展覧会の紹介
北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術工芸コース卒業制作展 | 札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3) 2002年2月11日〜16日 |
「つれづれ日録」でも書いたけど、ことしはおおむね高水準だったと思う。
あんまり全体的な傾向を書いても仕方ないから、個別にいこう。
「どうして私をとりあげてくれないの」と言う人もあるかもしれませんが、あまり客観的な批評とかではないので、気になさらないでいただきたいと思います。それより、これからのち、どう表現を持続させていくかのほうがよっぽど大事だ。もちろん、卒業後どうするかは各自の自由なんだけど。
工藤一大「山脈」
カラーストライプの平面。「絵画って何?」という問いはある。
佐藤梨花「sky+mind ♯2」
インスタレーション。
ノースリーブのドレスの形をした立体が数個、吊り下げられている。どうやらキャンバスを裏返しにして形をつくっているようだ。外側はキャンバス地のままだが、内側には絵がかかれている。絵を解体し、批判する、いわば反芸術的な行為の結果だといえる。
なお、この会場に展示されているのは一部であって、本当の展示は、札教大のキャンバスにあるという表示があった。昨年までこの種の表示はなかっただけに、たとえば出田郷さんの卒業制作などを知らなかった人はおおぜいいるにちがいない。ぜひ来年以降もつづけてほしいくふうである。宮崎優子さんのところにも同様の表示があった。
加藤拓
建築パースのような日本画、をかこうとする試み。
小林暢子「リズム」
これまでとは違った日本画をかこうとする意欲はある。
及川嘉代子「機能肥大」
わはははは。これはわかりやすい。そして労作。
床に寝そべってテレビゲームをしている人の彫刻−と思ったら、人の表面はすべて小さいアリをつなげてつくられていた。このスカスカ感が、時代や人間のスカスカ感につながっていると言ったらほめすぎ?
奥住彩子「池内イメージ広告ポスター」
美しい。万人向けのデザイン作品。
井原紀子「硬い布 柔らかい木」
すでにある程度の完成を示している作家。うつむく人の表情は、木彫ならではの自然さをたたえている。
植西光紘「瘡蓋(かさぶた)」
段ボール箱に入れられたおびただしいビニール袋の集積による作品。外観は昨年の七月展の出品作とよく似ている。ただ、どういうコンセプトなのか、よくわからない。
笠原昌子「同芯」
こちらも井原さんと同様、いわゆる具象彫刻としてかなりの完成度。裸婦の足元に、金属板をつけて自立できるようにした作品。バランス感覚が良い。
高橋亮子「空ヲトブ」
流線型。ただし筆者は昨年の七月展の「魚車」のほうが好きだな。
坂東亜里「ふりだしにもどる」
昨年の全道展入選作に比べ、空間に対する考察が深まっているような気がする。
折内大輔「ギャザリン」
滑らかなフォルムが美しい。
橋間貴美子「無心とされるところは」
個人的には、今回いちばん好きな作品。立体。鉄の柱がびっしりと両側に立ち並ぶ中にしつらえられた上り階段。別世界への入り口にいざなうような神秘感があり、いわゆるインスタレーションとも、彫刻とも、ことなる空間性をもった作品だった。