Gottfried von Straßburg
ヴォルフラムが大嫌いで、ハルトマンを賞賛した詩人。この好き嫌いはものすごくハッキリと現れていて、ヴォルフラム相手に、著作の中で、「ワケわからんことばっかりいう、小うるさい奴だ。理解できん。」とまで言っている。
…実に分かりやすい。
この人は騎士階級ではなかった。、「マイスター」の称号からして、一般人であったらしい。(その意味では、マイスター・ジンガー、ハンス・ザックスに似ている)
学者、教師、または工房の親方などの職業が考えられるが、かなりの知識を持っていること、ハルトマン好きだったことから、僧侶だった可能性もある。何にせよ、ヴォルフラムより生活は安定していたようだ。(切なさが身にしみる?)
ゴッドフリートは、「トリスタン物語」を書いたトマの後継者と目される人物で、トマの物語を語りなおす「トリスタン」を書いている。
トリスタンは有名な円卓の騎士の一人だが、もとはアーサー王伝説とは全く別の系統に属する物語の主人公で、吟遊詩人に歌い継がれながら発展していったものと考えられている。
物語は完結せずに中断されているが、それが作者の死によるものか、作者自身の中で結末が見つからなかったためであるかは、定かではない。作品の年代は、およそ1210年ごろと考えられている。