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18年
法の一般原則 信義則と権利濫用 B
〔問 1〕次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)契約締結交渉中の一方の当事者が契約交渉を打ち切ったとしても、契約締結に至っていない契約準備段階である以上、損害賠償責任が発生することはない。
(2)民法第1条第2項が規定する信義誠実の原則は、契約解釈の際の基準であり、信義誠実の原則に反しても、権利の行使や義務の履行そのものは制約を受けない。
(3)時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。
(4)所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合には、妨害排除請求が認められることはない。

着眼点 法の一般原則を正面から聞いたのは初めて。面食らった受験者も多いであろう。常識判断を目いっぱいすることによって、解くことができる。また、理由から結論を導く記述は誤り、という解法セオリーを適用すると、直ちに解答が出る。
1×契約上の責任が発生していなくとも、故意又は過失ある行為によって他人に損害を与えれば不法行為による損害賠償責任が生じる。また、近時の学説判例は、契約締結段階において、過失により相手方に損害を与えた場合は、契約責任としての損害賠償責任を認める。近時の学説判例を知らなくても、不法行為責任が成立することがありうることに気がつけば正解できた。
2×信義誠実の原則は、相手方の正当な期待に沿った行動をしなければならないという原則であり、もしこれに反する権利の行使をすれば、権利の濫用ということになり、権利行使が認められないことがある。
3×平成17年問○で、消滅時効完成後にその完成を知らずに債務の承認をした場合も、債務の承認をした以上は、相手方はもはや時効の援用はないものと信頼するので、信義則上、時効援用権を失う、という判例が出題された。この場合に、なお時効の援用をすると、それは権利の濫用として時効援用が認められないということになろう。よって、記述は誤りである。ハンド116p上段
4○権利の濫用ということになると、その権利行使本来の効果が認められなくなるので、記述のとおりである。

セオリー 1~3は、すべて理由から結論を導いており、誤りである。ハンド14p


代理 無権代理 A
【問 2】AはBの代理人として、B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結した。しかし、Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)BがCに対し、Aは甲土地の売却に関する代理人であると表示していた場合、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことをCが過失により知らなかったときは、BC間の本件売買契約は有効となる。
(2)BがAに対し、甲土地に抵当権を設定する代理権を与えているが、Aの売買契約締結行為は権限外の行為となる場合、甲土地を売り渡す具体的な代理権がAにあるとCが信ずべき正当な理由があるときは、BC間の本件売買契約は有効となる。
(3)Bが本件売買契約を追認しない間は、Cはこの契約を取り消すことができる。ただし、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権がないことを知っていた場合は取り消せない。
(4)Bが本件売買契約を追認しない場合、Aは、Cの選択に従い、Cに対して契約履行又は損害賠償の責任を負う。ただし、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことを知っていた場合は責任を負わない。

着眼点 無権代理の場合の三角関係という定番問題である。慎重に判断すれば、必ず正解できるので、決していい加減に解答しないこと。
1×無権代理の場合でも、本人が誤解を招く行為(X)をして、相手方が善意無過失(Y)であれば、表見代理が成立して、有効な代理同様となる。記述では、本人Bが相手方Cに授権表示をしているので、Ⅹ要件はあるが、Cに過失があったので、Y要件がなく、表見代理は成立しない。ハンド48p下段チェック
2○本記述では、X要件があり(小さな授権=抵当権設定の代理権を与えている)、Y要件もある(信ずべき正当な理由がある=善意無過失)ので、表見代理が成立し、BC間の売買契約は有効なものとなる。ハンド1-1-29
3○無権代理における善意の相手方は、本人が追認するまでなら、無権代理にかかる契約を取り消すことができるので、記述のとおりである。ハンド1-1-26
4○無権代理の場合に、本人が追認しない場合は、相手方が善意無過失であれば無権代理人は、相手方の選択に従い、相手方に対して契約履行又は損害賠償の責任を負うので、記述のとおりである。ハンド1-1-28

その他の事項 条件付契約  B
【問 3】Aは、Bとの間で、A所有の山林の売却について買主のあっせんを依頼し、その売買契約が締結され履行に至ったとき、売買代金の2%の報酬を払う旨の停止条件付きの報酬契約を締結した。この契約において他に特段の合意はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)あっせん期間が長期間に及んだことを理由として、Bが報酬の部前払を要求してきても、Aには報酬を払う義務はない。
(2)Bがあっせんした買主Cとの間でAが当該山林の売買契約を締結しても、売買代金が支払われる前にAが第三者Dとの間で当該山林の売買契約を締結して履行してしまえば、Bの報酬求請権は効力を生ずることはない。
(3)停止条件付きの報酬約契締結の時点で、既にAが第三者Eとの間で当該山林の売買契約を締結して履行も完了していた場合には、Bの報酬請求権が効力を生ずることはない。
(4)当該山林の売買契約が締結されていない時点であっても、Bは停止条件付きの報酬請求権を第三者Fに譲渡することができる。

着眼点 過去何回か出た条件付き契約の問題のリメーク。条件についての民法の規定は、多くは注意的な解釈規定で、そのような規定がなくてもそう解釈すべきものである(肢3・4)。したがって、常識判断が目いっぱい要求される。
1○あっせん期間が長期に及んでも、条件が成就しなければ報酬支払いの債権債務は生じないので、Aには報酬を支払う義務はない。ハンド61p下段
2×条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる(130条)。記述では、条件成就により報酬支払い義務が生じるAが、条件成就を妨害(当該山林を第三者に売却・履行することによってあっせんしたCへの売買契約の履行が不能に帰した)しているので、Bは条件成就とみなすことができる。そうすれば、Bの報酬請求権は効力を生じる。ハンド62p中段
3○山林の買主をあっせんしてくれることを停止条件とする報酬契約をする前に、その山林を第三者に売却・履行していたということは、条件成就が不能な停止条件を付けたことになる。不能の停止条件を付けた契約からは、債権債務が発生しようがないので、その契約は無効である(133条1項)。
4○条件の成否が未定の権利も、権利として成立している以上、一般の規定に従い処分できる(129条)。よって、記述は正しい。


共有 共有物侵害の損害賠償請求権の帰属 A
【問 4】A、B及びCが、持分を各3分の1として甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)甲土地全体がDによって不法に占有されている場合、Aは単独でDに対して、甲土地の明渡しを請求できる。
(2)甲土地全体がEによって不法に占有されている場合、Aは単独でEに対して、Eの不法占有によってA、B及びCに生じた損害全額の賠償を請求できる。
(3)共有物たる甲土地の分割について共有者間に協議が調わず、裁判所に分割請求がなされた場合、裁判所は、特段の事情があれば、甲土地全体をAの所有とし、AからB及びCに対し持分の価格を賠償させる方法により分割することができる。
(4)Aが死亡し、相続人の不存在が確定した場合、Aの持分は、民法第958条の3の特別縁故者に対する財産分与の対象となるが、当該財産分与がなされない場合はB及びCに帰属する。

着眼点 共有の定番問題。全記述肢が過去出題されており、プレゼント問題。
1○共有地を不法占拠する者に対して明け渡し請求をすることは、共有物の保存行為に当たり、各共有者は単独でもできる。ハンド1-7-3
2×不法占拠者に対する損害賠償請求権は、金銭債権であり分割することができるから、各共有者にその持分に応じて分割帰属することになる。よって、各共有者は自己に帰属した損害賠償請求権を行使することはできるが、損害全額の賠償請求はできない。
3○裁判所は、価格分割の方法として、記述のような分割方法もすることができる(判例)。ハンド1-7-6
4○共有者の一人が相続人なくして死亡した場合、遺産に対して特別縁故者が財産分与請求できる旨定めた規定(255条)、と、その者の持分は他の共有者へ帰属する旨を定めた規定(958条の3)のいずれを優先的に適用すべきか問題になるが、判例は特別縁故者の請求が優先するとする。よって、記述は正しい。ハンド193p中段




抵当権 抵当権の順位の譲渡・放棄  C
【問 5】Aは、Bから借り入れた2,400万円の担保として第一順位の抵当権が設定されている甲土地を所有している。Aは、さらにCから1,600万円の金銭を借り入れ、その借入金全額の担保として甲土地に第二順位の抵当権を設定した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)抵当権の実行により甲土地が競売され3,000万円の配当がなされる場合、BがCに抵当権の順位を譲渡していたときは、Bに1,400万円、Cに1,600万円が配当され、BがCに抵当権の順位を放棄していたときは、Bに1,800万円、Cに1,200万円が配当される。
(2)Aが抵当権によって担保されている2,400万円の借入金全額をBに返済しても、第一順位の抵当権を抹消する前であれば、Cの同意の有無にかかわらず、AはBから新たに2,400万円を借り入れて、第一順位の抵当権を設定することができる。
(3)Bの抵当権設定後、Cの抵当権設定前に甲土地上に乙建物が建築され、Cが抵当権を実行した場合には、乙建物について法定地上権が成立する。
(4)Bの抵当権設定後、Cの抵当権設定前にAとの間で期間を2年とする甲土地の賃貸借契約を締結した借主Dは、Bの同意の有無にかかわらず、2年間の範囲で、Bに対しても賃借権を対抗することができる。
着眼点 抵当権の順位の譲渡・放棄につき配当額の計算方法を聞いたのは、初。
1○抵当権の順位の譲渡=先順位抵当権者と後順位抵当権者の順位を逆転させる⇒BがCに抵当権の順位の譲渡をして、3000万円の配当の場合⇒まずCに1600万円を優先弁済し、残額1400万円をBに弁済する。
抵当権の順位の放棄=先順位抵当権者と後順位抵当権者の順位を同順位とする⇒BがCに順位の放棄して、3000万円の配当の場合⇒3000万円をBCそれぞれの被担保債権の額で按分する⇒Bに1800万円、Cに1200万円が配当される。ハンド128pの表
2×Aが被担保債権全額2400万円を弁済⇒Bの一番抵当権は消滅(∵抵当権の付従性)⇒Cの抵当権が第一順位となる(∵順位上昇の原則)。⇒Aは、もはや第一順位抵当権を設定できない。登記は関係がない。ハンド1-5-6・11
3×更地に一番抵当権を設定した後、建物が築造され、その後土地に二番抵当権が設定され、二番抵当権により競売申立てがなされた場合にも、法定地上権は成立しない。成立させると一番抵当権者に不測の損害を与えるからである。
4×抵当権設定登記後生じた賃借権は、登記された抵当権に、その者の同意がない限り、対抗できない。ハンド129p上段、1-5-14

