大観衆で初勝利♪
Nipponham Fighters
V.S
Orix BlueWave
2002.4.2 Tue.
パ・リーグ公式戦
Fs-BW 1回戦[東京ドーム] 観衆:40,000人
4-2
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
BW
1
0
0
1
0
0
0
0
0
2
Fs
0
0
0
1
0
1
1
1
X
4

Wシールバック1勝 S井場1S L山口1敗 HR小笠原2



-STARTING MEMBER-
Fs
 
BW
1
井 出
塩 崎
2
金 子
大 島
3
小笠原
4
オバンドー
シェルドン
5
クローマー
セギノール
6
田中幸
藤 井
7
野 口
葛 城
8
木 元
日 高
9
實 松
佐 竹
P
シールバック
具台晟

福岡ドームでの正味の開幕戦でダイエー相手に見事な連敗スタートを決めてくれたFs
「今年もか…」という言葉がファンの正直な感想だった。
それどころか、西武近鉄も連勝スタートで、昨年のAクラス・Bクラスの勢いがそのまま続いた感じになってしまった。

この東京ドーム開幕シリーズの相手・オリックス石毛新監督のもと新たな船出を飾ることができなかった。
そんな「負けチーム」同士の潰し合いだ。

大島監督は福岡の2戦目で審判の判定に猛抗議し、退場処分を喰らった。
パ・リーグは2試合の出場停止処分としたが、本拠地開幕試合の特例としてこの2日の試合のベンチ入りを認め、3・4日の試合を外れるように命じた。
やはりここは勝って謹慎に入りたいところ。…なんか変な表現(笑み)
 

平日火曜のゲームながら、さすがシーズン最初の試合だけあって客の入りは素晴らしい。
レフトスタンドは消化試合状態だったが、ライトは初回から大声が出てるし、内野もかなりの盛り上がりだ。
下柳の親友・桜庭和志の始球式で試合は始まった。

Fsの先発は来日初登板のシールバック。ローテの期待がかかる投手。
1回表はあっさり二死を獲ったが、木元のエラーでを出すと、シェルドンのセンター前でさっそく1点を奪われてしまう。
さらにコントロールに苦しみはじめてセギノール藤井を歩かせるが、
凡退はいつも三振のイメージの葛城からはしっかり三振をいただいてチェンジ。0-1
たしか、キップ・グロスばりの打たせてとる投手と言われていたが、どうもコントロールが…。

対するオリックスも外国人投手・具台晟(ク・デソン)が先発。
昨年抑え投手としてやってきたのだが、結果が出ず先発に回したら好結果を生んだ。
相変わらずのヘンな投球フォームから繰り出される沈む変化球がクセ者だ。

そうそう、福岡での試合は奈良原だった2番・ショートは、地元に帰ってきたら金子になっていた。
オープン戦最終戦を前に、高代コーチからレギュラー剥奪を言い渡されたはずの金子
木元の台頭と、一番のウリであった守りにエラー連発でヒビが入ったのが原因。
その通告をされた日が第一子の産まれた日だというのだからまた悲しい。
しかし、奈良原がお父さんが亡くなったためにドームを離れたため、この日あっさりスタメン復帰となった。
悪運が強いというかなんというか…
このレギュラー剥奪でしばらくベンチに甘んじることによって、もっとハングリー精神が生まれることを期待したんだけどなぁ。
今季初打席は具台晟に手玉にとられて空振り三振。
悔しげもなく軽快にスッタスッタと駆けてベンチに下がる姿は今までとまったく変わらない。

具台晟井出小笠原も抑えて三者凡退の好スタート。
 

2回表・相変わらずヘボヘボな制球のシールバックは、一死から9番・レフトでスタメンの佐竹にぶつけてしまう。
続く塩崎はフワフワしたセンターへの飛球。当たりは井出の頭を越えたが、塩崎佐竹を越えた(爆み)
なんと、フライになったときのタッチアップに備えてハーフウェーにいた佐竹に目もくれず、
塩崎はとっとと二塁めがけて走っていたのだ。野球は追い越し禁止である(笑み) よって反則で塩崎はアウトになった。
たしか中日時代の大島監督も、一・二塁間で宇野勝に追い越されたことがあったはずだ。(記憶ちがいかも)

大島をサードゴロに斬ってこの回は無失点。相手に助けられた。

2回裏・クローマーのレフト前、ライトでスタメン7番野口のライト線二塁打で二死二・三塁のチャンス。
しかし、今シーズンの打のキーマン・木元は変化球をひっかけてセカンドゴロ。
オープン戦観戦記に書いたとおり、タイミングさえ合えば必ず外野へ持っていける打力の持ち主。
この男が今季通年スタメンで出て活躍すれば、下位でも安定して点が獲れる打線になる。
オープン戦では得点機でのヒットの印象が多く、今後のチャンスの打席を楽しみにしたい。

