第25話 進化!ビンラディンの竿
「おい、山田!」
むしゃぶろうはビンラディンに言った。
「山田じゃねえ」
ビンラディンはむしゃぶろうに言った。
「俺はお前のことを一時も忘れることはなかったぜ。あの屈辱、あの激痛。お前は俺の顔面を容赦なく打ちつけやがった。しかも、チンポコで。俺の上の前歯はその衝撃で2本とも折れた。生暖かい血が口の中にあふれ出てきた時の苦しさったらなかったぜ。今こそリベンジの時だ。さあ、かかって来い」
「相変わらず生意気なことを言う小童じゃ。今度こそその減らず口を二度と叩けないように、お前の口を粉々にしてくれようぞ」
ビンラディンは前をはだけてチンポコを出した。そして両の手で素早く、激しく擦りあわせると、そのチンポコは見る見るうちに巨大化し、まるで野球のバットのようになった。
「早い」
むしゃぶろうは息を呑んだ。
以前会った時、ビンラディンのチンポは既に勃起していた。よって、平状時から勃起するまでの過程を見たのは今日が始めてだった。むしゃぶろうはその早さに驚いた。ものの2、3秒擦っただけで、ビンラディンの股間は、平常の状態から一気に最大の状態に変化したのだ。「勃起するまでの間に隙あり」と見ていたむしゃぶろうの当ては外れた。
「どうしたむしゃよ。目を丸くして。ハトが豆鉄砲くらったような顔とはまさにこのことだな」
さらにビンラディンは続けた。
「しかしなぁ、驚くのはまだ早いぞ。わしのチンポコはさらに進化し、さらに強力になっているのだ。見るが良い!。むしゃぶろう」
ビンラディンは再び股間から伸びている竿を両手で持つと、それを上下に激しくしごいた。すると、そのバット状になっていきり立っていたものは、さらにずんずんと巨大化し、終には屋久島の神代杉とまではいかないものの、巨木と見まがうばかりの大きさにまでになっていった。
「どうじゃあ〜」
「おお〜」
「どうじゃあ〜」
むしゃぶろうは大きく一つ息を吐いた。そして言った。
「山田よ」
「山田じゃねえ」
「おぬしも成長したか知れんが、俺もあの時のむしゃぶろうとは違うぞ。そんなものでは驚かん」
「強がりを言うな」
「強がりじゃねえ」
でも本当は強がりだった。
ビンラディンのその長さはざっと見たところ50メートルは下るまい。
いかに足の速いむしゃぶろうでも、一秒や二秒ではその攻撃可能範囲から外に逃げることは不可能である。太さも太い。直径2メートルはある。振ってきたところをジャンプして避けることも無理である。よって、ビンラディンが一度その棒を振ってきたならば、むしゃぶろうは顔面どころか全身を強打し、一たまりのなくやられるであろう。そしてそこに待っているものは、死。
「さあ、そろそろ行くぞ。覚悟せえよ」
ビンラディンがチンポコを振りかぶった。
ブーンと音が鳴った。風を切る音だ。巨木がむしゃぶろう目掛けてやってきた。
さあ、どうする、むしゃぶろう。
つづく
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