成物件につき、引渡し前に、代金額10%、又は1000万円超の代金充当金を受け取ろうとするなら、その前に保全措置を講じなければならない。≫6-9
記述では、保全措置の基準を超えない、代金額10%にあたる400万円の代金充当金を受け取ったので、保全措置を講じなくても違反ではない。

ウ 違反。≪業者自ら売主で、買主が業者以外の場合に、代金額(消費税込)10分の2をこえる額の手付を受領することはできない。≫ 6-8の2 
売主業者Aが受け取ったのは、代金額4000万円2割=800万円に満たない500万円の手付だから、手付の額の規制には違反していない。
そして、≪受け取った手付はすべて解約手付≫となり、≪解約手付の効力は、売主業者は手付の2倍を返して契約を解除できる≫というものだが、売主業者Aは、手付返しで、契約を解除している。とすれば、解約手付の効力を与えるという規制には違反している。6-8の1

エ 違反。業者自ら売主で、買主が業者以外の場合に、≪債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定と違約金は、合算して代金額の10分の2を超えられない。≫記述では、代金額の2割5分にあたる1,000万円の債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定を定めたので、違反である。6-7
 
違反はアウエで、正解は、4。


28問29宅建業法 「各種規制」
【問 29】宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反するものの組合せはどれか。

ア Aは、マンションを分譲するに際して案内所を設置したが、売買契約の締結をせず、かつ、契約の申込みの受付も行わない案内所であったので、当該案内所に法第50条第1項に規定する標識を掲示しなかった。

イ Aは、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買は成立しなかった。

ウ Aは、法第49条の規定によりその事務所ごとに備えるべきこととされている業務に関する帳簿について、取引関係者から閲覧の請求を受けたが、閲覧に供さなかった。

エ Aは、自ら売主となるマンションの割賦販売の契約について、宅地建物取引業者でない買主から賦払金が支払期日までに支払われなかったので、直ちに賦払金の支払の遅延を理由として契約を解除した。

1 ア、イ
2 ア、ウ
3 ア、イ、エ
4 イ、ウ、エ


解答解説
◎ここが問われた
ア 標識
イ 手付貸与による契約締結の誘引
ウ 業務に関する帳簿
エ 割賦販売規制 賦払金の支払の遅延

ア 違反。 標識は、契約行為をしない、単なる案内所にも掲示しなければならない。4-4

イ 違反。業者が、業務に関して、手付貸与による契約の誘引を行うことは禁じられている。5-28

ウ 違反しない。業務に関する帳簿は、取引関係者の閲覧に供することは定められていない。4-2の②参照

エ 違反。売主業者は、非業者との宅地建物の割賦販売で、≪賦払金(分割金)の支払いがないときは、①30日以上の期間を定めてその支払いを書面で催告(催促)し、②その期間内にその義務が履行されないときでなければ、契約を解除することはできない。≫6-13  直ちに、賦払金の支払の遅延を理由として契約を解除したAは、違反である。

アイエが違反し、正解は、3


28問30宅建業法 「重要事項事項説明と37条書面」
【問 30】宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅地建物取引業者は、建物の貸借の媒介における重要事項の説明において、借賃の額並びにその支払の時期及び方法について説明するとともに、37条書面に記載しなければならない。

2 宅地建物取引士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。

3 宅地建物取引業者は、37条書面を交付する際に、相手方の同意があった場合は、書面に代えて、電磁的記録で交付することができる。

4 宅地建物取引業者は、宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならないが、当該書面の交付は宅地建物取引士でない従業者に行わせることができる。


解答解説
◎ここが問われた
1借賃額・支払時期・方法の扱い
2重説と宅建士証
337条書面の交付と電磁的記録
437条書面の交付

1☓ 借賃の額並びにその支払い時期及び方法については、37条書面には必ず記載しなければならない(5-20の2)が、重要事項説明では説明する必要はない。

2☓ 宅地建物取引士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合でも、宅地建物取引士証を提示しなければならない。5-10

3× 37条書面の交付に代え、電磁的記録でよいとする定めはない。5-19参照

4〇  宅地建物取引業者は、37条書面の交付は宅地建物取引士でない従業者に行わせることができる。 5-19

正解4


28問31宅建業法 「保証協会」
【問 31】宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であり、一の保証協会の社員となった後に、宅地建物取引業に関し取引をした者の保護を目的として、重ねて他の保証協会の社員となることができる。