各種の契約 請負 A
【問 6】AがBに対して建物の建築工事を代金3,000万円で注文し、Bがこれを完成させた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)請負契約の目的物たる建物に瑕疵がある場合、瑕疵の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、瑕疵の修補を請求しなければならない。
(2)請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、Aは当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
(3)請負契約の目的物たる建物に瑕疵があり、瑕疵の修補に要する費用が契約代金を超える場合には、Aは原則として請負契約を解除することができる。
(4)請負契約の目的物たる建物の瑕疵について、Bが瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合には、Aは当該建物の瑕疵についてBの責任を一切追及することができなくなる。

着眼点 請負の定番問題。3につき判例があるが、知らなくても正解できるはずである。絶対に落としてはならない。
1×損害賠償請求は、瑕疵の修補とともに又は修補に代えて請求できるのだから瑕疵の修補が可能でも、修補を請求せずに、損害賠償一本に絞った請求をしてもよい。ハンド1-8-9
2○請負の目的たる建物を瑕疵のため建て替えざるを得ないというのであれば、建替えに要する費用が損害なので、その費用相当額の損害賠償を請求できる(なお、建替え費用の損害賠償請求を請求をすることは、土地工作物を目的とする請負では瑕疵を理由に解除を認めない635条但し書の趣旨に反しない、という判例がある)。ハンド1-8-9
3×土地の工作物を目的とする請負は、瑕疵を理由には請負契約を解除できない。ハンド1-8-9
4×免責特約をしても知っていて告げなかった瑕疵については、責任を免れることはできない(知りて、告げざりしは責任の元)。ハンド1-8-11





保証 求償関係 C
【問 7】A銀行のB社に対する貸付債権につき、Cは、B社の委託を受けその全額につき連帯保証するとともに、物上保証人として自己の所有する土地に担保設定している。DもB社の委託を受け全額につき連帯保証している。保証人各自の負担部分は平等である。A銀行とB、C及びDとの間にその他特段の約定はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)Cが、A銀行に対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その全額につきB社に対する求償権を取得する。
(2)Cが、A銀行に対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その半額につきDに対する求償権を取得する。
(3)Cが、担保物の処分代金により、A銀行に対して債権の3分の2につき物上保証に基づく弁済をした場合、Cが取得するB社に対する求償権は、A銀行のB社に対する貸付債権に劣後する。
(4)Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、Cの物上保証の担保物件の価額相当額につきCに対する求償権を取得する。


着眼点 保証と物上保証における求償関係の細かなところまで聞くもので、これは
落としてもよい
1○保証人が保証債務を履行した場合、保証債務は実質的には主債務者の債務だから、保証人は全額につき主債務者に求償できる(459条)。
2○共同保証人CDのうち一人が全額弁済した場合、主たる債務者には全額求償できるが、他の保証人にもその負担部分(記述の場合は、平等=半額)の限度で求償権を取得する(465条1項)。
3○Cは、物上保証に基づく弁済により、弁済額全額につきB社に対して求償権を取得するが、この求償債権とA銀行のB社に対する貸付債権の残債権の優劣につき、判例は、CのB社に対する求償権は、A銀行のB社に対する貸付債権に劣後する、といっている。劣後するとは、Cは債務者Bに請求しても、Bが優先する債権者Aに対する支払いをした後でないと、支払ってもらえないということ。
4×保証人と物上保証人間では、その数に応じて、求償でき、債権者に代位する(求償権に応じて債権者の有した権利を取得する 501条5項)。この際、保証人が物上保証人を兼ねていても、1人として頭数を数える。よって、Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その半額につきCに対する求償権を取得する。なお、物上保証の担保物件の価額相当額の求償が問題になるのは、物上保証人相互で求償する場合である。

債務不履行 同時履行の抗弁権等 C
【問 8】AはBとの間で、土地の売買契約を締結し、Aの所有権移転登記手続とBの代金の支払を同時に履行することとした。決済約定日に、Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかったので、Aは履行を拒否した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)Bは、履行遅滞に陥り、遅延損害金支払債務を負う。
(2)Aは、一旦履行の提供をしているので、これを継続しなくても、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内にBが履行しないときは土地の売買契約を解除できる。
(3)Aは、一旦履行の提供をしているので、Bに対して代金の支払を求める訴えを提起した場合、引換給付判決ではなく、無条件の給付判決がなされる。
(4)Bが、改めて代金債務を履行するとして、自分振出しの小切手をAの所に持参しても、債務の本旨に従った弁済の提供とはならない。

着眼点 同時履行抗弁権の問題だが、難しい用語を使って、難易度を高めてある。
1○ABが同時履行関係にある場合、Aが弁済の提供をして請求したのに対し、Bも弁済の提供をしなければ、Bは履行遅滞に陥る。そして遅滞に陥ったBの債務は金銭債務であるから、遅延損害金支払債務を負う。ハンド1-2-3・6
2○Bは履行遅滞に陥っているので、Aが相当期間を定めて履行の催告をし、その期間内にBが履行しないときには、契約を解除できる。この場合に、Aは、解除権を行使する時まで、履行の提供を継続しなければならないか。判例は、それは必要ないといっている。Bはいったん履行遅滞に陥ったのであるから、Aにそこまで要求しないのである(換言すると、Bは解除との関係では、同時履行の抗弁権を失った)。したがって、催告期間内にBが履行しないときには、Aは契約を解除できる。
3×しかし、履行遅滞者に対して、あくまで履行の請求をするときは、履行遅滞者も、なお同時履行抗弁権を主張できる(君が登記手続の履行の提供をしなければ、代金も支払わないよ)。そして、同時履行請求権を主張された場合、裁判所は、無条件の給付判決ではなく、引換給付判決をする。よって、記述は誤り。ハンド60p下段
4○自分振出の小切手(自分が銀行に支払い委託をした小切手)では、銀行に預金がなければ不渡りになる危険があり、とうてい債務の本旨に従った弁済の提供とはいえない(なお、銀行振出の小切手は債務の本旨に従った弁済の提供となる)。
セオリー 2・3は、「Aは、一旦履行の提供をしているので・・・、」と文頭が同じ。見た目が似ている肢の中に正解がある。

各種の契約 委任 A
【問 9】民法上の委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。
(2)委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。
(3)委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。
(4)委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。

着眼点 委任契約のキーワードは、信頼関係。初出題の条文もある(4)が、正解肢3は、常識的にもおかしな記述で、絶対に落としてはならない問題であった。
1○委任契約は信頼関係に基づくから、その信頼関係が壊れたときは、当事者は、いずれからでも、いつでもその解除をすることができるが、当事者の不利なときに解除をしたときは、損害を賠償しなければならない。ただし、やむをえない事情がある場合は、それも必要がない。よって、記述は正しい。ハンド1-8-7
2○委任は、当事者の死亡・破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判によって終了する。1-8-8
3×上記のとおり、委任は委任者の死亡により終了するが、委任者側に急迫な事情があり、事務をすぐに引き継げないときには、受任者は事務を継続しなければならない(654条)。これも委任者の生前の信頼にこたえるためである。しかし、記述のように、委任者の相続人から終了についての承諾を得るまでは、委任事務継続義務があるというのは、常識的にも行き過ぎであろう。記述は誤り。ハンド216p下段
4○記述のとおりの条文がある(655条)。





賃貸借 転貸借等  B
【問 10】AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し、引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても、この転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。
(2)AがBの承諾を受けてDに対して当該建物を転貸している場合には、AB間の賃貸借契約がAの債務不履行を理由に解除され、BがDに対して目的物の返還を請求しても、AD間の転貸借契約は原則として終了しない。
(3)AがEに対して賃借権の譲渡を行う場合のBの承諾は、Aに対するものでも、Eに対するものでも有効である。
(4)AがBの承諾なく当該建物をFに転貸し、無断転貸を理由にFがBから明渡請求を受けた場合には、Fは明渡請求以後のAに対する賃料の全部又は一部の支払を拒むことができる。
着眼点 正解肢2と対になる論点、賃貸人の承諾を得て転貸借契約をした場合に、原賃貸借が合意解除で終了したときは、原賃貸借の終了を転借人に対抗できない(親ガメが合意でこけても、子ガメはこけない ハンド1-6-17)は、過去何回か出ている。
1○賃借人が賃貸人に無断で賃借物を転貸して転借人に賃借物を使用させることは解除事由である(612条)が、それが背信的行為と認められない特段の事由がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。ハンド1-6-6
2×賃貸人の承諾を得て転貸借契約をした場合でも、原賃貸借が債務不履行解除をされて、賃貸人が転借人に目的物の返還を請求したときは、転貸人の転借人に対する債務が履行不能に帰するので、転貸借関係は終了する(判例)。親ガメこければ子ガメもこけるのである。ハンド169p下段
3○AがEに対して賃借権の譲渡を行う場合のBの承諾とは、債権譲渡があったことを債務者に対抗する要件としての債務者の承諾のことである。これは、譲渡人Aに対しても譲受人Eに対してしてもよいものである。なお、この場合の債権とは、賃借人が賃貸人に賃借物を使用収益させよと請求できる債権のことである。1-8-2
4○売買目的物に権利主張者がいる場合、買主は、代金の一部又は全部の支払拒絶できるが(576条 1-3-31)、この規定を準用して、転借人は、原賃貸人から無断転貸を理由に明渡請求を受けた場合は、明渡し請求以後の転貸人に対する賃料の全部又は一部の支払いを拒むことができる(判例)、とされる。

不法行為 不法行為損害賠償請求権と相殺    A
【問 11】事業者Aが雇用している従業員Bが行った不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Bには被害者に対する不法行為に基づく損害賠償責任は発生しない。
(2)Bが営業時間中にA所有の自動車を運転して取引先に行く途中に前方不注意で人身事故を発生させても、Aに無断で自動車を運転していた場合、Aに使用者としての損害賠償責任は発生しない。
(3)Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる。
(4)Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aが使用者としての損害賠償責任を負担した場合、A自身は不法行為を行っていない以上、Aは負担した損害額の2分の1をBに対して求償できる。

