■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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シドレクス・サガとは、それ以前にあった多くの英雄物語を、かなりムリヤリに一本につなぎ合わせたもので、本当なら交わることのない物語の世界を交わらせ、各地の英雄たちに夢の饗宴をさせた物語である。色んな種類の伝説が混ぜ込みごはん状態。
完訳は存在せず、完全収録の英語本は絶版…ということで、このページの情報は、半ば自らの記憶に頼りつつ、他、多くのサイト情報と資料本から合成して作ったものになっている。^^;
部分的に和訳の存在するものについては、「和訳;在」と示したが、これは存在するか否かではなく、管理人が発見したか否か…と、いう点である。 (在るのを知らなかったり、在ったのに忘れている場合は、存在しても、書いてない。)
ショートカット/第一部/第二部/第三部/第四部/第五部/第六部/第七部
■赤/ディートリッヒ伝説の本筋 ■オレンジ/ヴェルンド伝説 ■緑/ニーベルンゲン伝説 ■黒/その他
シドレクス・サガ 第一部
1.ザムソンとヒルデスヴィント 和訳/?
ディートリッヒの祖父ザムソンの代の話。ザムソンには、あとあと敵になる長子エルムンレク、ディートリッヒの父・ディートマル、庶子のアキがいます。エルムリッヒはローマ、ディートマルはベルン周辺を相続。
2.ディートリッヒ最初の戦い 和訳/在
ディートリッヒ成人、12歳。ヒルデブラント師匠とともに巨人(小人?)退治へGO。ここで、初期装備ヒルデグリムとナーゲルリングを手に入れます。
3・ハイメ 和訳/在
おもしろキャラ・ハイメ君登場。ブルトガング持ってベルンに殴りこみ、ディートリッヒに敗北し軍門に下る場面です。
4.オザントリックスとオーダ 和訳/?
突然話が飛びます。「ヴィルキネン王室」と、「ヘルトニット王室」という二つの王家が登場。ヴィルキネン王室は巨人族で、ヴィーラントの父・ヴェードが属しています。
オザントリックスはヘルトニット王室に属しており、ヘルトニット王が、ヴィルキネン王室を制して従えます。オザントリックスはフン族の王メリアスの娘、オーダと結婚しようとし、姦計を用いてフン族の王都を略奪し、オーダを手に入れます。
※なぜヴェルンド伝説がこんなところにミックスされているのか。
5.アッティラおよびエルカ 和訳/?
なぜかメリアスはまだ生きていた。でも急死。
そのスキをついて、アッティラが攻めてきて国を奪いますが、さきにメリアスがフン族と言ってしまっているので、ここでのアッティラはフン族ではなく、フリースラント王オジットの第2王子だそうです。
さらにアッティラは、メリアス王の孫で、オザントリックスとオーダの間に出来た娘・エルカと結婚して支配の正統性を得ようとします。そのためアッティラの家臣、ロディンゲル(「ニーベルンゲンの歌」のリュエデゲールのこと)を交渉に行かせ、エルカを連れ出させます。
アッティラとエルカ結婚。娘を奪われたパパ・オザントリックスは腹の中でかなり怒っていたようです。
※アッティラの役割が、ニーベルンゲン伝説とはかなり違いますね。
6.鍛冶屋ヴィーラント 和訳/在
ヴィーラントが鍛冶屋修行に行く話。詳しいところは和訳が存在する(確か青土社の「ゲルマン神話 下」に載ってたハズ)ので端折るとして、ヴィーラントの父はここで土砂崩れにあって死亡。「エッダ」での展開と違い、ヴィーラントはニドゥンク王のもとに仕えます、王に裏切られ、その仕返しとして王の息子たちを殺し、娘を手篭めにして子を宿させます。
こうして生まれるのが、のちにディートリッヒの仲間の一人になるヴィテゲ君です。
シドレクス・サガ 第ニ部
7.ヴィテゲ 和訳/在
鍛冶屋を継ぐのはイヤだと言い出したヴィテゲ君、ディートリッヒに挑戦しに、父にもらった名剣ミームングを手にベルンへ向かいます。
途中、ヒルデブラント、ハイメ、ホルンボゲと出会い一緒に盗賊団を倒したり。
ベルンではディートリッヒと激しい戦いになり、打ち負かすところまで行くのですが、ヒルデブラント師匠のとりなしで仲間になってくれることになります。
8.勇士と竜 和訳/在
ヴィテゲに負けた汚名を挽回するために、ディートリッヒは単身、旅に出ます。
途中、エッケと名乗る騎士(巨人?)と戦い、激しい戦いの末、勝利。新たな剣、エッケザックスを入手。さらに、エッケの弟・ファゾルドとも戦います。
ファゾルドを殺すパターンのものと、生かしておいて仲間にするパターンのものがあるようですが…?