2 保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置した場合、その設置した日から1月以内に当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。

3 保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

4 150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。


解答解説
◎ここが問われた
1保証協会への重複加入はできるか
2支店増設の場合の弁済業務保証金分担金の納付
3還付中という金の納付
4還付限度額

1☓ 二つある保証協会には、どちらか一つしか入れない。3-11

2☓ 新たに支店を設置した場合、その設置した日から2週間以内に当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。3-14 、3-21

3☓ 保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を通知をした保証協会に納付しなければならない。 3-19

4〇 150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、供託すべき営業保証金相当額(150☓3分の50=2,500万円)を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。3-18

正解 4


28問32宅建業法 「広告規制」
【問 32】宅地建物取引業者A(甲県知事免許)がその業務に関して広告を行った場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

1 Aは、宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行った。

2 Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、建築基準法第6条第1項の確認の申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、当該建物の販売に関する広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した。

3 Aは、中古の建物の売買において、当該建物の所有者Bから媒介の依頼を受け、取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載したが、広告を見た者からの問い合わせはなく、契約成立には至らなかった。

4 Aは、甲県知事から業務の全部の停止を命じられ、その停止の期間中に未完成の土地付建物の販売に関する広告を行ったが、当該土地付建物の売買の契約は当該期間の経過後に締結した。


解答解説
◎ここが問われた
1未完成物件の広告時期制限
2同上
3契約済み物件の広告
4業務停止期間中の広告

1違反しない。未完成物件は、工事に必要な許可等の処分前は、業務に関する広告は禁止される。5-3 記述では、工事に必要な許可等の処分後に広告をしているので、違反ではない。

2違反。未完成物件についてはあ、工事に必要な許可等の処分前は、業務に関する広告と売買の契約及び売買の代理媒介を成立させることが禁止される。記述では、建築確認の処分がなされる前に販売広告をしているので、違反である。5-3

3違反。業者が、業務に関し広告をするとき、又は注文を受けたときは遅滞なく取引態様の別を明示しなければならない。5-4
記述では取引き態様の別を明示せず、広告をしているので違反である。広告を見た者からの問あわせがなかったことは、関係がない。

4違反。業務停止処分の期間中に業務に関する広告を行ったことは違反である。7-2

正解 1


28問33 宅建業法 「報酬」
【問 33】宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。

イ 宅地建物取引業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。

ウ 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.08倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。

1一つ  2二つ  3三つ 4なし



解答解説
◎ここが問われた
ア報酬の受け取り方と報酬規制
イ依頼者の依頼によらない広告料金相当額
エ居住用建物賃貸借の媒介と権利金計算による報酬計算

ア☓ 媒介に係る報酬の限度額の規制は、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合も、適用される。5-27

イ☓ 業者は、規定外の報酬をいかなる名義をもってしても受け取ってはならない。よって、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることはできない。5-27

ウ☓ 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、権利金の授受がある場合も、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することはできない。 5-26

正解 3


28問34宅建業法 「業務に関する禁止事項」
【問 34】宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第47条及び第47条の2に規定されている業務に関する禁止事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者である。

1 Aが、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は法に違反する。

2 Aが、分譲マンションの購入を勧誘するに際し、うわさをもとに「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げた場合、そのような計画はなかったとしても、故意にだましたわけではないので法には違反しない。

3 Aは、建売住宅の売買の相手方である買主から手付放棄による契約の解除の通知を受けたとしても、すでに所有権の移転登記を行い引渡しも済んでいる場合は、そのことを理由に当該契約の解除を拒むことができる。

4 Aが、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても法に違反する。


解答解説
◎業務に関する禁止事項いわゆる禁じ手を問うものだが、常識的に判断できよう。

1〇 宅建業者は、その業務に関し、相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項について、うそをついたり、知っていて黙っていることを禁じられている。5-29
記述では、「入居申込者が無収入であること」は、媒介依頼者の判断に重要な影響を及ぼすこととなる事項なので、知っていて黙っていることは、法に違反する。

2☓ 契約勧誘のため、物件の将来の環境又は交通その他の利便について誤解される断定的判断の提供は、禁止されている。故意がなくても法に違反する。5-30

3〇 解約手付による契約の解除は、相手方が履行に着手するまでに限られる。記述では、売主は所有権移転登記を行い、引渡しも済んでいるので、履行を完了した。よって、そのことを理由に買主からの手付放棄による契約の解除を拒める。6-8

