第41章
Yhdesviidettä runo
こうして、ジジイ’s リサイタルの準備は整いました。
ワイナミョイネンは、戻って来たカンテレを手に歌いだします。
え、敵前で歌いだすなんて、なんかヘンだって?
ふふふ…忘れちゃいませんか。この爺さんの職業を。…そう。
ジジイは吟遊詩人勇者なのです。
彼が歌えば魔法になり、彼が唱えれば呪文となる。今回はカンテレの伴奏つきなので呪術範囲も広がっています。空ではヒバリが魅惑され、海では魚たちが聞きほれて、人も神も動物も、陸にいるすべての生き物たちがこの音楽を聞くためにやって来ました。
スゴイ、スゴイですジジイ。もはや単なるエロじじいではありません。
このシーンだけ知っている人からすれば、確かにワイナミョイネンは民族的英雄。何があった、ジイさんよ…。^^;
誰も弾くことの出来なかったカンテレを手に、ジジイはかくも見事に歌を歌い上げます。その音の中で海の神々は眠りに落ち、ポホヨラの人々は感動のあまり涙を流しました。ワイナミョイネン自身も、感極まって、ぼろぼろ涙を落とします。(ヲイヲイ)
ふと、海に落ちた自らの涙を見たジジイ。「誰か、わしの涙を拾い上げる者はおるか?」
しかし、誰も出来るとは言いません。そこへ青い鴨がやって来て、ワイナミョイネンの言いつけをうけ、水の中に潜っていきます。
ジジイの涙なんか一体どうするんだ? と思いますよね。
それがですよ、何と、信じられないことに、鴨が持ち帰ったワイナミョイネンの涙は、流した本人の手に戻ると、真珠になってしまうのですね!
ジジイの涙が美しい真珠に変わるとは。
えー、うっそぉ〜ん、涙が真珠に変わるんなら、ふつう若い娘でしょお? っていうツッコミは、この物語にはナッシング。なんせジジイが勇者だから。
ジジイに何か特別な思い入れでもあったのか…フィンランド人よ…(笑)。
なお、鴨の前に仕事を頼まれた鴉は、例によって、仕事せずどっか行ってしまいまいました。鴉が仕事をサボるのは、どこの神話でも同じことなのか? やっぱ、鴉だし。^^;
{この章での名文句☆}
さあ聞きにおいでなさい、以前聞いたことのない人は
永遠(とわ)の歌曲の喜びを、カンテレの響きを!
ジジイ、別人に変貌。な、何が…一体何が?!(汗)