第15話 ツープラトン
「ええ、うそ〜、いやだ〜」。
と言いながらまんざらでもない土手ちゃんであった。
むしゃぶろうが上半身、又しゃぶ郎が下半身を責めた。上下同時に責められた土手ちゃんはよがった。いつもより多くよがった。目が回るほどよがった。そして言った。
「いつもより多く回っています。目が回っています」。
「おい、しゃぶちゃん。目が回っているってさ」。
「へへへ、面白くなってきたぜ。よ〜し、今度はここだあ」。
「ああ、いっちゃ〜う」。
又しゃぶ郎とむしゃぶろう。二人はいつしかお互いを「又やん」「しゃぶちゃん」と呼ぶようになっていた。一人の女を二人で同時に責める事によってお互いの気心が知れたのだ。
それと、お互いのテクニックが相乗効果を生み、女が今までに無いような激しい感じ方を するのも面白かった。これまでいわゆる一匹狼であった彼らにとって、この時のこの経験は人生において初めての他人との共同作業であり、コラボレーションであった。二人はジャズミュージシャンがセッションを楽しむかのように3Pを楽しんだ。
「いっちゃってください、いっちゃってください。遠慮しないで心置きなく」。
「そうそう、もっと大胆になって〜。ほれ、どうだここは」。
「助けてえ〜。ドゥビィドゥバア〜」。
「こうやって、軽くつまんだり、強くつまんだり」。
「パパパヤ〜ン」。
「引っ張ったり、ねじったり」。
又しゃぶ郎とむしゃぶろうは、まるでベテランレスラーのタッグチーム(G・小鹿と大熊元司、新日で言うならかつてのヤマハブラザーズ)のように息の合った攻撃を見せはじめた。土手ちゃんは溜まらず声をはり上げた。。
「も、もう、大変なんすから〜。体だけは大事にしてくださ〜い」。
「なんだ?こいつ林家三平か」
土手ちゃんは本気で感じてしまった時、喘ぎ声がギャグ、特に昭和の古いギャグになるのだった。
「ガチョーン。ガチョーン」。
「よ〜し、もっと激しく行くぞ〜。又やんスピードアップだ!」。
「よっしゃー」。
「ああ、アジャパ〜、アジャパ〜」。
「舌を使え」。
「OK」。
「さいざんす〜、さいざんす〜」。
「吸い上げるぞ。いいか。せえのお〜。チュ〜ッ!」。
「びっくりしたなあ〜もう〜」。
「チュ〜ッ!」。
「なんでそうなるのかなー!」。
土手ちゃんは飛び上がって天井に頭をぶつけて、激しく床に落ちた。
「大丈夫?土手ちゃん」。
「ホーホケキョ〜、ツクツクボーシ。ええ仕事しまっせー」。
「大丈夫そうだね。まだ感じてる」。
「コマネチ!、コマネチ!」。
「でもそろそろ俺たちが疲れてきた。ここらでフィニッシュとしよう」。
「よし、入れよう。どっちが先に入れる?」。
「よし、ジャンケンだ。ジャンケンポイ」。
「やったあ」。
又しゃぶ郎が勝ったので、又しゃぶ郎が先に入れた。
「ああ〜ん」。
「又やん入れてるかい」。
「ああ、入れてるよ。ズコズコ入れてるよ」。
「はああ、はあ」。
「土手ちゃんギャグ言わなくなっちゃったぜ」。
「なんだよ。何が言いてえんだよ。感じてねえとでも言いてえのか。そんな筈ねえだろ、俺がこんなに腰使ってんだから」。
「でも反応いま一だぜ。もっと激しくやったほうがいいじゃないのか」。
「激しくって、こうか?」。
「違うよ。もっと下から突き上げるような感じで、こう」。
「こうか?こんな感じで、こうやっ、あっ.....」。
「「あっ」てなに?」。
「..........」。
「「あっ」てなに?。えっ?」
「..........」
「いっちゃったの?」。
つづく
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