4〇 業者Aが、契約締結の勧誘に当たり、手付金の分割払いをもちかけたことは、禁止されている手付の信用供与による契約誘引に当たり、契約締結に至らなかったとしても、法に違反する。 5-28

正解 2


28問35宅建業法 「免許」
【問 35】宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 個人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、免許の更新の申請を怠り、その有効期間が満了した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に免許証を返納しなければならない。

2 法人である宅地建物取引業者B(乙県知事免許〉が、乙県知事から業務の停止を命じられた場合、Bは、免許の更新の申請を行っても、その業務の停止の期間中は免許の更新を受けることができない。

3 法人である宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)について破産手続開始の決定があった場合、その日から30日以内に、Cを代表する役員Dは、その旨を主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならない。

4 個人である宅地建物取引業者E(丙県知事免許)が死亡した場合、Eの一般承継人Fがその旨を丙県知事に届け出た後であっても、Fは、Eが生前締結した売買契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。


解答解説
◎ここが問われた
1免許証の返納
2業務停止期間と免許の更新
3破産手続き開始の決定の届出
4業者死亡の場合のみなし業者

1☓ 免許証の返納の手続は、定められていない。

2× 業務停止期間中は、免許の更新を受けられないという定めはない。

3☓ 業者が破産手続開始の決定を受けた場合、その日から30日以内に、免許権者に届出をするのは、破産管財人である。1-17

4〇 宅地建物取引業者が、すでに締結した契約に基づく取引を結了する前に、死亡により、免許が失効したときは、その一般承継人は、当該業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。 1-6

正解 4
28問36宅建業法 「重要事項の説明」
【問 36】宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 区分所有権の目的である建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が借地借家法第22条に規定する定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。

イ 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければならない。

ウ 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明する義務はないが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。

エ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前であるときは、必要に応じ当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。

1 一つ  2 二つ  3 三つ  4 四つ


解答解説
◎ここが問われた
下記は説明事項か?
ア区分所有建物の売買において、区分所有建物が定期借地権の設定された土地の上に存するときの、当該定期借地権の内容
イ宅地の貸借において、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときの、同法第5条第1項の規定による制限の概要
ウ 建物の売買において、代金額並びにその支払の時期及び方法、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的
エ未完成建物の貸借において、完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造

ア〇 区分所有権の目的である建物の売買の媒介を行う場合、敷地利用権の種類及び内容は、説明しなければならない。5-15
よって、当該建物が借地借家法第22条に規定する定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。

イ〇 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければならない。 5-11の②参照

ウ〇 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法については、契約が成立して確定することなので、説明する義務はない(5-11参照)が、売買代金以外に授受される金銭があるときは、特約で決めた事項なので誤解のないように、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。5-12

エ〇 未完成建物は、完了時における形状、構造のほか、内装・外装の構造・仕上げ等も説明する。 ・図面が必要であれば図面も交付する。 5-16

全部正しく、正解は4



28問37宅建業法 「免許」
【問 37】宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅地建物取引業を営んでいる場合において、免許換えの申請を怠っていることが判明したときは、Aは、甲県知事から業務停止の処分を受けることがある。

イ 宅地建物取引業者Bが自ら売主として宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、Bは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅地建物取引業者として当該取引に係る業務を行うことができる。

ウ Cが免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした場合には、その行為について刑に処せられていなかったとしても、Cは免許を受けることができない。

エ 宅地建物取引業者D(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅地建物取引業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行っているときは、Dは、甲県知事免許業者として、取引の相手方等に対し、法第35条に規定する重要事項を記載した書面及び法第37条の規定により交付すべき書面を交付することができない。

1 一つ  2 二つ 3 三つ  4 四つ


解答解説
◎ここが問われた
ア免許換え
イ有効期間満了と残務処理
ウ免許の基準ー5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした
エ免許換え申請中の営業

ア☓ 新たに支店を設置して宅地建物取引業を営んでいる場合において、免許換えの申請を怠っていることは実質的に無免許営業なので、判明すれば、免許取り消し処分を受ける。業務停止では済まない。1-16、7-3

