シャルルマーニュ伝説
-The Legends of Charlemagne

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つっこみルネッサンス

斜陽の季節



 アフリカとの戦いが終わったあと、シャルルマーニュは再びスペイン侵攻を開始した。
 スペイン王マルシリウスはさきの戦いで異教徒側に支援し、キリスト教世界を脅かしたからだ。

 この辺りの話は、先行する「ロランの歌」という叙事詩を読んだほうがいい。
 ロランとはオルランドゥのフランス語名で、ロランの歌は、9世紀の実在した「ロラン」の死をもとに、その後、まとめられた物語である。
 カンタンに言ってしまうと、このスペイン侵攻でオルランドゥ以下、ほとんどの騎士が”裏切り”によって命を落とす。生き残ったのは僅かにリナルドたち兄弟(嫁に行った妹除く)と、リナルドのいとこマラジジ、司教チュルパンくらいのもの。

 その後はシャルルマーニュの迷走が始まる。なんかもぉ気落ちしちゃったらしくて、ダメ息子のシャルロに言いなりになってしまい、かつての名君の面影はどこへやら(この物語の中のシャルルマーニュを名君だと思ったことは全く無いが^^;)。
 さらに、リナルドまで、傲慢なシャルロ王子の機嫌をそこねて逃亡しなればならなくなる。
 …ま、シャルロが、リナルドのものである名馬バヤールを欲しがったのが、そもそもの発端なので、リナルドが悪いというわけでもないだろう。

 いかにリナルド兄弟といえど、フランス全軍を相手に、いつまでも耐えていられるはずもなく、モンタルバンの城に追い詰められたあとは敗北を待つだけとなっていた。
 弟たちの命と引き換えに、彼は、バヤールをシャルロに差し出す。シャルロを受け入れなかったバヤールは、見せしめのため石をくくりつけて城の堀に沈められる。馬は2度まで浮き上がってリナルドのもとに戻ってくるが、3度目には力尽き、水の中に沈んでいくのであった。

 馬を失ったリナルドは、もう剣をとる気がせず、弟たちと息子と別れ、シャルルマーニュのもとを去っていく。そして、森の中で隠者として一生を終えるのであった。


 敵もいなくなったが、主要な家臣が全員いなくなっちゃったフランスはもはや斜陽の時代。
 第二世代の英雄としてユオン・ド・ボルドーが登場するが、本筋とは外れていくので、省く。 (「シリーズ第2作」って、大抵駄作だから^^;)
 ユオンは形式上、シャルルマーニュに忠誠は誓っていたが、その周りに使える卑怯者でおべっか使いの使えない家臣たちときは袂を分かつことになるので、結局は彼の王国にマトモな人材は残らなかった、ということか。


 以上、シャルルマーニュ伝説のあらすじを一通り、ツッコミいりで再現。
 なお、伝説は時を経て作られていくものであり、時代ごとにエピソードのつけたし・削除やニュアンスの変化などがあったことも大いに考えられるものであるため、ここに挙げた「だけ」がシャルルマーニュの伝説ではないことを記しておく。


[ひとまず完]


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