着眼点 全体は不法行為使用者責任だが、正解肢は、相殺の論点。したがって複合問題なのだが、正解肢は非常にやさしい。プレゼント問題である。
1×使用者責任が成立する場合でも、被用者は不法行為責任を負う。両者の責任関係は不真正連帯債務である。ハンド224p下段
2×被用者Bの不法行為が使用者Aの指示や承認に基づかなくても、それがAの事業の執行中といえる場合であれば、Bの不法行為につき使用者責任が成立する。Bは、営業時間中に取引先に行く途中で事故を起こしているのだから、事業執行中の不法行為であり、Aにも使用者としての損害賠償責任が発生する。ハンド1-8-19
3○対立する債権債務が損害賠償債権である場合、加害者から相殺することは許されないが、被害者から相殺することはできる。よって、記述は正しい。ハンド1-3-16
4×使用者Aは、不法行為を行ったBに、負担した損害額全額を求償できるのが原則である。例外は、使用者Aにも過失があり、共同不法行為が成立する場合である(過失割合に応じた求償しか認められない)。しかし、そのような事情は記載されていないので、当然に2分の1しか求償できないとする記述は誤りである。ハンド1-8-19
セオリー 4は理由から結論を導き、このような記述は誤り。ハンド14p中段

相続 遺留分 A
【問 12】成年Aには将来相続人となるB及びC(いずれも法定相続分は2分の1)がいる。Aが所有している甲土地の処分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)Aが精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況になった場合、B及びCはAの法定代理人となり甲土地を第三者に売却することができる。
(2)Aが「相続財産全部をBに相続させる」旨の有効な遺言をして死亡した場合、BがAの配偶者でCがAの子であるときはCには相続財産の4分の1の遺留分があるのに対し、B及びCがAの兄弟であるときはCには遺留分がない。
(3)Aが「甲土地全部をBに相続させる」旨の有効な遺言をして死亡し、甲土地以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく甲土地を第三者Dに売却した場合、特段の事情がない限り、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。
(4)Aが遺言なく死亡し、B及びCの協議により甲土地をBが取得する旨の遺産分割協議を有効に成立させた場合には、後になってB及びCの合意があっても、甲土地をCが取得する旨の遺産分割協議を成立させることはできない。

着眼点 遺産分割に関する判例なども聞いているが、正解肢は遺留分の基本がわかっていれば解ける問題。これも落してはならない問題であった。
1×まるっきりデタラメの記述。・・B及びCはAの法定代理人となり・・という表現もおかしい。法定代理人であるB及びCは、でなければ意味が通らない(∵法定代理人は自分の意思でなるものではなく、法律で定められているもの)。
2○被相続人の兄弟姉妹には遺留分はないので、記述後段は○。兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があり、その遺留分の全体は、直系尊属のみが遺留分権利者である場合を除き、相続財産の2分の1。そして、各遺留分権利者の遺留分は、総体的遺留分に自己の相続分を乗じることによって得ることができる。記述では、BCとも相続財産の4分の1の遺留分がある。よって、前段も正しい。
3×これもデタラメな記述。どういう趣向のひっかけかも不明。
4×共同同相続人は、すでに成立している遺産分割協議につき、全員の合意により解除したうえ、改めて分割協議を成立させることができる(判例)。しかし、この判例がなくとも、遺産分割協議は全員の合意によって成立するのだから、全員の合意があればやり直しができるのは当然であろう。


借地関係 事業用借地権等 C
【問 13】自らが所有している甲土地を有効利用したいAと、同土地上で事業を行いたいBとの間の契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)甲土地につき、Bが建物を所有して小売業を行う目的で公正証書によらずに存続期間を35年とする土地の賃貸借契約を締結する場合、約定の期問、当該契約は存続する。しかし、Bが建物を建築せず駐車場用地として利用する目的で存続期間を35年として土地の賃貸借契約を締結する場合には、期間は定めなかったものとみなされる。
(2)甲土地につき、Bが1年間の期間限定の催し物会場としての建物を建築して一時使用する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、当該契約の更新をしない特約は有効である。しかし、Bが居住用賃貸マンションを所有して全室を賃貸事業に供する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、公正証書により存続期間を15年としても、更新しない特約は無効である。
(3)甲土地につき、小売業を行うというBの計画に対し、借地借家法が定める要件に従えば、甲土地の賃貸借契約締結によっても、又は、甲土地上にAが建物を建築しその建物についてAB間で賃貸借契約を締結することによっても、Aは20年後に賃貸借契約を更新させずに終了させることができる。
(4)甲土地につき、Bが建物を所有して小売業を行う目的で存続期間を30年とする土地の賃貸借契約を締結している期間の途中で、Aが甲土地をCに売却してCが所有権移転登記を備えた場合、当該契約が公正証書でなされていても、BはCに対して賃借権を対抗することができない場合がある。

着眼点 一つの肢で2つのことを聞いたり(1~3)、もってまわった聞き方(3・4)をしたりして、非常にわかりにくい問題。悪問である。なにを聞かれているのかわからず、鉛筆ころがしになってしまったという人が多かったようだ。落してしまっても、やむ得ない。
1×前段は、〇。通常の借地権設定契約(建物所有を目的とする、期間30年以上)なので、約定の期間、当該契約は存続する。
後段は、建物所有を目的としないので、借地権設定契約とはいえず、民法上の賃貸借契約となる。そして、民法上の賃貸借は最長期が20年であり、それを超えた場合は、20年の期間を定めたものとみなされる。よって、期間を定めなかったものとみなされるというのは誤り。1-6-21、163p上段
2○ 一時使用目的が明らかである場合、借地借家法の更新制度がない旨の特約をすることは有効なので、前段は○。
また、事業用借地権は、居住用建物の所有のためには設定できないので、居住用賃貸マンション所有の目的で設定した借地権設定契約は通常の借地権設定契約となるほかなく、そうとすれば更新しない旨の特約は無効である(なお、期間15年は定めなかったものとみなされ、期間30年となる)。よって、後段も○。1-6-41・47
3○ 20年後に更新させずに終了させることができるか、と聞いているが、更新制度のない借家・借地権は定期借家・借地権であるから、借地借家法では、期間20年以下の定期借家・借地権を定めているかと聞いているのと同義である。そうであるなら、定期借家権(最短期の制限はない)、と、事業用借地権(期間10~20年に限られる)がそれに当たり、記述は肯定される。1-6-48
4○設定した借地権を底地(借地権が設定された土地)の第三取得者Cに対抗するには、借地権の登記をするか、借地上の建物に登記をする(その建物が滅失したときは借地上に一定の掲示をする)ことが必要である。そのいずれもなければ、当該契約が公正証書でなされていようと、BはCに対して賃借権を対抗することができない。1-6-37

解く順番について
このように、権利関係は、時間がかかる問題が出題されることがある。解くのに時間がかかっても、1点は1点である。よって、まず、簡単に解ける法令制限(17番以下)か、宅建業法(36~45番)から解いていくことが得策である。  

借家関係 借地上借家の土地明渡し猶予 A
【問 14】AはBとの間で、平成16年4月に、BがCから借りている土地上のB所有の建物について賃貸借契約(期間2年)を締結し引渡しを受け、債務不履行をすることなく占有使用を継続している。この場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)Bが、Cの承諾を得ることなくAに対して借地上の建物を賃貸し、それに伴い敷地であるその借地の利用を許容している場合でも、Cとの関係において、借地の無断転貸借とはならない。
(2)借地権の期間満了に伴い、Bが建物買取請求権を適法に行使した場合、Aは、建物の賃貸借契約を建物の新たな所有者Cに対抗できる。
(3)平成18年3月に、借地権がBの債務不履行により解除され、Aが建物を退去し土地を明け渡さなければならなくなったときは、Aが解除されることをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、Aの請求により、Aがそれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
(4)平成18年3月に、借地権が存続期間の満了により終了し、Aが建物を退去し土地を明け渡さなければならなくなったときは、Aが借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、Aの請求により、Aがそれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。問14
着眼点 3・4は見た目が非常に似ている⇒いずれかに正解肢があるはず。
1○土地の賃借人が借地上建物を賃貸し、賃借人にその借地の利用を許容することは、これを土地の転貸借と目すべきものではない(判例)。なぜなら、土地賃借人(建物賃貸人)は、自ら有する土地の使用収益権の行使として建物賃借人に土地利用を許容したにすぎないからである。182p上段
2○建物賃借権(借家権)は、建物の引渡しを受けておけば、第三者に対抗できる。借家人Aは、建物の引渡しを受けているので、Bの建物買取り請求権行使の結果、建物の新所有者となったCに、建物賃貸借契約を対抗できる。1-6-14
3×4○ 借地上の建物賃借人は、借地期間の満了により、予期せず土地(及び建物)を明渡さなければならないという事態もありうるので、「借地上の建物賃借人が、借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、・・・土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる(35条 ハンド1-6-36)」。このように、3の場合(債務不履行解除をされることを知らなかった場合)について、法は定めていないので3は誤り、4は正しい。ハンド1-6-36

不動産登記法 一申請情報で複数登記の申請 A
【問 15】不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
(2)信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。
(3)表題部に所有者として記録されている者の相続人は、所有権の保存の登記を申請することができる。
(4)同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記原因及びその日付が同一である場合には、登記の目的が異なるときであっても、一つの申請情報で申請することができる。

着眼点 105年ぶり(!!)に新法が施行されたが、試験の性格上、いきなり改正点を聞くわけにもいかないので、正解肢は、過去既出である。
1○記述のとおり。権利登記における、共同申請主義の原則である。1-10-9
2○信託とは、受託者に一定目的に従って財産の管理・処分をさせるため、その者に財産権を移転等することをいう。信託目的のために権利を移転等したことがうやむやにならないように、信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。98条1項
3○所有権保存の登記は、表題部所有者から申請するのが原則であるが、表題部所有者が死亡した場合には、表題部所有者の相続人から申請できる。ハンド1-10-10
4×一つの申請情報で二以上の不動産につき申請するためには、それらが同一登記所管轄区域内にあり、登記目的並びに登記原因及びその日付が同一でなければならない。たとえば、土地付建物が売買された(登記原因)場合の土地(敷地)と建物の所有権移転の登記(登記目的)がその例である。ハンド251p下段