イ〇 宅地建物取引業者が、すでに締結した契約に基づく取引を結了する前に、有効期間の満了により、免許が失効したときは、元業者は、当該業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなす。よって、業者Bが宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、Bは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅地建物取引業者として当該取引に係る業務を行うことができる。1-6

ウ〇 5年以内に、業に関し違法・不当なことをしたことは、免許欠格事由なので、、その行為について刑に処せられていなかったとしても、Cは免許を受けることができない。 1-11の⑨

エ☓ 免許換えの申請中も、従前免許は有効なので、免許換えを申請したDは、甲県知事免許業者として、取引の相手方等に対し、法第35条に規定する重要事項を記載した書面及び法第37条の規定により交付すべき書面を交付することができる。1-16

正しいものはイとウで、正解は2


28問38宅建業法 「宅建士」
【問 38】宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)又は宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県で宅地建物取引業に従事することとなったため乙県知事に登録の移転の申請をしたときは、移転後新たに5年を有効期間とする宅地建物取引士証の交付を受けることができる。

イ 宅地建物取引士は、取引の関係者から宅地建物取引士証の提示を求められたときは、宅地建物取引士証を提示しなければならないが、従業者証明書の提示を求められたときは、宅地建物取引業者の代表取締役である宅地建物取引士は、当該証明書がないので提示をしなくてよい。

ウ 宅地建物取引士が家庭裁判所から後見を開始する旨の審判を受けたときは、その後見人は、3月以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。

エ 宅地建物取引士の氏名等が登載されている宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されることはないが、専任の宅地建物取引士は、その氏名が宅地建物取引業者名簿に登載され、当該名簿が一般の閲覧に供される。

1 一つ  2 二つ  3 三つ  4 なし


解答解説
◎ここが問われた
ア登録の移転
イ従業者証明書
ウ後見開始の審判を受けた旨の届出
エ宅地建物取引士資格登録簿と業者名簿の悦ら名

ア☓ 登録の移転により、従前の宅建士証は効力を失うので、登録の移転申請とともに、移転先の知事に宅建士証の交付申請もできる。この申請に対して、移転先知事は従前宅建士証と引換えに、 従前宅建士証の残存期間を有効期間とする宅建士証を交付する。 新たに5年を有効期間とする宅地建物取引士証の交付を受けることができるわけではない。 2-12

イ☓ 宅地建物取引業者の代表取締役である宅地建物取引士も、従業者証明書が発行されているので、請求があれば、同証明書を提示をしなければならない。4-1

ウ☓ 宅地建物取引士が家庭裁判所から後見を開始する旨の審判を受けたときは、その後見人は、30日以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。 2-13

エ〇 宅地建物取引士資格登録簿は一般の閲覧に供されることはないが、専任の宅地建物取引士の氏名等が登載される宅地建物取引業者名簿は、一般の閲覧に供される。1-14

正しいものはエだけで、正解は1。



28問39宅建業法 「区分所有建物貸借の重説と37条書面」
【問 39】宅地建物取引業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「重要事項説明書」とは法第35条の規定により交付すべき書面をいい、「37条書面」とは法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。

1 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約において、ペットの飼育が禁止されている場合は、重要事項説明書にその旨記載し内容を説明したときも、37条書面に記載しなければならない。

2 契約の解除について定めがある場合は、重要事項説明書にその旨記載し内容を説明したときも、37条書面に記載しなければならない。

3 借賃の支払方法が定められていても、貸主及び借主の承諾を得たときは、37条書面に記載しなくてよい。

4 天災その他不可抗力による損害の負担に関して定めなかった場合には、その旨を37条書面に記載しなければならない。


解答解説
◎ここが問われた
1専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約において、ペットの飼育が禁止
2契約の解除について定めがある
3借賃の支払方法
4天災その他不可抗力による損害の負担に関して定めなかった

1☓ 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約において、ペットの飼育が禁止されている場合は、「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるとき」にあたるので、その内容は、重要事項説明書にその旨記載し、説明しなければならない(5-15)が、37条書面には、記載しなくてもよい。

2〇契約解除についての定めは、重説では必ず説明しなければならない事項で、37条書面では定めがあれば記載すべき事項なので、記述のとおりである。5-12の②、5-21

