昨日はぐれた狼が
今日はマットで血を流し
明日を目指して立ち上がる
(立て 立て立て 立つんだジョー)
子守り歌はリングにゃないぜ
立たなきゃ昨日に逆戻り
この歌は「あしたのジョー」のエンディングのテーマであります。最近筆者は「あしたの ジョー」にはまっておりまして、毎晩のようにビデオでテレビシリーズの第一話から観直しています。ジョーと言えば、オープニングのテーマは有名ですよね(サンドバッグに浮 かんで消える…、というやつね)。で、それを歌っているのが尾藤イサオである事も皆さんご存知のことと思います。又その作詞者が寺山修司である事も、ちょっと詳しい人なら知っている事でしょう。しかしながらこのエンディングのテーマを歌っているのが小池朝雄(刑事コロンボの声をやってるオッサン)であった事をご存知でした?。実は私、ビデオを観直して初めて知ったのです。それまで曲の中ほどにある「立て、立つんだジョー」と言う台詞が丹下段平のそれであるため藤岡重慶が歌っているものと思い込んでいました。あの、もの凄げ〜下手っかすだけど、最高に味のある歌声は、よくよく聞けば、なるほど丹下段平の声じゃない。刑事コロンボだったのです。でも、なんで小池朝雄に歌わせたんだろう?。
第6話 ビンラディンの正体は?
「ウサマ・ビンラディンだ」。
「なんだと?」。
「はっはっは。びびっとる、びびっとる。オッパイ小僧のむしゃぶろうがびびっておるわ」。
確かにむしゃぶろうの肩は震えていた。
「はっはっは。この地獄のテロリストのビンラディンを目の当たりにして恐れおののいておるわ」。
「........」。
「わっはっはっは、怖くて声も出せぬか」。
「ふっ」。
「わっはっはっはっは」。
「ふっふっ、くっく」。
「むわっはっはっはっははっは」。
「くっくっく、あっはっはっはっはっはっは」。
「な、なにが可笑しい?」。
「当たり前だ。何が怖くて声も出せないだ。こちとら呆れて声が出なかったんだよ。この偽者やろうめ」。
「偽者だと。なにを根拠に.....」。
「おまえさん、自分の頭に手を当ててみな。付け髭つけて、顔を黒く塗って、うまく変装しているつもりだろうが、頭が、髪型が、ちょん髷なんだよ!」。
「し、しまった。ターバンし忘れた」。
「わっはっはっは、これを笑わずにいられるかいってんだ。あっはっはっは」。
ウサマ・ビンラディンの顔の上にちょん髷が乗っている。想像してみてもらいたい。むしゃぶろうならずとも笑わずにはいられないだろう。私(筆者)は、地下鉄に乗っている時車内の中刷りにあったビンラディンの顔を見ながら、なぜかそれを想像してしまった。銀座から我が家へ帰る十数分間、私はずーっと顔を手で覆いながら肩を震わせていた。
「くそう、むしゃぶろうめ。わずかなミスを見逃さず偽者と見破るとは、恐るべし」。
「ターバンし忘れるのがわずかなミスかよ。おい、てめえ何者だ。何のためにそんな格好して俺の前に現れたんだ。訳を言え」。
「訳は後だ。とにかく一緒に来てもらおう」。
すると、草陰から5、6人の男が立ちあがり姿を現した。
「何でえ。お友達も一緒かい」。
「へっへっ、大人しく来な」。
「冗談じゃねえぜ、訳を言えよ」。
「訳は後だと言ってるだろう。野郎ども、遠慮はいらねえ。やっちまいな」。
「おう!」。
5、6人の男どもが一斉にむしゃぶろうに飛び掛かった。しかし、むしゃぶろうは素早く体を翻し、男どもの股座をかいくぐる。そして、奴等の金玉を握り潰していった。
「うぎゃ〜」。
「うわおあお〜!」。
「うじわおわあ、ぎゃ〜」
5、6人の男どもは、あっという間にもんどりうって倒れ込んだ。
「さすがはむしゃぶろう。だてに10年間、嫌がる女の乳を揉んできたわけではないようだ。その手の速さ、正確性、握力。何をとっても俺が見込んだ通りの男。しかしなあ、俺は奴等とは一味も二味も違うぜ。来いっ!」。
「おっと、偽ビンラディンさん。おまえさん自ら来るかい。いい度胸だぜ」
偽ビンラディンは上着を脱いだ。そして下着も脱いだ。ふんどしもとった。素っ裸になっ た。むしゃぶろうはその股間を見て、初めてこの日少しびびった。
「この野郎、勃起してやがる」。
つづく
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