区分所有法 集会の手続等 C
【問 16】建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。
(2)集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
(3)集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名しなければならないが、押印は要しない。
(4)規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならないが、集会の議事録の保管場所については掲示を要しない。

着眼点 本問は落としてもよい。一問しか出題しない区分所有法としては異常に細かいところを問題にしている。しかも、マンションの取引ではなく、マンションの運営面からの出題で、マンション管理士や管理業務主任者試験に出すのがふさわしい問題である。
1×2週間前ではなく1週間前である。しかし、この期間はいずれにせよ規約で伸縮できるので、そう重要な期間ではないだろう。こういうところにこだわる出題には強い疑問を感じる。271p上段
2○集会では、議決権を行使しようとする者にとって不意打ちとならないよう、あらかじめ通知した事項についてのみ決議できるのが原則であるが、それがかえって集会の円滑な運営を妨げることもありうるので、規約で定めれば、通知した事項以外も決議できる。ただし、特別決議事項は、重大なので、この扱いは認められない。よって、記述は正しい。ハンド271p中段
3×押印も必要(42条3項)。
4×集会の議事録の保管場所についても掲示を要する(42条5項で33条=Rule1-11-17を準用)。






国土利用計画法 事後届出制 A
【問 17】国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該契約による権利取得者は、その契約に係る土地の登記を完了した日から起算して2週間以内に、事後届出を行わなければならない。
(2)注視区域又は監視区域に所在する土地について、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、国土利用計画法第27条の4又は同法第27条の7の事前届出が必要であるが、当該契約が一定の要件を満たすときは事後届出も必要である。
(3)都道府県知事は、事後届出があった場合において、その届出書に記載された土地に関する権利の移転等の対価の額が土地に関する権利の相当な価額に照らし著しく適正を欠くときは、当該対価の額について必要な変更をすべきことを勧告することができる。
(4)事後届出が必要な土地売買等の契約を締結したにもかかわらず、所定の期間内にこの届出をしなかった者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。

着眼点 プレゼント問題である。落としてはならない。
1×契約締結後2週間以内である。土地の登記を完了した日から・・というのは、いかにもおかしい。3-6-1
2×事前届出をした以上、事後届出は不要である。
3×事後届出制では、土地取引の対価額については、届出はさせるが、審査も勧告もしない。事後届出制では、土地取引の対価額には関心がなく、土地の利用目的についてのみ審査・勧告する。
4○記述のとおり。届出義務違反には、罰則がある。3-6-1








都市計画法 各種計画等  A
【問 18】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画であり、用途地域が定められている土地の区域においてのみ定められる。
(2)都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該都市計画事業を施行する土地内において、当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事及び当該事業の施行者の許可を受けなければならない。
(3)都市計画事業については、土地収用法の規定による事業の認定及び当該認定の告示をもって、都市計画法の規定による事業の認可又は承認及び当該認可又は承認の告示とみなすことができる。
(4)特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区である。

着眼点 正しいものはどれかだから、ひっかけパターンが成り立たない記述をさがせばよい。
1×地区計画は、用途地域の定められていない土地の区域にも定めることができる。ハンド2-1-43
2×許可権者は、都道府県知事だけである。都道府県知事が許可をするとき、施行者の意見を聞くという場面で施行者は登場し、許可権者ではない。ハンド2-1-38
3×都市計画事業の認可又は承認の告示があると、土地収用法の事業認定の告示があったものとみなされる、のであって、記述はデタラメ。一種の逆転パターンのひっかけだろう。ハンド2-1-41
4○定義のような記述は、よほど変でなければ正しいと考えてよい。ハンド2-1-7
セオリー 1は、例外を認めない断定的記述は誤り。ハンド14p
2は、アクター逆転のひっかけのバリュエーション・3は、状況設定逆転パターンのひっかけ。ハンド15・16p



都市計画法 開発許可の要否 A
【問 19】次に掲げる開発行為のうち、都市計画法による開発許可を受けなければならないものはどれか。なお、開発行為の規模は、すべて1,000㎡であるものとする。
(1)市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
(2)市街化調整区域内において、図書館法に規定する図書館の建築の用に供する目的で行う開発行為
(3)準都市計画区域内において、専修学校の建築の用に供する目的で行う開発行為
(4)都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、店舗の建築の用に供する目的で行う開発行為<

着眼点 定番の開発許可の要否。これを落すようでは、試験は受からない。
開発行為の規模が1000㎡という前提であるから、市街化区域又は市街化調整区域の両区域以外の区域で行う場合(3・4)は、規模の基準に満たず、それだけで許可不要となる。

1○許可必要。規模的には、市街化区域では1000㎡以上では許可必要となり、また、農業社の居住用建築物のための開発行為は市街化区域では許可不要の例外にならないので、許可が必要である。
2×許可不要。図書館という公益的建築物の用に供する目的の開発行為は、どこで行おうと許可不要である。
3×許可不要。準都市計画区域内では、3000㎡未満の開発行為は許可不要。
4×許可不要。準都市計画区画及び準都市計画区域外の区域内では、10000㎡未満の開発行為は許可不要である。       

都市計画法 開発許可の手続等 A
【問 20】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)開発行為に関する設計に係る設計図書は、開発許可を受けようとする者が作成したものでなければならない。
(2)開発許可を受けようとする者が都道府県知事に提出する申請書には、開発区域内において予定される建築物の用途を記載しなければならない。
(3)開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、その旨を都道府県知事に報告し、その同意を得なければならない。
(4)開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間であっても、都道府県知事の承認を受けて、工事用の仮設建築物を建築することができる。

着眼点 プレゼント問題である。
1×そのような無意味な制限はない。ハンド2-1-17
2○予定建築物の用途は、必ず記載しなければならない。ハンド2-1-17
3×開発許可を得たことは、開発行為をすることを義務づけられたわけではないので、開発行為に関する工事を廃止することは自由であるが、開発許可をしてくれた都道府県知事には事後のあいさつ(届出)はしなければならない。同意を得ることまでは必要ない。ハンド2-1-25
4×工事用仮設建築物の建設は、都道府県知事の承認を受けるまでもなく実施できる。ハンド2-1-28













建築基準法 道路規制 A
【問 21】建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくとも法上の道路とみなされる。
(2)法第42条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地が私有地である場合は、敷地面積に算入される。
(3)法第42条第2項の規定により道路とみなされた道は、実際は幅員が4m未満であるが、建築物が当該道路に接道している場合には、法第52条第2項の規定による前面道路の幅員による容積率の制限を受ける。
(4)敷地が法第42条に規定する通路に2m以上接道していなくても、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて利害関係者の同意を得て許可した場合には、建築物を建築してもよい。

着眼点 本問も、非常にやさしい。
1×4m未満の道路法上の道路は、特定行政庁の許可がなければ建築基準法上の道路とはみなされない。ハンド2-2-1
2×道路境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、道路とみなされてしまうので、敷地面積に算入することはできない。ハンド328p上段
3○法52条2項の規定による制限(前面道路の幅員による容積率の制限)は、前面道路幅員が12m未満である場合に適用されるので、みなし道路であっても当然制限を受ける。ハンド2-2-10
4×特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した場合には、法42条の接道要件を満たしていなくとも、建築物を建築できる。ハンド2-2-1

セオリー 1の「特定行政庁の指定がなくとも・・・」、というのは誤っていることを隠そうとする、不自然な強調である。ハンド14p






建築基準法 高さ制限  A
【問 22】建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)第二種中高層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第3号の規定による北側斜線制限は適用されない。
(2)第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限が適用される。
(3)隣地境界線上で確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして一定の基準に適合する建築物については、法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限は適用されない。
(4)法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域は地方公共団体が条例で指定することとされているが、商業地域、工業地域及び工業専用地域においては、日影規制の対象区域として指定することができない。

着眼点 斜線制限や日影規制の適用地域・地区だけを聞くシンプルな問題。
高さ制限と適用地域区域                   Rule2-2-12
    地域・区域



制限
1・2低専  1・2中高専   1・2・準住居  近商  商業   準工業 工業   工専 用途地域無指定 
道路斜線 ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○ 
隣地斜線   ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○ 
絶対高さ ×  × × ×  ×  ×  ×  × 
北側斜線 ○*1  × × ×  ×  ×  ×  × 
日影規制(*2)   ○*2   ○*2   ○*2 ○*2  ×  ○*2 × ×  ○*2
 
*1日影規制に関する地方公共団体の条例が定められている区域を除く
*2日影規制に関する地方公共団体の条例が定められている区域についてのみ適用

1×北側斜線制限は住居専用地域で適用されるので、第二種中高層住居専用地域では適用される。
2×第一・二種低層住居専用地域では、隣地斜線制限より厳しい絶対高さ制限の適用があるので、隣地斜線制限は適用されない。
3×そのような規定はない。
4○日影規制の規制区域は、日照よりも商売や生産が重要な商業・工業・工業専用地域では指定できない。

宅地造成等規制法 届出義務 A
【問 23】宅地造成等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)宅地造成工事規制区域内の宅地において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、法第8条第1項の知事の許可を受けなければならない場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(2)宅地造成工事規制区域内において行われる法第8条第1項の工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事の検査を受けなければならない。
(3)都道府県知事は、法第8条第1項の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。
(4)都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、宅地の所有者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。

着眼点 宅地造成等規制法の事前届出制の趣旨がわかっていれば瞬時に誤りがわかる。
1×許可を要する宅地造成工事までいかなくても一定の工事は行うときは事前届出制の規制がかかる。この届出は、監督官庁が勧告を行うための情報提供のための届出だから、行為着手2週間前までにしなければならない。工事に着手する前日に届け出られても何の役にも立たない。2-5-7
2○記述のとおり。2-5-5
3〇記述のとおり。
4○記述のとおり。2-5-8