3× 借賃の支払方法は、37条書面に必ず記載しなければならない。貸主・借主の承諾があっても、記載を省略できない。5-20

4× 天災その他不可抗力による損害の負担については、定めがあれば記載すべき事項だから、定めがないときは、記載しなくてもよい。5-21

正解は2


28問40宅建業法 「営業保証金」
【問 40】宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。この場合に関する次の記述のうち宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。

2 Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。

3 本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。

4 Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。


解答解説
◎ここが出た
1主たる事務所が移転し、その、もより供託所が変わった場合
2営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときの届出
3還付限度額
4二重供託解消の場合、公告が必要か

1〇 主たる事務所が移転し、その、もより供託所が変わった場合、有価証券がらみ(有価証券だけ、又は有価証券+金銭)で供託しているときは、新供託所へ二重供託 しなければならない。3-6
 記述は、1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託しているので、新供託所へ二重供託しなければならないので、「遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。」とするのは、正しい。

2☓ 営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。 3-8

3× 還付を受けられる限度額は、全供託額である。よって、「本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,500万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。3-7

4☓ 営業保証金の取戻しは、当該営業保証金につき還付を受けられる権利を有する者に対し、6月を下らない一定期間内に申し出るべき旨公告し、その申出がなかつた場合でなければ、これをすることができない。 ただし、有価証券がらみで供託していた業者が主たる事務所の移転により、新供託所に供託した(二重供託⇒3-6)場合、公告をしないで取戻しができる。
そのこころ  二重供託を解消するにすぎないので、取引上の債権者の保護に欠けることにはならない。
よって、「従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。 」とする記述は誤りである。3-9、3-10


28問41宅建業法 「媒介契約規制等」
【問 41】宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、宅地建物取引業者Bから宅地の売却についての依頼を受けた場合、媒介契約を締結したときは媒介契約の内容を記載した書面を交付しなければならないが、代理契約を締結したときは代理契約の内容を記載した書面を交付する必要はない。

2 Aは、自ら売主として宅地の売買契約を締結したときは、相手方に対して、遅滞なく、法第37条の規定による書面を交付するとともに、その内容について宅地建物取引士をして説明させなければならない。

3 Aは、宅地建物取引業者でないCが所有する宅地について、自らを売主、宅地建物取引業者Dを買主とする売買契約を締結することができる。

4 Aは、宅地建物取引業者でないEから宅地の売却についての依頼を受け、専属専任媒介契約を締結したときは、当該宅地について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を含め5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。


解答解説
◎ここが問われた
1媒介契約規制は、代理契約にも適用されるか。
237条書面は説明しなければならないか。
3他人所有物件の売却規制
4専属選任媒介における登録義務

1☓ 34条の3 媒介契約規制を定めた34条の2の規定は、宅地建物取引業者に宅地又は建物の売買又は交換の代理を依頼する契約について準用する(34条の3)。したがって、代理契約を締結したときは代理契約の内容を記載した書面を交付しなければならない。

2× 37条書面については、交付した相手方に宅建士をして説明させなければならないという規制はない。5-19参照

3〇 他人所有物件は、業者自らが売主となって、非業者に売ることはできないが、非業者に売ることはできる。6-2

4× Aは、宅地建物取引業者でないEから宅地の売却についての依頼を受け、専属専任媒介契約を締結したときは、当該宅地について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を除いて5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。 6-2

正解は3


28問42宅建業法 「37条書面
【問 42】宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者(消費税課税事業者)である。
1 Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。

2 Aは、自ら売主として土地付建物の売買契約を締結したときは、37条書面に代金の額を記載しなければならないが、消費税等相当額については記載しなくてもよい。

3 Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Dの媒介により、宅地建物取引業者Eと宅地の売買契約を締結した。Dが宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名押印させる必要はない。

4 Aは、貸主Fと借主Gの間で締結される建物賃貸借契約について、Fの代理として契約を成立させたときは、FとGに対して37条書面を交付しなければならない。


解答解説
◎ここが出た
1引渡しの時期
2代金の消費税相当額の扱い
3一取引に複数業者が関与
4書面の交付先

1☓ 引渡し時期は、売買契約の重要部分なので、契約内容を記載する37条書面には、必ず記載しなければならない。5-20

2× 37条書面に記載する代金額に消費税相当額は記載しなければならない。消費税等相当額は、代金の額の一部となるものであり、かつ、代金に係る重要な事項に該当するので、「代金の額」の記載に当たっては、「当該売買につき課されるべき消費税等相当額」を明記する必要がある(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)。

