主な称号ティスの領主、遠方にいるものを連れ戻した者、槍の主
主な信仰
「オヌリス」はギリシャ語名、エジプトでの名前はアンフル。戦争と狩猟の神であり、その名前は「遠く隔たりしものを連れ帰る」を意味している。頭に特徴的な羽根飾りをつけており、アフリカ中央部の首長っぽさがある。
上エジプトのアビュドス周辺にあったティニスの町のメイン守護者で、妻はライオンの姿をとる女神
メヒト。上エジプトには、かつてライオンが住んでいたことから、砂漠に住むあらゆる猛獣たちを従える者として崇められたと考えられる。
名前の由来になる神話として、ナイル上流のヌビアに逃亡した獅子メヒトをエジプトに連れ戻したという神話が伝えられている。これはのちに太陽神話に組み込まれ、太陽神ラーの元から逃亡した獅子の女神(テフネトまたはセクメト)を連れ戻したという神話に変貌する。その場合、獅子を連れ戻す役はオヌリスではなシュウやトトに変わっている。
ギリシャ人はオヌリスを軍神アレスと同一視し、戦争神としての性格を崇拝した。狩猟神としてのオヌリスの武器は槍または銛と、動物を生け捕りにするためのロープ。「獅子を連れ戻す」神話とこの装備から伺えるとおり、敵を倒すのではなく捕縛し従える神とも言える。
また、オヌリスの神殿には魚・レピトドスが捧げられることがある。狩猟神なのに魚好きか?!(笑
神話
・ヌビアに逃亡した獅子を連れ戻す。
聖域
アビュドス周辺、ティニス地区→やがてデルタ地帯まで信仰が移動。
その他、ヘルモンティス、ゲベル・シルシレ、フィレーなどにも聖域あり。
DATA
・所有色―オーカー、黄
・所有元素―土・火
・参加ユニット―夫婦<オヌリス、メヒト>
・同一化―シュウ(獅子を連れ戻す神話として)、モントゥ(戦神として)、ハロエリス(太陽神ラーの息子として)
・神聖動物―
・装備品―投げ縄、槍、狩猟用の腰布