土地区画整理法 組合員の地位の承継 A
【問 24】 土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)組合施行の土地区画整理事業において、施行地区内の宅地について所有権を有する組合員から当該所有権の一部のみを承継した者は、当該組合の組合員とはならない。
(2)組合施行の土地区画整理事業において、換地処分前に、施行地区内の宅地について所有権を有する組合員から当該所有権を譲り受けた者は、当該組合の総会において賦課金徴収の議決があったときは、賦課金の納付義務を負う。
(3)換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事がすべて完了した後でなければすることができない。
(4)組合施行の土地区画整理事業において、定款に特別の定めがある場合には、換地計画において、保留地の取得を希望する宅地建物取引業者に当該保留地に係る所有権が帰属するよう定めることができる。

着眼点 過去問題をきちんとやっていた者には、プレゼント問題である。
1×組合員である施行区域内宅地の所有者から、その所有権の一部を承継した者者も当該組合の組合員となる。ハンド369p中段
2○組合員である施行区域内宅地の所有者から、その所有権を譲り受けた者も当該組合の組合員となるのであるから、組合員として賦課金の納付義務を負う。ハンド369p中段
3×規約、定款等で定めれば、工事が完了した一部分から換地処分をすることもできる。ハンド2-4-15
4×保留地は施行者に保留する土地であり、施行者以外の者に帰属するよう換地計画を定めることはできない。ハンド367p中段

セオリー 3は、例外を認めない断定的記述は誤り。ハンド15p上段

農地法 無許可行為の効果 A
【18年問 25】 農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。
2 農業者が、住宅を建設するために法第4条第1項の許可を受けた農地をその後住宅建設の工事着工前に宅地として売却する場合、改めて法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
3 耕作目的で農地の売買契約を締結し、代金の支払をした場合でも、法第3条第1項の許可を受けていなければその所有権の移転の効力は生じない。
4 農業者が、自ら農業用倉庫として利用する目的で自己の所有する農地を転用する場合には、転用する農地の面積の規模にかかわらず、法第4条第1項の許可を受ける必要がある。
着眼点 過去問題をやっていた者には、リボンをつけたプレゼント問題である。
1×現に耕作している土地は、登記簿上の地目がどうなっていようと、農地法上の農地である。ハンド2-3-1
2×法4条の転用許可を受けた土地であっても、転用する前に転用目的で権利の移動をする場合には、改めて5条許可を受ける必要がある。ハンド2-3-5
3○農地法上の許可が必要な農地の権利の移動において、許可が得られなかった場合は、その権利の移動は効力を生じない(無効)。よって、記述は正しい。ハンド2-3-3
4×2アール未満の農業施設の用に供する場合は、法4条の許可が不要なことがある。ハンド2-3-7
農地法3~5条適用関係(3~5条)(大場注 現行本282pの表です) 
3条 4条 5条
適用場面 農・採のまま(採→農含む) 使用収益権を移動*1 農地の転用
採*2は規制なし 農・採を転用(採→農除く) 目的で使用収益権を移動
制限 農業委員会の許可 知事(農水大臣*3)の許可
市街化区域内の場合、農委への事前届出
無許可行為 無効/罰則   原状回復/罰則 無効/原状回復/罰則
許可不要の場合
国・都道府県が行う場合/土地収用法により行う場合
遺産分割/財産分与 市街化区域内農地を転用又は転用目的で権利移動する旨、農委に事前に届け出た
5条の許可を受ける場合  

国税 住宅ローン控除 A
【問 26】住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(以下この問において「住宅ローン控除」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)平成18年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の適用を受けているときであっても、平成18年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることがでる。
(2)平成18年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の適用を受けているときであっても、平成18年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。
(3)平成18年中に居住用家屋の敷地の用に供するための土地を取得し、居住用家屋を建築した場合において、同年中に属住の用に供しなかったときは、平成18年分の所得税から住宅ローン控除の適用を受けることができない。
(4)平成18年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、住宅ローン控除の適用を受けようとする者のその年分の合計所得金額が3,000万円を超えるときは、その超える年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることはできない。

着眼点 住宅ローン控除は、予想通りの出題。また、居住年によって異なってくる控除額などは聞きにくいため、他の特例との適用関係を聞いてくるだろうというのも、予想どおり。
1○住宅ローン控除と居住用財産譲渡の買換え等の場合の譲渡損失の繰越通産は、重ねて適用を受けることができる。ハンド412p中段
2×住宅ローン控除と居住用財産譲渡の場合の3000万円特別控除は、重ねて適用を受けることができない。ハンド412p中段
3○住宅ローン控除は、居住の用に供した年の所得税から適用を受けられる。ハンド2-7-17
4○住宅ローン控除は、合計所得金額が3000万円以上の年分の所得税については、適用を受けられない。ハンド2-7-17

セオリー 1と2が見た目が似ている⇒いずれかに正解がある。ハンド13p上段

国税 印紙税 A
【問 27】印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)「Aの所有する土地(価額1億7,000万円)とBの所有する土地(価額2億円)とを交換し、AはBに差額3,000万円支払う」旨を記載した土地交換契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、2億円である。
(2)建物の建築工事請負契約に際して、請負人C社が「請負金額2,100万円(うち消費税及び地方消費税の金額100万円)を受領した」旨を記載した領収書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該領収書の記載金額は、2,100万円である。
(3)土地の売買契約書(記載金額5,000万円)を3通作成し、売主D社、買主E社及び媒介した宅地建物取引業者F社がそれぞれ1通ずつ保存する場合、F社が保存する契約書には、印紙税は課されない。
(4)給与所得者Gが自宅の土地建物を譲渡し、代金8,000万円を受け取った際に作成した領収書には、金銭の受取書として印紙税が課される。

着眼点 2は近時の通達からの出題だが、他の肢は、過去問のリメークで、やさしい。
1○交換契約書は、物件評価額が記載されている場合は、高いほうの評価額が記載金額となる。ハンド416p中段
2×課税文書に消費税が区分記載されている場合、又は税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかである場合には、消費税額等は記載金額に含めないものとする(国税庁通達)。記述では、消費税100万円が区分記載されているので、記載金額はこれを控除した2000万円となる。ハンド417p上段
3×契約当事者が保存するものでなくても、証明目的で課税文書を作成する以上、印紙税は課される。ハンド416ページ上段チェック
4×領収書でも、営業に関しないものは非課税である。ハンド2-7-21







地方税 不動産取得税 A
【問 28】不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)平成18年4月に住宅以外の家屋を取得した場合、不動産取得税の標準税率は、100分の4である。
(2)平成18年4月に宅地を取得した場合、当該取得に係る不動産取得税の課税標準は、当該宅地の価格の2分の1の額とされる。
(3)不動産取得税は、不動産の取得に対して、当該不動産の所在する都道府県が課する税であるが、その徴収は特別徴収の方法がとられている。
(4)平成18年4月に床面積250㎡である新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の算定については、当該新築住宅の価格から1,200万円が控除される。

着眼点 正解肢は、過去複数年で出ている。過去問題をやっておけば、リボンをつけたプレゼント問題であった。
1×不動産取得税の標準税率は4%であるが、平成18年3月31日まで、これが3%に軽減されていた。そして、同日以降も、建物と宅地については軽減税率が平成21年3月31日まで延長されたが、住宅以外の家屋については、経過措置として、平成20年3月31日までは、3.5%とされている。ハンド2-7-2
2○課税標準は、固定資産課税台帳の登録価格であるが、平成21年3月31日までに取得した宅地については、その価格の2分の1の額とされる。ハンド2-7-2
3×不動産取得税の徴収は、普通徴収(納税通知書を、納税者に交付することによって徴収する)の方法による。ハンド2-7-2
4×新築住宅にかかる不動産取得税の課税標準の特例(1200万円控除)の適用の床面積の要件は、50(一戸建てでない貸家の場合40)㎡~240㎡である、よって、250㎡の新築住宅には、本特例は適用されない。ハンド2-7-3










地価公示法 公示価格の効力 A
【問 29】地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)標準地の正常な価格は、土地鑑定委員会が毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って判定し公示される。
(2)標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいう。
(3)標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行わなければならない。
(4)土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として、取引を行わなければならない。
 
着眼点 公示価格は、一般取引に対しては、あまり強い効力はない。
1○記述のとおり。7-8
2○記述のとおり。7-8
3〇記述のとおり。7-8
4×公示価格は、不動産鑑定士が行う土地の鑑定評価では規準としなければならない、また、公共用事業用地を取得する場合も、公示価格を規準としなければならないが、一般土地取引では、指標とするように努めなければならない、とされる。指標として、取引を行わなければならないは、誤り。これも、用語逆転パターンのひっかけである。7-11・12











免許 免許の基準 A
【問 30】宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)A社の取締役が、刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪を犯し、懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、執行猶予期間は満了した。その満了の日から5年を経過していない場合、A社は免許を受けることができない。
(2)B社は不正の手段により免許を取得したとして甲県知事から免許を取り消されたが、B社の取締役Cは、当該取消に係る聴間の期日及び場所の公示の日の30日前にB社の取締役を退任した。B社の免許取消の日から5年を経過していない場合、Cは免許を受けることができない。
(3)D社の取締役が、刑法第159条(私文書偽造)の罪を犯し、地方裁判所で懲役2年の判決を言い渡されたが、この判決に対して高等裁判所に控訴して現在裁判が係属中である。この場合、D社は免許を受けることができない。
(4)E社は乙県知事から業務停止処分についての聴聞の期日及び場所を公示されたが、その公示後聴間が行われる前に、相当の理由なく宅地建物取引業を廃止した旨の届出をした。その届出の日から5年を経過していない場合、E社は免許を受けることができない。

着眼点 定番の免許基準は、必ずわかるはずだから、決していい加減に見切りマークをしてはならない。
1×懲役刑に処せられると、5年間免許欠格になるが、懲役刑が執行猶予され、その執行猶予期間が満了すると、刑の言い渡しは効力を失うので、直ちに免許を受けられる。免許を受けられないとする記述は誤り。
2○66条1項8号処分(不正手段により免許を取得したことを理由とする免許取消し処分)を受けたのが法人である場合には、同処分の聴聞の期日等の公示の日前60日以内に役員(支配力ある者)であった者は、同処分を受けた法人と同視され、5年間は免許欠格となる。Cは、聴聞の期日等の公示日の30日前に取締役を退任したのであるから、処分を受けた法人と同視され、5年間は免許欠格である。
3×刑に処せられるということは、刑が確定したことを意味するので、記述のように控訴中は、免許欠格にはならない。よって、D社は免許を受けられる。
4×業務停止処分逃れの廃業をしても、免許欠格になることはない。よって、E社は免許を受けられる。以上3-1-9