3× 一つの取引きに当事者として関与した宅建業者と媒介で関与した宅建業者がいるときも、それぞれの業者が37条書面に宅建士をして記名押印させる必要がある。5-19

4〇 宅地建物取引業者が、貸借に貸主の代理で関与したときは、依頼者である貸主とその相手方である借主に対して37条書面を交付しなければならない。5-19

正解 4


28問43宅建業法 「 業務に関する禁じ手
【問 43】宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア Aが、Bから手付金600万円を受領する場合において、その手付金の保全措置を講じていないときは、Bは、この手付金の支払を拒否することができる。

イ Aが、保全措置を講じて、Bから手付金300万円を受領した場合、Bから媒介を依頼されていた宅地建物取引業者Cは、Bから媒介報酬を受領するに当たり、Aと同様、あらかじめ保全措置を講じなければ媒介報酬を受領することができない。

ウ Aは、Bから手付金150万円を保全措置を講じないで受領し、その後引渡し前に、中間金350万円を受領する場合は、すでに受領した手付金と中間金の合計額500万円について保全措置を講じなければならない。

エ Aは、保全措置を講じないで、Bから手付金150万円を受領した場合、その後、建築工事が完了しBに引き渡す前に中間金150万円を受領するときは、建物についてBへの所有権移転の登記がなされるまで、保全措置を講じる必要がない。

1一つ  2二つ  3三つ  4四つ


解答解説
◎未完成物件の手付金等保全措置について
アは、保全措置を講ずべき場合に講じないときの買主の対抗措置
イは、媒介報酬の受取と手付金等保全措置の関係
ウは、保全措置を講ずべき対象
エは、保全措置を講ずべき期間

ア〇 未完成物件について、引渡し前に、代金額5%、又は1000万円超の代金充当金を受け取ろうとするなら、その前に保全措置を講じなければならない。よって、 Aが、Bから代金額の2割にあたる手付金600万円を受領する場合には、その手付金の保全措置を講じていなければならないが、講じていなければ、買主Bは、この手付金の支払を拒否することができる。6-9

イ☓ Aが、Bから代金額の1割にあたる手付金300万円を受領する場合には、保全措置を講じなければならないので、保全措置を講じたことは正しい。しかし、媒介報酬の受取と保全措置は関係がないので、「保全措置を講じなければ媒介報酬を受領することができない。」とするのは、誤り。
ウ〇 Aが、Bから代金額の5%にあたる手付金150万円を受領する場合には、保全措置を講じなくてもよいが、それを超えて受け取る場合は保全措置が必要になる。そして、保全措置が必要となる時は、すでに受け取った額と受け取ろうとする額の全額につき保全措置が必要となるので、記述は正しい。6-9 

正しいものはアとウで、正解は2


28問44宅建業法 「クーリング・オフ」
【問 44】宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフについてAがBに告げるときに交付すべき書面の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 Aについては、その商号又は名称及び住所並びに免許証番号、Bについては、その氏名(法人の場合、その商号又は名称)及び住所が記載されていなければならない。

2 Bは、クーリング・オフについて告げられた日から起算して8日を経過するまでの間は、代金の全部を支払った場合を除き、書面によりクーリング・オフによる契約の解除を行うことができることが記載されていなければならない。

3 クーリング・オフによる契約の解除は、Bが当該契約の解除を行う旨を記載した書面を発した時にその効力を生ずることが記載されていなければならない。

4 Bがクーリング・オフによる契約の解除を行った場合、Aは、それに伴う損害賠償又は違約金の支払をBに請求することができないこと、また、売買契約の締結に際し、手付金その他の金銭が支払われているときは、遅滞なくその全額をBに返還することが記載されていなければならない。


解答解説
◎業者が買主に、<クーリング・オフできる旨とその方法>を書面で告知した場合は、告知があった日から起算して8日経過したときは、クオフできなくなるが、その書面の記載事項について問う細かい問題。6-5 だが、クーリングオフできなくなる2つの場合(6-5)をきちんと押さえていると、簡単に解ける。
施行規則16条の6によると記載事項は次のとおり。
1 買受けの申込みをした者又は買主の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所
2 売主である宅地建物取引業者の商号又は名称及び住所並びに免許証番号
3  告げられた日から起算して八日を経過する日までの間は、宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つた場合を除き、書面により買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除を行うことができること。
4  前号の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除があつたときは、宅地建物取引業者は、その買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないこと。
5 3の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除は、買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除を行う旨を記載した書面を発した時に、その効力を生ずること。
6  3の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除があつた場合において、その買受けの申込み又は売買契約の締結に際し手付金その他の金銭が支払われているときは、宅地建物取引業者は、遅滞なく、その全額を返還すること。