3回は両軍無得点。4回表は葛城の二塁打と日高のヒットで無死一・三塁のピンチ。
迎えるは佐竹。同期の塩崎に大きく遅れをとったこの男、いつの間にか外野もこなすようになっていた。
仰木野球の遺産ともいえるユーティリティープレーヤーだが、特に突出したものがなく、器用貧乏選手の典型的な例だ。顔もよくわからない(爆み)
その佐竹を迎えてFsはゲッツーシフト。討ち取るのが容易な打者なので、傷口を拡げるよりは1点を失ってでも確実にアウトを多く獲る作戦。
佐竹はやはりそれにかかってくれた。ショートゴロで併殺。0-2となるが、二死無走者とした。
1番に帰って塩崎が二塁打、大島が四球で歩くが、オガへのファウルフライでチェンジ。
ゲッツーがあったからいいものの、すんなりイニングを締められないのがこの日のシールバックだ。

4回裏・先頭のオガ具台晟の低めの球をすくい上げてレフトスタンドへ押し込んだ! 1-2
流したのではなく、まさにバットで押し込んだような力感の一発だった。
表に4人の走者を出しながら1点に終わったオリックスだったが、それを鼻で笑うかのような直後の一発逆襲だ。
続くオバンドーシェルドンのフライ落球で出塁。クローマー凡退後ユキオが四球で一死一・二塁とする。
一気に逆転のチャンスだったが、野口木元が連続の空振り三振に倒れる。
具台晟のベロっと沈むスライダーだかなんだかのキレがすばらしい。

5回表はやっとこさシールバックが三者凡退に抑えた。しかも4・5・6番の3人だ。
今はシェルドンが4番に入っているが、早いうちにセギノールが4番に上がりそうな気がする。
とにかくセギノールは体がすごい。ペタジーニのような脚の長さがとくに引き立つ。
背の高さが上回るオバンドーが出塁して一塁で並んでも、セギノールの方が尻の位置が高い。
脚が長いと、その分腕が届く範囲も拡がるわけで、球威のない投手の球はボール球でもスタンドへ持って行かれる怖さがある。
シェルドンがダメとかではなく、セギノールの方が上の成績を残しそうな予感がするのだ。
あくまでもカンではあるが。

5回裏のFsも三者凡退。しかも實松井出が三振で前の回から4者連続空振り三振。
木元がレギュラー入りして幅の出た打線だが、一方で、3番のオガと5番以降の全員(クローマーユキオ野口木元實松)が「大振り」が基本の選手。
動物的なカンでバットを操る彼らは、ひとつ間違えると、98年の第一次ビッグバンのように全員スランプに陥ることもある。
攻撃がタンパクになりはじめるとすぐにこういう四者連続空振り三振のような現象が起こるのだ。
もちろん、爆発したときは誰も抑えられないような正に“打線”となるのは言うまでもない。
 

6回表をふたたび三者凡退でシールバックが締めた。ゴロ3つ。調子が尻上がりだ。
投手のリズムがいいと打線にもいい影響が出るわけで、その裏は先頭のオガがセンター前へ運ぶ。
続くオバンドーは鋭いレフトライナー…と思いきや、佐竹は長打警戒の後退守備でこれが手前に落ちてヒットになる。
カウントは2-3だったか、オガはヒットエンドランの形になる好走塁で一気に三塁を陥れた。
しかし、ライナーだったら明らかにゲッツーだったなぁ。
その辺しっかり結果が出るところが、オガの天性の思い切りの良さが導くものなのかもしれない。
クローマーはファーストゴロでそのままアウトで一死二・三塁。
右のユキオのところで、オリックス具台晟を引っ込めてしまった。二番手は豪速球だけがウリのセットアッパー・山口
カッチリとした決め球のある具台晟に比べれば、ストレート主体で押してくる山口Fs打線にとって歓迎だ。
基本的にノーコンの山口はさっそくユキオを二打席連続四球で歩かせ満塁とする。