宅地建物取引主任者  専任の取引主任者数不足の場合の措置等 A
【問 31】宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)A社の唯一の専任の取引主任者であるBが退職したとき、A社は2週間以内に新たな成年者である専任の取引主任者を設置し、設置後30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
(2)取引主任者ではないCがA社の非常勤の取締役に就任したとき、A社はその旨を甲県知事に届け出る必要はない。
(3)A社がD社に吸収合併され消滅したとき、D社を代表する役員Eは、合併の日から30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
(4)A社について、破産手続開始の決定があったとき、A社の免許は当然にその効力を失うため、A社の破産管財人Fは、その旨を甲県知事に届け出る必要はない。

着眼点 合併消滅した場合の届出(3)は、アクター逆転のひっかけに注意しよう。
1○専任の取引主任者の数が法定数に欠ける時は、2週間以内に適合措置をとり、専任の取引主任者を設置した場合には、30日以内に業者名簿変更の届出をしなければならない。A社はそれを行っている。ハンド3-2-15・11
2×業者名簿に登載される役員には、非常勤の者も含まれるので、CがA社の取締役に就任した場合は、30日以内に免許権者に届出なければならない。ハンド3-2-11
3×A社が合併消滅した場合には、A社の代表役員が免許権者に届出なければならない。ハンド3-1-15
4×免許を受けていた者が破産手続き開始の決定を受けても、当然に免許は執行しない。その旨の届出があって失効する。それゆえ、30日以内に破産管財人に届出の義務を課している。ハンド3-1-15


セオリー 4は、「・・・、A社の免許は当然に効力を失うため・・・」と理由から結論を導く。このような記述は誤り。ハンド14p中段



宅地建物取引主任者 取引主任者証の扱い A
【問 32】 甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という。)を受け、乙県内の宅地建物取引業者の事務所に勤務している取引主任者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)Aは、不正の手段により登録を受けたとして、登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された後、自らの申請によりその登録が消除された場合、当該申請に相当の理由がなくとも、登録が消除された日から5年を経ずに新たに登録を受けることができる。
(2)Aが甲県知事から事務の禁止の処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは、Aは取引主任者としてすべき事務を行うことはできないが、Aは乙県知事に対して、甲県知事を経由して登録の移転の申請をすることができる。
(3)Aは、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは、必ず甲県知事が指定する講習で交付の申請前1年以内に行われるものを受講しなければならない。
(4)Aは、禁鋼以上の刑に処せられ登録が消除された場合は、速やかに、宅地建物取引主任者証を甲県知事に返納しなければならない。

着眼点 簡単な問題。これを落すようではダメ。

1×不正手段により登録を受けたことを理由とする登録消除処分を免れるために、相当の理由なく申請による登録の消除を受けた者は、そのときに同処分を受けたものと同視され、登録が消除された日から5年間は登録を受けられない。ハンド3-2-4
2×登録の移転は、取引主任者として事務執行をしようとする者の便宜のための制度だから、取引主任者としての事務執行を禁じられた事務禁止処分中の取引主任者は、その申請をすることはできない。ハンド3-2-11
3×取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは、登録をした知事が指定する講習で交付申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない。ハンド3-2-8
4○登録を受けている者は、登録が消除された場合は、速やかに、取引主任者証を、その交付を受けた知事に返納しなければならない。ハンド3-2-12
業務に関する規制1(一般規制)建物貸借の重要事項説明 A



【問 33】宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、次の記述のうち、宅地建物取引業法第35条の規定により重要事項としての説明が義務付けられていないものはどれか。
(1)当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨
(2)当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨
(3)台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況
(4)敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項

着眼点 建物を借りる者にとって、それほど関心事でないことを選べばよい。
1○説明義務がある。物件が土砂災害警戒区域内にあることは、契約目的が宅地でも建物でも、又契約が売買でも貸借でも説明事項である。人命にかかわることだから、当然だろう。ハンド3-6-12
2×説明義務はない。建物が住宅の品質確保法の住宅性能評価を受けた新築住宅であることは買主にとっては関心事であるが、借主にとってはそれほど関心事ではない。ハンド3-6-12
3〇説明義務がある。台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況は、
建物の借主にとって重大関心事である。ハンド3-6-12
4○敷金等をめぐってはトラブルになりやすいので、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項は、借主にとって重大関心事である。ハンド3-6-12










営業保証金 保管替え等 A
【問 34】宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業の免許を受けた者は、事業を開始した日から3月以内に営業保証金を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
(2)宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに支店を設置したときは、その支店の最寄りの供託所に政令で定める額を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
(3)金銭のみをもって営業保証金を供託している宅地建物取引業者は、その本店を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、遅滞なく、供託している供託所に対し、移転後の本店の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
(4)宅地建物取引業者は、取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を金銭で供託しなければならない。

着眼点 営業保証金は、定番のプレゼント問題。確実に得点しよう。
1×営業保証金を供託した旨の届出は、事業開始前に行わなければならない。ハンド3-3-1
2×営業保証金は一ヵ所に供託しておかなければ不便だ。支店分の営業保証金も本店の最寄りの供託所に供託しなければならない。ハンド3-3-5
3〇本店移転により、その最寄り供託所が変更した場合、金銭のみをもって営業保証金を供託しているときは、供託所間で営業保証金の振替え手続きができるから、その手続をしなければならない。すなわち、遅滞なく、供託している供託所に対し、移転後の供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。ハンド3-3-8
4×供託は、一定の有価証券でもできるので、「金銭で供託しなければならない。」というのは誤り。ハンド3-3-3





業務に関する規制1(一般規制)重要事項の説明 A
【問 35】宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。
(1)自ら売主として宅地の売買をする場合において、買主が宅地建物取引業者であるため、重要事項を記載した書面を交付しなかった。
(2)建物の貸借の媒介において、水道、電気及び下水道は完備、都市ガスは未整備である旨説明したが、その整備の見通しまでは説明しなかった。
(3)宅地の売買の媒介において、当該宅地の一部が私道の敷地となっていたが、買主に対して私道の負担に関する事項を説明しなかった。
(4)建物の貸借の媒介において、建物の区分所有等に関する法律に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)がなかったので、そのことについては説明しなかった。

着眼点 ほとんど常識的に判断できよう。
1×違反。重要事項説明は、重要事項書面を交付して説明しなければならない。買主が業者であるからとって、書面交付を省いてはならない。
2×違反。水道、電気及びガス等の供給・排水施設の整備の状況は、必ず説明。整備されていない場合は、整備の見通し及びその整備についての特別の負担についても説明しなければならない。
3×違反。建物の貸借の場合を除き、私道の負担に関する事項は、かならず説明しなければならない。常識的にも宅地の売買で、宅地の一部が私道の敷地になっていることを説明しないでよいわけがないだろう。ハンド3-6-9
4○違反しない。専有部分の用途その他利用の制限に関する規約の定め(案を含む)は、売買でも貸借でも説明しなければならないが、規約(案を含む)がなければ、説明のしようがないので説明は不要である。ハンド3-6-12

セオリー 1は、買主が宅地建物業者であるため・・・と理由から結論を導いており、誤りの記述である。






宅地建物取引主任者 専任の取引主任者数不足の場合の措置等 A
【問 36】宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、取引主任者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は、既存の事務所に置かれている成年者である専任の取引主任者の数が国土交通省令に規定する数を下回ったときは、直ちに、当該事務所を閉鎖しなければならない。
(2)取引主任者は、法第35条に規定する重要事項の説明を行う際、取引の相手方から請求がない場合でも必ず宅地建物取引主任者証を提示しなければならない。
(3)宅地建物取引業者は、自ら売主として締結した建物の売買契約の相手方が宅地建物取引業者であっても、法第37条の規定に基づき交付すべき書面に取引主任者をして記名押印させなければならない。
(4)取引主任者は、法第35条に規定する重要事項を記載した書面に記名押印することが必要とされており、建物の貸借の媒介であってもこれを省略することはできない。

着眼点 この問題も、常識的に判断できる。
1×専任の取引主任者の数が法定数を下回ったら、直ちに当該事務所を閉鎖というのは、いくらなんでもでたらめすぎる。問31の肢1のように、2週間以内に新たな成年者である専任の取引主任者を設置し、設置後30日以内にその旨を免許権者に届け出ればよい。ハンド3-2-15
なお、この肢が正解肢であるから、めちゃくちゃやさしい問題であった。
2○記述のとおり。取引主任者は、重要事項の説明を行う際、取引の相手方から請求がない場合でも宅地建物取引主任者証を提示しなければならない。ハンド3-2-13
3〇記述のとおり。業者は、自ら売主として締結した建物の売買契約の相手方が業者であっても、37条書面に取引主任者をして記名押印させなければならない。ハンド3-6-16
4○記述のとおり。重要事項説明(及び37条書面の交付)は、業者がかかわる全取引につき必要である。貸借の媒介の場合に規制がかかっていないのは、媒介契約書の交付である。ハンド3-6-8・4



業務に関する規制1(一般規制)建物貸借の37条書面 A
【問 37】宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引業法第37条に規定する書面に必ず記載しなければならないとされている事項の組合せとして、正しいものはどれか。
ア 当該建物の瑕疵を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容
イ 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
ウ 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
(1)ア、イ
(2)ア、ウ
(3)イ、ウ
(4)ア、イ、ウ

着眼点 貸借の契約をするときに、そのような約定はしないであろうというものを除外すればよい。
ア×記載事項でない。貸借では、目的物の瑕疵は、もっぱら修繕の問題として扱われるから、瑕疵担保責任については定めを置くことはないであろう。
イ〇記載事項である。貸借でも、損害賠償の予定や違約金の定めを置くことはある。
ウ〇記載事項である。貸借でも、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めを置くことはあろう。以上ハンド3-6-18
⇒3が正解













