変換の具体例
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この「奇妙な蛾」を作るメカニズム(複数のアフィン変換とランダム系によるフラクタル図形)は、変換を任意に決めて、
ユニークな図形を偶然発見する、という楽しみ方と、ある自己相似図形を念頭において、それを生成するような変換を
考えるというもう一つの楽しみ方があります。
下図の「奇妙な蛾」は、以下のようなデタラメに数値を決めたアフィン変換で偶然見つかったものです。
St.Moth
上のように3つの変換(2つは1次変換、1つは1次変換と平行移動の合成)をデタラメに決めた。
では、作りたい図形を決めておいて、そうなるように変換を決定するにはどうすればいいでしょうか。このことについて、
具体例で説明したいと思います。
図は、「高木関数」という、いたるところで連続だがいたるところで微分不可能な曲線です。これを、「奇妙な蛾」のメカ
ニズムで生成させるにはどのようにすればよいでしょうか。
この図をよく見ると、A,B,C,Dの4つの部分が似たような図形であることに
気付きます。つまり、B,C部分は、全体を1/4に縮小して、それを平行移動して
貼り付けたもの。また、A,Dの部分は、全体を1/4に縮小し、それを、x軸あるい
は、y軸に対してずらし変形を施したものです。
これらの4つの変換を行列によって表すと、以下の様になります。
これらの変換を準備して、任意の初期値からランダムな変換を繰り返しても、常に上図のような高木関数が得られます。
このように、得たい自己相似図形の形状から変換を決定することができるのです。
この項つづきます