1〇 上記記載事項1のとおりを記載しているので、正しい。
2☓ 上記記載事項3は、「告げられた日から起算して八日を経過する日までの間は、宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つた場合を除き、書面により買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除を行うことができること。 」となっているが、記述は赤字部分を記載していないので、誤りである。
記述のままでは、代金の全部を支払えば、引渡しを受けていなくてもクオフできなくなってしまう。
3〇 記述は、記載事項5のことを言っており、正しい。
4〇 記述は、記載事項4のことを言っており、正しい。

正解は2


28問45 「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」
【問 45】宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。

2 Aは、当該住宅をBに引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

3 Aは、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、Bに対し、当該住宅の売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。

4 Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。


解答解説
◎ここが問われた
1は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする際の戸数の数え方。
2は、資力確保措置(住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結)の状況の届出
3は、供託宅地建物取引業者の供託所の所在地等に関する説明 
4は、住宅販売瑕疵担保責任保険契約について

1☓ 当該住宅の床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。6-15チェック

2× 自ら売主として新築住宅を業者でない買主に引き渡した業者は、基準日から3週間以内に、当該基準日に係る資力確保措置(住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結)の状況について、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。6-18

3〇 供託業者は、自ら売主となる新築住宅の買主に対し、当該新築住宅の売買契約を締結するまでに、その住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしている供託所の所在地及び表示等を記載した書面を交付して説明しなければならない。6-16

4☓ 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、買主が引渡しを受けた時から10年以上有効であることを要する(6-17)。よって、買主が住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない、という定めはない。全くのでたらめの記述。

正解3


28問46 5問免除 「住宅金融支援機構」
【問 46】独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 機構は、子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設又は改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。

2 機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。

3 機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。

4 機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。


解答解説
◎1・4は、機構の直接融資業務。2・3は、証券化支援事業にに関する。

1〇 機構は、子ども育成世帯、高齢者世帯に適した賃貸住宅の建設又は当該賃貸住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。 9-2の④

2× 機構が譲受の対象とする貸付債権は、証券化支援事業として行っている債権だが、証券化支援事業では、債務者又は債務者の親族が居住する住宅の建設購入資金の貸付は行っているが、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付け箱なっていない。よって、同貸付債権については譲受けの対象とならない。9-5資金の使いみち参照

3〇 フラット35Sにおいて、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる措置をとっている。9-4

4〇 機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。9-2の③

正解 2


28問47 5問免除 「不当景品類及び不当表示防止法」
【問 47】宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 インターネット上に掲載した賃貸物件の広告について、掲載直前に契約済みとなったとしても、消費者からの問合せに対し既に契約済みであり取引できない旨を説明すれば、その時点で消費者の誤認は払拭されるため、不当表示に問われることはない。

2 宅地の造成及び建物の建築が禁止されており、宅地の造成及び建物の建築が可能となる予定がない市街化調整区域内の土地を販売する際の新聞折込広告においては、当該土地が市街化調整区域内に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要はない。

3 半径300m以内に小学校及び市役所が所在している中古住宅の販売広告においては、当該住宅からの道路距離の表示を省略して、「小学校、市役所近し」と表示すればよい。

4 近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。


解答解説
◎常識的に判断すればよい。

1☓ 契約済みの物件を広告してはおとり広告として、不当表示になる。10-1
また、公正競争規約は、事業者に対し、継続して物件に関する広告その他の表示をする場合において、当該広告その他の表示の内容に変更があったときは、速やかに修正し、又はその表示を取りやめることを要求している(同規約24条1項)ので、これを怠れば不当表示となる。

2☓ 市街化調整区域に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と明示しなければならない。10-1

3☓ 学校、病院、官公署、公園その他の公共・公益施設及びデパート、スーパーマーケット、商店等の商業施設は、現に利用できるものを物件までの道路距離を明示して表示しなければならない。10-4