業務に関する規制2(業者自ら売主規制) 業者自ら売主規制でないもの A
【問 38】宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者である買主Bと建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。
(1)AはBと売買契約を締結し、代金の額の10分の3の金額を手付として受領した。
(2)Aは、新築分譲マンションについて、建築基準法第6条第1項の建築確認を受ける前にBと売買契約を締結した。
(3)Aは自己の所有に属しない建物について、Bと売買契約を締結した。
(4)AはBと売買契約を締結する際、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした。

着眼点 業者自ら売主で買主も業者という場合に違反となるのは、業者自ら売主規制ではなく、およそ業者である以上やってはならないことを定めた一般規制に違反する場合である。
Rule3-7-18                (大場注 合格ゼミ549p)
自ら売主の8種類規制
①自己所有に属しない ②事務所等を予定して、③予定して、④手付を打ったが、
⑤瑕疵があり、⑥ぼーぜん(保全)自失で、⑦⑧カップを落とした。 
せつめい ①自己の所有に属しない物件の売却制限 ②クーリングオフ ③損害賠償額の予定等の制限 ④手付の額等の制限 ⑤瑕疵担保責任の特約制限 ⑥手付け金等の保全義務 ⑦⑧割賦販売制限
上記でないものが、一般規制である。

1○違反でない。手付は代金額2割を超えて受け取ってはならないというのは、業者自ら売主規制で、買主も業者という場合には、この規制はかからない。
2×違反。未完成物件につき工事に必要な許可等を受ける前に売却してはならないという規制は一般規制であり、買主も業者である場合もやってはならないことである。よって、未完成の新築分譲マンションについて、建築確認を受ける前にBと売買契約を締結したAは、違反である。
3〇違反でない。自己所有に属しない物件につき売却してはならないというのは、業者自ら売主規制で、買主も業者という場合には、この規制はかからない。
4○違反でない。瑕疵担保責任につき責任追及期間を物件引渡しから2年以上とする場合を除き、民法より買主に不利となる特約をしてはならないというのは、業者自ら売主規制で、買主も業者という場合には、この規制はかからない。

業務に関する規制2(業者自ら売主規制) クーリングオフ等 A
【問 39】宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)Bは、Aが設置したテント張りの案内所で買受けの申込みをし、翌日Aの事務所で契約を締結した場合には、それ以降は一切法第37条の2による当該契約の解除を行うことはできない。
(2)当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならない。
(3)当該契約に「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、Aは受領した手付を返還して、契約を解除することができる」旨の特約を定めた場合、その特約は無効である。
(4)Aは、当該建物が未完成であった場合でも、Bへの所有権移転の登記をすれば、Bから受け取った手付金等について、その金額を問わず法第41条に定める手付金等の保全措置を講じる必要はない。

着眼点 クーリングオフ(法37条による契約の解除等)等業者自ら売主規制の問題。頭をクールにして、解こう。
1×申し込み場所と契約締結場所が異なる場合には、申込み場所を基準にクーリングオフできるかどうかを決める。有効な申込みがあれば、業者が承諾しさえすれば契約が成立してしまうので、申込みが決定的に重要だからである。よって、テント張り案内所で申込みをした記述の場合は、土地に定着した建物内での申し込みではないから、クーリングオフできることになる。ハンド536p中段
2○業者自ら売主で、買主が業者以外のときには、債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定と違約金は、合計して代金額2割を超える定めをしてはならない。ハンド3-7-10
3〇業者自ら売主で買主が業者以外の場合、民法上の解約手付より買主に不利な特約をしたときは、その特約は無効⇒「・・・、Aは受領した手付を返還して、契約を解除することができる」旨の特約は、手付倍返しを要する民法上の解約手付より買主に不利な特約であり、無効である。ハンド3-7-10
4○手付金等保全措置は、買主が登記をするまでの間講じておかなければならないもので、買主が登記をした以上は、受け取った手付金等の金額を問わず講じる必要はない。ハンド3-7-13

業務に関する規制1(一般規制) 業務に関する禁じ手等 A
【問 40】宅地建物取引業者が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
(1)建物の販売に際して、利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為をしたが、実際に売買契約の成立には至らなかった。
(2)建物の販売に際して、不当に高額の報酬を要求したが、実際には国土交通大臣が定める額を超えない報酬を受け取った。
(3)建物の販売に際して、手付について貸付けをすることにより売買契約の締結の誘引を行ったが、契約の成立には至らなかった。
(4)建物の販売に際して、当該建物の売買契約の締結後、既に購入者に対する建物引渡債務の履行に着手していたため、当該売買契約の手付放棄による解除を拒んだ。

着眼点 業務に関する禁じ手は、その行為自体を禁じているのであるから、その行為を行えば、それだけで違反となる。
1×違反。利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為自体が禁止されている。ハンド3-6-29
2×違反。不当に高額の報酬を要求する行為自体が禁止されている。ハンド3-6-26
3×違反。手付について貸付けをすることにより売買契約の締結の誘引を行うこと自体が禁止されている。ハンド3-6-29
4○違反しない。業者が受領した手付には解約手付の効力が与えられるが、解約手付の効力として、売主業者が購入者に対する建物引渡債務の履行に着手したときは、買主は手付放棄による解除はできなくなるので、それを拒んでも違反ではない。ハンド3-7-11









業務に関する規制2(業者自ら売主規制) 一般規制との混合      A
【問 41】宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
(1)Aは、自ら売主として売買契約を締結したが、履行の着手前に買主から手付放棄による契約解除の申出を受けた際、違約金の支払を要求した。
(2)Aは、建物の貸借の媒介において、契約の申込時に預り金を受領していたが、契約の成立前に申込みの撤回がなされたときに、既に貸主に預り金を手渡していることから、返金を断った。
(3)Aは、自ら売主として行う造成済みの宅地の売買において、買主である宅地建物取引業者と、「Aは瑕疵を担保する責任を一切負わない」旨の特約を記載した売買契約を締結した。
(4)Aは、自ら売主として工事完了前の土地付建物の売買契約を締結するとき、契約書の記載事項のうち、当該物件の引渡時期が確定しないので、その記載を省略した。

着眼点 各種規制の混合問題。業者自ら売主規制は、業者間には適用されない。
1×違反。業者が受領した手付には解約手付の効力が与えられるが、解約手付には、手付放棄による解除の申出を受けた場合に、違約金の支払いを要求できるという効力はないので、そのようなことを要求しては違反である。ハンド3-7-11
2×違反。業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預かり金の返還を拒む行為は禁止されているところ、そのような行為をすれば違反である。ハンド529p下段
3〇業者自ら売主で買主が業者以外の場合は、瑕疵担保責任について民法と異なる特約をすることは規制されているが、業者間取引にはこの規制はないので、売主業者が担保責任を免責される特約をしても違反ではない。ハンド3-7-15
4×違反。業者が関与した取引では、契約内容の重要部分を記載した書面(37条書面)を作成し、相手方等に交付しなければならないが、物件の引渡し時期は、同書面に必ず記載しなければならない事項で、その記載を省略しては違反となる。ハンド3-6-16





業務運営体制上の規制 業務に関する帳簿 A
【問 42】次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならず、当該名簿を最終の記載をした日から5年間保存しなければならない。
(2)宅地建物取引業者は、従業者を業務に従事させる際に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければならないが、当該証明書を携帯させなかった場合でも、業務停止処分を受けることはない。
(3)宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他の事項を記載しなければならない。
(4)宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を行う案内所において宅地の売買の契約の締結を行わない場合には、その案内所に国土交通省令で定める標識を掲示しなくてもよい。

着眼点 本問も非常にやさしい。変にかんぐらないで、素直に答えよう。
1×従業者名簿の保存年限は、最終記載から10年。じゅう業者名簿というくらいだ。ハンド3-5-3
2×この法律は、業者監督法だから、業者の業務運営体制上の規制違反には厳しい。すべて罰金の罰則があるし、ほとんどの規制義務違反は業務停止処分の事由になっている。従業者名簿を形態させなかった場合も、業務停止処分の事由である。ハンド3-8-2
3〇記述のとおり。業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他の事項を記載しなければならない。ハンド3-5-1
4×案内所には、そこで契約行為をするしないにかかわらず、標識は必ず掲示しなければならない。そして、その標識には、この場所で行われた契約行為はクーリングオフの対象となることを明示しておかなければならない。ハンド3-5-7






業務に関する規制1(一般規制)報酬規制 A
【問 43】宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が、宅地建物取引業に関して報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せとして、正しいものはどれか。なお、この場合の取引の関係者は、A、B及びCのみとする。
ア Aは、BからB所有の宅地の売却について代理の依頼を受け、Cを買主として代金3,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬として、126万円を受領した。
イ Aは、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受け、Cを買主として代金1,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬30万円のほかに、Bの特別の依頼による広告に要した実費10万円を受領した。
ウ Aは、貸主B及び借主Cとの間で建物の貸借の媒介契約を締結し、その1か月後にBC間の建物の貸借契約を成立させたことの報酬として、B及びCそれぞれから建物の借賃の1月分ずつを受領した。
(1)ア、イ
(2)ア、ウ
(3)イ、ウ
(4)ア、イ、ウ

着眼点 計算がややこしい報酬計算の問題だが、あまり細かい計算をしなくても、正誤が判定できるような設定になっている。
ア B所有宅地の売却を代理した業者Aが、Bから受け取れる報酬の上限は、
(3000×3%+6)×2×1.05=96×2×1.05=192×1.05これは、受領額126万円より明らかに大きいから、違反ではない。ハンド3-6-19・20・25
イ B所有宅地の売却を媒介した業者Aが、Bから受け取れる報酬の上限は、 
(1000×3%+6)×1.05=36×1.05
これは、受領額30万円より明らかに大きいから、違反ではない。
なお、Bの特別の依頼による広告に要した実費10万円は、報酬でないから考慮する必要はない。ハンド3-6-19・25・26
ウ BC間の貸借を媒介した業者Aが、BCから受け取れる報酬の上限は、借賃の1月分×1・05
これは、受領額(BCからそれぞれ借賃の1月分・合計2月分)より明らかに小さいから違反である。ハンド3-6-22
⇒アイが違反しない。1が正解、

