世界女族物語 伊 1962年 95分 |
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『世界残酷物語』の空前のヒットを受けて急遽製作された姉妹編。前作の没フィルムを再編集した廃物利用品だが、なかなか楽しめる作品に仕上がっている。 まず、眼を引くのがタヒチの映像。 ヤコペッティの偏った視線は、当然に日本にも飛び火する。 |
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「しかし、この性教育が裏目に出ました。日本に駐留する2万人もの米兵との間に、何万人もの子供たちが産み落とされたのです。子供たちは洋服を着て英語を話します。日本の古い風習は失われましたが、子供に聖なる湧き水を飲ませる風習だけはまだ残っているようです。それはサムライが出陣の前に身を浄めるために口にした水です」 |
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以上から判る通り、ヤコペッティの手法は、一部の特殊な事例を取り上げて、それをあたかもその国の平均的な風習として紹介してしまうのである。その一刀両断の切り口が鮮やかだったからこそ、彼のフィルムは大当たりしたのだが、反面で、「映画史の恥部」として知識人から無視され続けている由縁でもある。 |
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