生かしておいた場合の続き⇒ディートリッヒとファゾルドは山で、竜に食われそうになっていた男を助けることに。この男は実はヒルデブラントの甥、ジントラムでした。竜を倒して助けて、新たな仲間ゲット。
※これは…ファゾルドを生かす選択肢を選んだ場合の特典っスか…。なんかシュミレーションRPGみたい(笑)
9.ヴィテゲとハイメ その1 和訳/在
ベルンに戻ってきたディートリッヒは、エッケザックスを手に入れたので前の剣ミームングをハイメにあげる。(勝負したとき、ハイメの剣・ブルトガングを折ってしまった代わり。)しかし、ヴィテゲがイラン突っ込みを入れてしまったためにハイメが怒り出し、宮廷を飛び出していってしまいます。
ハイメ君、勢いではるか北方の盗賊団に仲間入り。(…誰か止めろ、この面白い男を…。)
10.デーン人ディートライプ 和訳/在
そんなハイメ君、ビーテロルフの息子・ツッパリのディートライプにボコボコにされたことがきっかけてベルンに戻ってきます。
ディートライプもまた、ディートリッヒに会ってみたいとベルンを目指します。
当然どこかで鉢合わせ。ディートライプは、ディートリッヒのもとに仕えて、あれやこれやのトンでもないことをしでかしますが、結局、エルムリッヒの宮廷で「ただものじゃない、コイツは」と、いうところを示して、ことなきを得ます。
11.さらに何人かの勇士 和訳/?
エルムリッヒのもとから帰ってきたところでディートリッヒの父・ディートマルが死亡。ディートリッヒがベルンの王位を継ぎます。
ホルンボゲの子アマルング、ウィルドエーベル、遍歴者ヘルブラントらは、ここで仲間入り。いきなり仲間が増えた…。
シドレクス・サガ 第三部
12.ウィルドエーベルとイーズンク 和訳/?
仲間になったばかりのウィルドエーベル大活躍。
ここでは、先ごろのアッティラとオザントリックスの不和が突然再燃。アッティラがディートリッヒに援軍を要請したことから連合軍が誕生しますが、どうやら負けたようです。ヴィテゲは相手方の捕虜に。
捕まったヴィテゲを助け出せ大作戦には、戦闘員ウィルドエーベル、スパイに楽師イーズンクが投入されます。熊に化けたウィルドエーベルの活躍によって、ヴィテゲ救出に成功。
13.ヴィテゲとハイメ その2 和訳/在
しかしさらに問題が発覚。ヴィテゲが戦場で無くした剣・ミームングは、ハイメが拾ってこそっと持ち逃げしていたのでした。(面白すぎる!) 返すのはイヤだ、拾ったもんはオレのだと言い張るハイメ君をなだめすかし、一時的に返却させることに成功したディートリッヒでしたが、返してもらったとたんヴィテゲがこの剣でリムシュタイン伯を殺してしまったので、また二人がケンカしはじめます。
で、結局、このケンカをディートリッヒがかなり頑張って仲裁して、ハイメにゴメンナサイを言わせるのです…。個性豊かな部下を持つと大変だな、王様。
14.ジークフリートの青年期 和訳/在
実はここの和訳、サイトにおいてあったりして。⇒コレ
面白いのは、ブリュンヒルトがハイメのいとこになっていること。ハイメ君ちは、馬ブリーダー。ここでジークフリートに名馬グラニを譲るブリュンヒルトも牧場の主。「スレイプニルの血を引く名馬」を扱えるのは、ここの血筋だけなんでしょうか。
15.ニーベルンク族 和訳/在
「ニーベルンゲンの歌」でおなじみの面々が登場。しかし王の名はアルドリアーン。
グンター、ゲールノート、ギーゼルヘル、クリームヒルトは正妻の子なのに、兄弟の中、ハーゲンだけが妖精族の子。(女王、浮気。)
…と、いうより、ハーゲンが兄弟に入ってること自体、異質かもしれない。
ディートリッヒは、豪華な宴を開いて、彼らを招待。グンターとハーゲンが仲間になります。
シドレクス・サガ 第四部
16.ベルタンガランド 和訳/簡訳のみ在
ここでシドレクの12人の仲間たちの名前と、彼らの容姿等についてが語られます。