4〇 新設予定の駅は、当該路線の運行主体が公表したものは、その新設予定時期を明示して表示できる。10-3

正解 4


28問48 5問免除 「統計」
【問 48】次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 平成28年地価公示(平成28年3月公表)によれば、平成27年1月以降の1年間の地価は、全国平均では、住宅地はわずかに下落しているものの下落幅は縮小しており、全用途平均では昨年までの下落から上昇に転じた。

2 平成28年版土地白書(平成28年5月公表)によれば、平成26年の住宅地、工業用地等の宅地は、全国で約193万ヘクタールあり、近年、減少傾向にある。

3 建築着工統計(平成28年1月公表)によれば、分譲住宅の着工戸数は、消費税増税の影響を受け、マンション、一戸建住宅ともに平成26年から2年連続で前年に比べ減少している。

4 平成27年度国土交通白書(平成28年6月公表)によれば、平成27年3月末時点の宅地建物取引業者数は122,685業者となっており、前年3月末時点に比べ減少した。


解答解説
1地価公示
2土地白書 宅地の動向
3建築着工統計
4国土交通白書 宅建業者数

1〇 平成28年地価公示(平成28年3月公表)によれば、平成27年1月以降の1年間の地価は、全国平均では、全用途平均で8年ぶりに上昇に移行した。
用途別に見ると、住宅地はわずかな下落だが下落率は低下しており、商業地は8年ぶりに上昇に移行している。

2× 平成28年版土地白書(平成28年5月公表)によれば、平成26年の住宅地、工業用地等の宅地は、全国で約193万ヘクタールある。平成25年は約192万ヘクタールだったから、増加傾向といえる。
本肢は、「減少傾向」とする点が誤り。

3× 建築着工統計(平成28年1月公表)によれば、分譲住宅の着工戸数は、マンションは前年比 4.7%増(昨年の減少から再びの増加)、一戸建住宅は前年比1.4%減(2年連続の減少)である。 本肢は、マンションにつき、「前年に比べ減少」とする点が誤り。

4× 平成27年度国土交通白書(平成28年6月公表)によれば、平成27年3月末時点の宅地建物取引業者数は122,685業者となっており、9年ぶりに増加に転じた。 本肢は、「前年3月末時点に比べ減少」とする点が誤り。 

正解1


28問49 5問免除 「土地」
【問 49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 豪雨による深層崩壊は、山体岩盤の深い所に亀裂が生じ、巨大な岩塊が滑落し、山間の集落などに甚大な被害を及ぼす。

2 花崗岩が風化してできた、まさ土地帯においては、近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された。

3 山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。

4 丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。


解答解説
◎正解肢3は、常識でもわかるプレゼント問題。

1〇 適当。なお、深層崩壊とは、山崩れ・崖崩れなどの斜面崩壊のうち、すべり面が表層崩壊よりも深部で発生し、表土層だけでなく深層の地盤までもが崩壊土塊となる比較的規模の大きな崩壊現象。 これに対し、表層崩壊とは、山崩れ・崖崩れなどの斜面崩壊のうち、厚さ0.5~2.0m程度の表層土が、表層土と基盤層の境界に沿って滑落する比較的規模の小さな崩壊のこと。
2〇 適当。なお、近年発生した土石流災害とは、平成26年8月豪雨による広島市の災害である。
3☓ 不適当。土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が髙く、住宅地として不適である。11-1
4〇 適当。


28問50 5問免除 「建物」
【問 50】建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。

2 鉄筋コンクリート造においては、骨組の形式はラーメン式の構造が一般に用いられる。

3 鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造にさらに強度と靱性を高めた構造である。

4 ブロック造を耐震的な構造にするためには、鉄筋コンクリートの布基礎及び臥梁により壁体の底部と頂部を固めることが必要である。


解答解説
◎ここが問われた
1鉄骨造り
2鉄筋コンクリート造
3鉄骨鉄筋コンクリート造
4ブロック造り

1☓ 鉄骨造は、自重が軽く、靱性が大きいことから、大空間の建築や高層建築に使用される。11-6の1
2〇 記述のとおり。なお、ラーメン構造とは、柱と梁が一体化した構造。11-6の2、11-7
3〇 記述のとおり。11-6の3
4〇 記述のとおり。なお、臥梁(がりょう)とは、壁体頂部を固める鉄筋コンクリート製の梁である。

正解 1