宅地建物取引業保証協会 還付充当金の納付 A
【問 44】宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)保証協会は、民法第34条の規定により設立された財団法人でなければならない。
(2)保証協会は、当該保証協会に加入しようとする宅地建物取引業者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から2週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
(3)保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
(4)還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅地建物取引業者は、その地位を失った日から1週間以内に弁済業務保証金分担金を納付すれば、その地位を回復する。

着眼点 保証協会も、営業保証金と同様確実に得点できる。
1×保証協会は、社団法人でなければならない。ハンド487p上段
2×弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会は、右から左へ供託すればよいだけの話だから、そう長期間を見組む必要はないので、1週間以内に供託すべきことになっている。ハンド3-4-3
3〇保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。この場合は2週間以内である。ハンド3-4-8
4×還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅地建物取引業者は、その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない。ハンド3-4-11
なお、1週間以内が出てくるのは、
①弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会が弁済業務保証金として供託すべき場合、と、
②還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅地建物取引業者が営業保証金を供託すべき場合
の2つである。

監督処分 処分権者  A
【問 45】宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)Aが、乙県の区域内の業務に関し乙県知事から受けた業務停止の処分に違反した場合でも、乙県知事は、Aの免許を取り消すことはできない。
(2)Aが、乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け、その指示に従わなかった場合でも、甲県知事は、Aに対し業務停止の処分をすることはできない。
(3)Aが、甲県の区域内の業務に関し甲県知事から指示を受け、その指示に従わなかった場合で、情状が特に重いときであっても、国土交通大臣は、Aの免許を取り消すことはできない。
(4)Aの取締役が宅地建物取引業の業務に関し、建築基準法の規定に違反したとして罰金刑に処せられた場合、甲県知事は、Aに対して必要な指示をすることができる。

着眼点 監督処分だけを正面から聞いてくるのは珍しい。簡単なはずだから、ここも確実に得点しよう。
1○免許と免許取消処分は表裏の関係にあるから、免許取消処分は免許権者しかなしえない。よって、記述は正しい。
2×免許権者はすべての業務停止処分をなしうる。現に所在する場所を管轄する都道府県知事も一定のものを除き、業務停止処分をなしうる。よって、免許権者である甲県知事が、業務停止処分をできないとする記述は誤りである。
3〇免許取消処分は免許権者しかなしえないので、免許権者でない国土交通大臣は免許を取り消せない、という記述は正しい。
4○免許権者又は現に所在する場所を管轄する都道府県知事は、業務関連性のある違法・不当行為につき、監督処分をなしうる。とすれば、業務に関し、建築基準法違反行為をしたAに対して、甲県知事は、必要な指示をすることができる。





住宅金融公庫 繰上げ償還 A
【問 46】住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)平成19年4月に独立行政法人住宅金融支援機構が設立されるが、公庫が貸し付けた住宅ローンの貸付金の回収は、引き続き公庫が行う。
(2)証券化支援事業(買取型)の住宅ローン金利は、公庫が決定しているので、どの取扱金融機関に申し込んでも金利は同一である。
(3)証券化支援事業(買取型)の住宅ローン金利は、短期変動金利である。
(4)公庫の融資を受けている者は、貸付金の弁済期日が到来する前に、貸付金の全部又は一部を繰り上げて返済することができる。

着眼点 住宅金融公庫廃止とその業務を引き継ぐ独立行政法人住宅金融支援機構の設立が本決まりとなっているため、従来のように「住宅金融公庫法によれば・・・」という聞き方ができなくなっている。
1×独立行政法人住宅金融支援機構が住宅金融公庫の権利及び義務を承継し、住宅金融公庫の既往債権の管理・回収業務を行う。 ハンド433p上段
2×証券化支援業務の融資金利は、融資時に窓口となった各金融機関が決定する。よって、金利は金融機関によって異なってくる。ハンド431p中段
3×証券化支援業務(買取型)の住宅ローンは、フラット35という商品名がつけられているが、フラットは固定金利を35は償還期間最長35年を表現している。つまり、長期固定金利である。431p中段
4○繰上げ償還は、当然できる。これによって金利の高い公庫ローンから民間金融機関ローへの借替えが行われる。ハンド2-9-2
これまでの住宅金融公庫の融資にかかる債権は借り入れ時の条件のままで新たに設置される独立行政法人に引き継がれるから、繰上げ償還できるとか繰上げ償還請求されることがあるという返済条件については、19年4月以降も、住宅金融公庫法の定めが生きていることになる。







景品表示法 不当表示 A
【問 47】宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)新築分譲マンションの名称に、公園、庭園、旧跡その他の施設の名称を使用する場合には、当該物件がこれらの施設から最短の道路距離で300m以内に所在していなければならない。
(2)市街化調整区域内に所在する土地を販売する際の新聞折込広告においては、市街化調整区域に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨を表示する必要はない。
(3)新築分譲住宅の広告において物件及びその周辺を写した写真を掲載する際に、当該物件の至近に所在する高圧電線の鉄塔を消去する加工を施した場合には、不当表示に該当する。
(4)分譲マンションを販売するに当たり、当該マンションが、何らかの事情により数年間工事が中断された経緯があったとしても、住居として未使用の状態で販売する場合は、着工時期及び中断していた期間を明示することなく、新築分譲マンションとして広告することができる。

着眼点 公正競争規約についての具体的な知識がなくとも、常識的に判断できる。
1×・・最短の道路距離ではなく、最短の直線距離である。言葉のひっかけである。公正競争規約 ハンド437p中段
2×市街化調整区域内に所在する土地を販売する際の新聞折込広告においては、宅地の造成や建物の建築ができない旨を表示する必要がある。同規約 ハンド437p下段
3〇実写写真に加工すれば、文字通りの不当表示であろう。
4×建築工事着手後、工事を相当期間中断した新築住宅・新築分譲マンションについては、建築工事着手時期及び中断期間を明示しなければならない。同規約 ハンド438p中段






土地建物に関する統計 建築着工統計等 C
【問 48】宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)平成17年度国土交通白書(平成18年4月公表)によれば、平成17年3月末現在の宅地建物取引業者数は約11万業者となっており、前年度に比べ減少した。
(2)平成17年版土地白書(平成17年6月公表)によれば、平成14年度の宅地供給量は、全国で約8,500ヘクタールとなっており、3年連続で増加した。
(3)平成18年地価公示(平成18年3月公表)によれば、平成17年の1年間の地価は、全国平均で見ると引き続き下落しているが、商業地については上昇した。
(4)建築着工統計(国土交通省)によれば、平成16年度の新設住宅着工戸数は、約119万戸で、前年度比では約1.7%増となり、2年連続の増加となった。

着眼点 18年度は、統計問題を意図的に難問化させた。正解肢となった4は、地価公示と並ぶ基礎的データである建築着工統計のデータだが、前々年度のデータを聞いている。これは、二点でオキテ破りだ。一つは、最新資料で聞いていない。もう一つは、年統計でなく、年度統計を聞いている。建築着工統計は、例年必ず聞くのだが、平成11年から17年まで、試験前年の年統計で聞いている。平成10年だけ、年度統計だった。年統計で聞くのが慣例になったのは、土地の基本データである地価公示が年統計なのでそれにあわせたのだろう。これは、受験者に年統計と年度統計の両方を覚えなければならないという意味のない負担を負わせないという意味で妥当なものである。
しかし、今回は年度統計で聞いてきた。その結果、次のような現象が生じた。16年の新設住宅着工戸数のデータ【総数118.9万戸 増加率2.5%】を増加率まで正確に覚えており、しかも出題が年度統計であることに気がつかなかった受験者は、増加率が異なるから誤りだと判断してしまったのである。
きちんと準備すればやさしいはずの統計問題をあえて難問奇問化させたのは、本問が指定講習受講者に免除される問題なので、その免除を大きな特典とするためではなかったのか。
非常に後味が悪い問題である。今後はこのような意味のない難問奇問は出題しないdeほしい。




土地の知識 木造建築物 ??
【問 49】木造の建築物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用しなければならない。
(2)構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない。
(3)2階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない。
(4)はり、けたその他の横架材の中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをする場合は、その部分を補強しなければならない。


着眼点 出題者は、出題当時は、4を正解と予定していたが、発表では、3と4を正解とした。法令内容を、よく理解しないまま作問したようだ。
1○ 建築基準法施行令49条1項に、木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用しなければならない、とある。
2○ 同41条に、構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない、とある。
3×とされた。同42条2項に、「土台は、基礎に緊結しなければならない。ただし、・・・・平家建ての建築物で延べ面積が50㎡以内のものについては、この限りでない。」とあるので、2階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない、という記述は〇であるとして出題されたようだ。しかし、受験者から、同36条では、一定の構造計算による構造方法によれば、前記42条2項(土台は、基礎に緊結しなければならない)は必ず遵守しなければならないものではない旨定めているので、3は×である旨の指摘があり、客観的にもっともなので、×とすることにしたようだ。
4×とされた。同44条に、「はり、けたその他の横架材には、その中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをしてはならない。」とあるので、4の記述は欠込みをすること自体適当でないから×とする。しかし、3と同様、同36条では、一定の構造計算による構造方法によれば、前記44条(はり、けたその他の横架材には、その中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをしてはならない)は必ず遵守しなければならないものではない旨定めている(⇒欠込みをすること自体適当でない、とはいえなくなる)ので、4は、客観的には〇ではないかと思われる。 このように、3は、施行令36条を考慮して×とし、4は同36条を無視して×とするのは、矛盾していると思われる。48番に続き、後味が悪い出題・採点であった。

土地の知識 自然堤防等 A
【問 50】次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)山地とは、傾斜が急で、表土の下に岩盤又はその風化土が現れる地盤である。
(2)丘陵・段丘とは、地表面は比較的平坦であり、よく締まった砂礫・硬粘土からなり、地下水位は比較的深い地盤である。
(3)扇状地とは、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、平坦地になった地盤である。
(4)自然堤防とは、河川からの砂や小礫の供給が少ない場所に形成され、細かい粘性土や泥炭などが推積した地盤である。

着眼点 この問題は、まともである。
1○記述のとおり。
2○記述のとおり。
3〇記述のとおり。
4×自然にできる堤防状の地形は、河川からの砂や小礫の堆積によって形成されるから、記述とは逆に、自然堤防は、河川からの砂や小礫の供給が多い場所に形成される。

 
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