ヒルデブラント、ハイメ、ホルンボゲ、ヴィテゲ、ファゾルド、ジントラム、ディートレフ、アマルング、ウィルドエーベル、ヘルブラント、ハーゲン、グンター王。
しかし、もっと優れた12人がいる、それはベルンタンガランドの王のもとにいる11人の息子たちとジークフリートだ、とヘルブラントが言い始め、ディートリッヒはこの王に挑戦しに行くことに。
なお、ここではじめて、アマルングがジークフリートの親戚だったことが判明します。
17.結婚 和訳/部分的に在
そろそろ皆様、お年頃のようです。
アマルングはイーズンクの娘と結婚。ホルンボゲ、アマルング、ジントラム、ヘルブラントはディートリッヒに忠誠を誓いながら、それぞれの国へ帰還。
ジークフリートはグンター、ハーゲンの妹、グリムヒルト(クリエムヒルト)と結婚。ハーゲンは、グンターにブリュンヒルトを娶ってはどうかと提案する。ここで悲劇が起きるわけです…。
ブリュンヒルトが初夜の床でグンターを拒否したことからジークフリートが登場し、おなじみの「男同士の秘密」が誕生します。
18.ヘルボルトとヒルダ 和訳/?
ディートリッヒはベルタンガラントの王アルトゥースの娘ヒルダを妃にと望み、ヘルボルトを使者に送るのですが、ヘルボルトは彼女に恋をしてしまい、横から掻っ攫って逃亡。(アルトゥースって…。)
仕方がないのでディートリッヒはドレカンフェルズの女王の娘と結婚。ディートライプとファゾルドは、この女王の国へ行きます。
19.ウァルターとヒルデグント 和訳/在
少し過去に遡った物語です。この「シドレクス・サガ」に登場するハーゲンは隻眼。彼が目を失うのは、この部分。
和訳は「ニーベルンゲンの歌」の部分で書きました。⇒こちら
20.イロンとイゾルデ 和訳/?
あまり関係のないエピソード。
アルトゥース王の息子たち、イロンとアポロニウスの冒険など。
シドレクス・サガ 第五部
21.ディートリッヒの逃亡 和訳/在(長いためか、部分的に抜けている)
ローマにいる、ディートリッヒの叔父・エルムリッヒが、大臣・ジフカの美貌の妻を襲ったことからジフカの復讐が始まる。
エルムンレクの3人の息子たちは、ジフカの狡猾な罠によって命を落とす。(ちなみに、息子たちのうち一人を殺すのがオザントリックス)
さらに、ディートリッヒのもう一人の叔父、アキ(ディートヘアになっている場合も)の息子たち(エガルド兄弟)も殺され、この兄弟の後見人の一人だったヴィテゲが激怒。
甥のディートリッヒにまで手を伸ばすエルムリッヒに、危機を報せるためヴィテゲは馬を駆り、その間にハイメ君はジフカを平手打ち。
ディートリッヒはここで国を負われ、アッティラの領地まで逃亡。ついていったのはヒルデブラントとウィルドエーベルのみ、だったようです。
22.アッティラの宮廷のディートリッヒ 和訳/?
もうすっかり忘れかけているころだがアッティラとオザントリックスはいろいろと怨恨があります。
オザントリックスとの再戦を決意したアッティラはディートリッヒにも助力を要請するが敗北。ディトーリッヒは重傷で死にかけ。
なんとか傷をいやし、オザントリックスの兄弟、ヴァルデマールを攻略します。
23.グランシュポルト 和訳/在
ディートリッヒの弟・ディーターは、このアッティラの宮廷で、アッティラの息子たちの乳兄弟として暮らしていました。
ディートリッヒは、エルカ王妃に国を取り戻す援助をして欲しいと願い、ヴァルデマールの件で借りのある王妃は、それを受け入れる。
助太刀に二人の息子とロデンガーも追加。王と王の関係は、貸し借り無し。
エルムリッヒ側は、ジフカ、ライナルト(ヒルデブラントの親友)、ヴィテゲ(エルムリッヒ側につくことを選んでいた)を戦線に投入。
ディーターおよびアッティラの息子たちは戦死。両軍とも大きな被害を得て、この戦いではディートリッヒは勝利するが、多くのものを失った。ディートリッヒの弟を殺してしまったヴィテゲは、戦線を離脱して行方をくらまします。
シドレクス・サガ 第六部
24.ジークフリートの死 和訳/?