迎えるは野口昨年8月、突如實松に正捕手の座を奪われて、今季は外野兼任となった。
おととしは12球団規定打席到達者最高の得点圏打率を誇り、もともと打撃センスはあるが、リードに悩むゆえその打力も発揮できなかったのが昨年だ。
10月の公式戦でレフトでスタメン出場。さらにファーム主体のコスモスリーグにも進んで参加。外野手として出場した。
ヤクルトで夢のプロ入りを果たしたものの、同期の古田という大きなカベの前に埋もれかけた経験を持つ野口には、
自分がプロで生き残るためには何でもやってやる、というハングリー精神がハッキリとうかがえる。
その野口、センターへフライを上げた。距離は犠飛には微妙。
しかし、ここでもオガの思い切りのよい走塁が出た! ヘルメットが吹っ飛ぶ豪快な回転スライディングで間一髪ながら見事生還。
ホームのアンツーカーの赤い煙が立ちこめた。これで2-2だ。
木元にも続いてタイムリーを期待したが、ノーコン山口が投げたのはデッドボール。これでは打てない。
實松には大きい期待はできず、ライトフライでチェンジ。

7回表はの内野安打1本だけ。シールバックは外野へ打球を打たせない。前半とはまったくの別人に見える。
7回裏・金子のライト前とオバンドーの四球で二死一・二塁。
迎えるはタレ目の新戦力・DTクローマーだ。奇遇にも同じく新戦力と言える木元と似た一本足でタイミングをとるフォーム。
オープン戦ではあまりいい印象を持たれていないが、終盤からチャンスに強いところを見せてきている。
木元とともに、こいつの活躍いかんでは優勝争いも夢じゃない打線になる。

ライトの応援団は昔のデイエットの曲を引っ張りだしてきてチャンステーマとして演奏している。
打席には新外国人。新しいシーズンが始まった雰囲気で盛り上がる。
投手は相変わらず山口。左を出してもいいところだと思ったが… そんな場面、クローマーはしっかり結果を出した。
逆らわずにレフト前へ流し打ちのヒット。金子が生還してついに逆転! 3-2

8回表、二番手・佐々木の登場。この観戦記に書いたが、昨年の佐々木は球が速そうに見えるが実はそうでなかった。
ところが今季は本当に速いタマを投げている。本人は本心は先発が希望のようだが、とりあえずは左のセットアッパーとしてスタート。
この大事な場面、スイッチのセギノール藤井の代打・進藤、そして葛城と三者連続三振に斬ってとった。変化球のキレもよく、素晴らしすぎる!
毎年毎年言っている天敵藤井は、石毛監督になってもやっぱり信頼を得ていない。
この場面、一発で同点だけに、進藤なんかより藤井の方がずっとコワイのに。

8回裏は試合をあきらめたようにも見える徳元の登板。
制球が定まらない。野口凡退のあと木元實松が四球を選び、井出が右中間へタイムリーツーベース。4-2とする。
金子にも四球で徳元はもうボロボロ。オガには田村オバンドーには今村をぶつけて抑えたものの、石毛の投手起用の後手後手感は否めない。

9回表・新守護神を期待される井場が登板。佐々木に続き見事三者凡退で難なく試合終了!
オープン戦でのノーコンっぷりはどこふく風であった(笑み)
佐々木-井場のリレーでの抑え勝ちは新鮮。
ノーコンの二人は期待と同じくして不安も大きいが、こればっかりは経験でかき消していくしかない。
 

記念すべき今季初ヒーローインタビューはシールバックだった。
どうせならホームラン&ハッスルハッスル走塁のオガの方がおっぱじめとしてはよかったんじゃないかと思うが…。
ま、後半の外野に飛ばされない投球内容がいつも出れば、今季はシールバックがエースになるかもしれない。

とりあえず本拠地開幕を「強さを感じさせる勝ち方」で勝った。
4万のファンの声援の後押しもあったかな。毎試合こうであればいいんだけど、世の中そう甘くない。
札幌に行くなんて言い出すくらいだからね。
甘くないといえば、島ちゃんも明日から出場停止だ。勝っといてよかったよかった。

私のナマ観戦はオープン戦から通算3試合3連勝! 観に行けば負けないぞ(笑み)
 
 

今回の観戦記は昨年同様、初公式戦観戦ということで長めに書いてみた。
もともと長めなんだけどさ(笑み)
特に、環境の変化のあった選手や新戦力の選手の話を余計につけてみた。
こういうのって、シーズン終了後とか何年か後とかに読むと
「あ〜 そうだったそうだった!」なんて思うもんだし、予想・予言めいたことも書いてるから、
「を! これはスゴイことを言ってるぞ」とか「これはまったく見当違いだ」なんてこともわかる。
書き留めておけることは残しておいて、後でまた楽しもう…という魂胆だ。

【●●●今季観戦通算 1勝 勝率1.000●●●】



2002年トップへ 観戦記メニューへ Top