シャルルマーニュ伝説
-The Legends of Charlemagne

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つっこみルネッサンス

戦士たちの運命



 さてその頃、おフランスでは…
 リナルド「誰も帰ってこないし!! 今、戦争中だぞ?! 分かってんのかーッ」
 リッチャルデット「兄上…おちついて…。」
 恋路に破れたオルランドゥは発狂し、巻き込まれたゼルビノは敢え無く落命、フロリマールは捕虜になり、
 リナルド「だいたいテメェがきちんと首に縄つけとかないからだ!」
と、オルランドゥの親友、オリヴィエに八つ当たり。
 オリヴィエ「すいません…。探しに行って来ます…。」
で、出発したもんの、これまたオリヴィエも帰ってこないときたもんだ。そう、オルランドゥを見失った橋のたもとで、ロドモンにとっ捕まってしまっていたのだ。
 アストルフォはグリフィンを手に入れてどっか行っちゃったし、ブラダマンテは戻ってきたもんのロジェロのことを考えて上の空。

 言ってみるなら故障者続出で主力を欠いたプロ野球チームくらい、見てて切ない惨状なのである。
 Bクラス落ちどころか、首都が落ちそうだ。カンバ! リナルド★

 そんなこんなでイッパイイッパイの状況のため、リナルドは気が付いていなかった…。
 妹・ブラダマンテが何か悩んでいるらしいことに。そう、彼女は今、恋の悩みに胸をいためていたのだった。他でもない、ロジェロのこと。
 キリスト教徒に改宗して、結婚を申し込んでくれると言ったはいいものの、二人して教会に向かう途中、マンドリカルドに邪魔されてしまった、あの日いらい、ロジェロからの知らせは来ない。
 あの言葉にウソ偽りは無かったはずなのに。
 ああ、ロジェロ様。遠いあの人は今何所に。

 実はロジェロには、ブラダマンテに会いに来られない理由があった。
 大怪我して動けなかったのである。なんで大怪我したかって? そりゃ勿論、決闘したからである。
 オルランドゥが投げ捨てて行った名剣ドゥリンダナを手に入れたマンドリカルドと、ヘクトル直系の子孫であり、ヘクトルの盾を持つロジェロのふたり。
 さらに、この二人のもとに、ヘクトルの鎧に選ばれし勇者・セリカン王グラダッソも登場。三つ巴ふたたび。
 ロトの紋章のように3つに分けて持てるとか、そういう便利な機能はなく、あくまで装備品は一人で全部そろえなくてはならなかった。(笑)
 今度は言い争いを止めてくれる通行人も無く、3人は、アグラマン王が「えー加減にせんかい!」と怒鳴りつけるまで延々言い合いを続けたのである…。

 既に忘れられているかもしれないが、アグラマンは、たったいまフランス攻め真っ最中の、敵軍の将である。
 フランス側も主力を欠いてるが、アフリカ側だって内部分裂で身内が牽制しあっている、と。まさしく、泥沼状態の日本シリーズ ヨーロッパ・アフリカ総力戦。
 三人いるので、くじ引きでトーナメントすることになり、まず当たったのがロジェロとマンドリカルドだった。
 戦いの内容は省くが(と、いうか実際に詳細不明)、負けたのはマンドリカルドだった。マンドリカルドは死んだが、ロジェロも重傷を負った。
 かくてグラダッソは死んだマンドリカルドから剣を手に入れたが、それは実際のところロジェロの手柄だった。
 そんなわけで、ロジェロは生死の境をさまよっていた。だがそんな時、彼の側に現れて、献身的に介護していた美女がいたのだ。どこか自分によく似たその美女…忘れかけていた面影。何と、それは、生き別れになっていた、ロジェロの双子の妹・マルフィサだったのだ!

 彼女はかつて、ロジェロとともに魔法使いアトラントのもとで暮らしていたが、誘拐され、アラビア人首長の養女として育てられていた。
 アトラントはちゃんと回収しなかったらしい。何しろヘンタイ魔法使いなので、少年にしか興味がな…げふん。いや、まあ、そんなことはいいとして。
 偶然の兄との再開を喜び、親しく接するマルフィサ。だがそれは、事情を知らない人々からすれば、年頃の男女がイイ仲になっているように見えてしまったのだ。(誤解デス)

 ロジェロが来るのを心待ちにしていたブラダマンテが聞いたのは、まさしく、この噂だった。
 恋人のことは信じている、何かの間違いに違いない…だが、もしも?!
 いてもたってもいられなくなったブラダマンテは、戦場ほっぽりだして敵陣へと向かう。一軍を預かる身、しかもモンタルバンの城を管理している責任者でありながら、軍と城をほっぽのだして恋路に走る乙女心♪
 喩えるなら支店長が決算時期の支店をほっぽりだして遠距離恋愛の恋人に会いに行っちゃったよーなモンです(笑)

 リナルド「あいつもかーー!(怒)」
 リッチャルデット「兄上、落ち着いてください。血圧上がりますよ」

フランス軍、もうめちゃくちゃ。誰かこいつらを止めてやってくれ…。


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