突然話が飛び、グンター王の国へ。
少し粗筋が違うのですが、「ニーベルンゲンの歌」にも語られているとおり、ハーゲンの手によってジークフリートが命を落とします。
25.ヘルトニットとイーズンク 和訳/ない!(言い切り) 探したけど無い〜〜ッ
魔女オスタシアを妻とするヘルトニット王が、かつて11人の王子とジークフリートでディートリッヒの12人の勇士たちに攻撃を挑んだ、あのイーズンク王に戦をしかけるエピソード。ディートライプ、ファゾルドが魔女によって呼び出された怪物と戦い戦死。魔女も、魔法の使いすぎで力尽きて死にます。こんなところで死なないでェ…ディートライプ・・・!
26.グリムヒルトの復讐 和訳/粗筋のみ在
エルカ王妃を亡くしたあと、再婚をのぞむアッティラは、グリムヒルト(クリエムヒルト)と結婚。「ニーベルンゲンの歌」でも述べられている復讐劇の始まり。
多少異なる点があるものの、大筋は同じです。
シドレクス・サガ 第七部
27.ディートリッヒの帰還 和訳/在
ディートリッヒは、ようやくベルンへ帰還。ベルンの町はヒルデブラントの息子ハドゥブラントが居丈高に治めていましたが、父に気づかないハドゥブラントは、親父のゲンコツでようやく素直に。
エルムリッヒはすでに他界し、ジフカが王位を継いでいること、しかしジフカには求心力は無いことを知ったディートリッヒは、ジフカとの最終決戦に挑み、勝利。ローマの王となり、キリスト教徒になります。
これを見届けたあと、ヒルデブラントは死去。
28.ディートリッヒの最後の竜 和訳/?
ヘルトニット王の死後、王妃イゾルデを盗賊団が狙い始める。王妃を助けるためヘルトニットの城に向かっていたディートリッヒは、途中で竜を倒そうとするが、エッケザックスを家に置いてきたため、勝てません。
あわやというところ、都合よく剣や甲冑など見つけたりして…竜と盗賊団に勝って…王妃と再婚します。
いいのか、それで。
29.アルドリアンの報復 和訳/粗筋のみ在
話はニーベルンゲン伝説へと戻ります。
ハーゲンの遺児、アルドリアンが成長して、父と一族のかたきとばかり、アッティラ王を殺害。しかし、殺害方法は異なっており、「ニーベルンゲンの財宝のありかを知っているのは、生き残りである自分だけ」と言い、財宝のありかへアッティラを誘い出し、閉じ込めてしまうというものです。
このあと、彼はニーベルンゲンの国へ戻り、王妃ブリュンヒルトにこのことを報告するのでした。
30.ハイメの死 和訳/部分的に在
ディートリッヒの帰還後、ハイメは何故か僧院に入っていたりします。(と、いうのも、ジフカに嫌がらせをする理由がなくなったからか…。)
しかし、僧院が巨人アスピリアンの危機にさらされた時、昔とった杵柄で戦いに出、勝利。このうわさを聞いてやってきたディートリッヒに発見され、連れ戻されます。
この時点で、すでにかつての仲間のうち、生き残って側にいるのは、ハイメ君のみ。(ヴィテゲは逃亡したまんま行方不明。)
そののち、別の巨人に挑戦しに行くが、みくびりすぎたためアッサリ死亡。
ディートリッヒは弔い合戦をしかけます。
エンディング 和訳/前者のタイプのみ存在
ディートリッヒが馬に乗って行方不明になるパターンと、ヴィテゲに、弟・ディーター殺害の復讐するため探しに行き相果てるパターンの二種類があり、前者が一般的。
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