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時の話題
2004-12
2006-08-02
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◇印は《日々雑感新掲示板》より転載
人の死と僕の責任(04/12/30) ◇スマトラ沖地震に思う(04/12/27〜05/1/5) ◇軍産複合国家化を防ごう(04/12/16〜21) ◇拉致被害者の遺骨と自衛隊派兵延長(04/12/9〜30)

【人の死と僕の責任】vol.244《日々雑感より》
◆まるで「射撃訓練」のように、民間人のこどもたちが米兵によって撃ち殺され、遺体の収容すら死の覚悟が必要だというファルージャ。薬品不足どころか医師や看護師がまず殺害されていては、銃撃での負傷は死を招く。奈良の小学生誘拐殺害事件では容疑者(まだ「犯人」ではない)が捕まったが、殺されたものの名前も知れず、殺したものの名前も明かされず、そして逮捕もされず「英雄」視されることすらあるのが戦争である。この日本もかつての戦争犯罪をごまかし続け、南京大虐殺を描いたまともなマンガさえ弾圧され、李秀英さんは名誉毀損訴訟の最高裁判決を待たずに亡くなった。スマトラ沖地震の犠牲者はさらに増えそうだ。人の命を奪うものの罪を問うなら、軍隊の本質を問い、旧日本軍の責任を問い、自衛隊のイラク派兵を納税者として支えてしまっている自分自身を恥じるべきだ。自身の在り方を省みることなしに、テレビの向こうに怒りを感じるだけではいけないのではないか。(578、04/12/30)[→12月目次]

【スマトラ沖地震に思う】vol.243《日々雑感より》
◆スマトラ沖の大地震にともなう大津波で、1万人を超す人々が犠牲となった。人災天災に明け暮れた2004年の最後に、さらに悪夢が待っていた。奪われた命は戻らないが、残された人々の生活は建て直さなければならない。アチャラ=グナセケラは大丈夫だろうか?ソンタヤ=パンニョナンは大丈夫だろうか?生活再建と地域の復興には時間がかかるだろうが、それこそ人間の連帯によって未来を築く優先課題だ。人為的戦乱など即停止すべきだが、今回の地震がもし異常気象と関連があるのなら、財界や学者の責務も明らかにしていかねばなるまい。夢と希望の2005年にしたいものだ。(575、04/12/27)
◆スマトラ沖地震にともなう津波による犠牲者は2万人を超え、7万人に達するという予測もされている。地震のエネルギーは阪神淡路大地震の1600倍ともいわれているようで、被害の全貌が明らかになることさえどれたけの時間を要するのか分からないのだから、どのような救援や復興支援が必要なのかも未確定だ。火事場泥棒ならぬ悪どい復興ビジネスが展開されることがないように様々な次元で監視をしていくことも考えねばなるまい。「環インド洋アジア受難の年」になってしまった2004年だが、今後はアジアの多様性と主権を尊重した真の復興と連帯のための社会科の授業を企図していかたいと思う。(576、04/12/28)
◆高校時代の友人が、新潟の被災地へのキャラバン隊に参加し、新潟から招いた子どもと担任する小3クラスの子どもたちとの交流を実現させ、「顔の見えるつながり」を実践している。その精神・教育理念を僕も少しでも見習いたいと思っている。(576、04/12/28)
◆スマトラ沖地震による犠牲者は15万人を超え、生活を脅かされる人々も数百万人になるという。今日はF1のシューマッハの10億5000万円もの寄付にも驚いたが、同僚の一言に唸ってしまった。彼は東南アジアに詳しく、この冬もどこかで被災しているんではないかと心配していたのだが、今日元気な顔を見て、津波被害について話しかけたら、アジアでは大規模な自然災害はちょくちょく起こっているけど、今回は「欧米の白人がリゾート地でたくさん犠牲になっているからこれほど騒いでいるんじゃないのか」と返されたのだ。まさにその通り。地震の規模と犠牲者の数は確かに大きいけど、中国や北朝鮮やバングラデシュの水害で規模に応じた報道がなされているか?トルコやイランやアルゼンチンの地震で規模に応じた報道がなされているか?ここ数年の主な自然災害を地理の資料集でたどりながら、自然災害の報道においても命の重さに格差があることを思い知らされた。3学期の現代社会のテーマは「メディアの真相と平和主義の実態」と考えていたのだが、さっそく格好の「考える生きた教材」のヒントを得たように思う。(580、05/1/5)[→12月目次]


【軍産複合国家化を防ごう】vol.242《新掲示板レスより》
◆武器輸出三原則をも崩して、米帝による世界の植民化に組するため、9条改憲や教基法改悪までもが露骨に目論まれている今、大きく異議の声をあげることはとても大切です。「ゆとり教育」という名の「もの言わぬ従順な労働者養成」に、徴兵制が復活すれば、もう暗黒の世になってしまいますからね。(eatyhiroさんへの掲示板レス、04/12/16) ※参考 vol.228◇塾と学校
◆自衛隊のイラク派兵という暴挙から、沖縄国際大学米軍大型ヘリ墜落事件への日本政府の呆れた対応、辺野古沖の米軍基地建設準備強行へと、軍事色がますます強まる2004年は、強制連行や首相の靖国参拝などをめぐる司法判断にも、軍産複合国家化の危機が強まった年でした。拉致問題が軍備拡張の格好の理由付けに利用され、今や9条改憲や教基法改悪などが公然と語られる有様です。それにも増して残念なのが、「自己責任」だの「復興支援」だのといった、事の本質を歪める情報操作概念が世論を揺り動かし、ファルージャやアブグレイブに限らず国内においても、他者の痛みを弄ぶかのような事件や政治家の発言が続いたことです。2005年は、国民保護とは名ばかりの国家総動員の動きが強まることが予想され、人権を軽んじる動きに抗う主権者としての視点と市民の連帯意識を根付かせることが、より重要となるかもしれません。(年賀状に記した文章より、04/12/20筆・21若干加筆)[→12月目次]


【拉致被害者の遺骨と自衛隊派兵延長】vol.241《日々雑感より》
◆北朝鮮拉致被害者の遺骨がDNA鑑定の結果偽物であることが判明した。被害者が生存している可能性があるということだが、その命を弄び、その家族の神経を逆撫でる北朝鮮政府の悪業であろう。しかし「嘘つきの度合いとずる賢さ」においては、アメリカ政府には遠く及ばない。イラク戦争に始まったことではないが、自国民や他国民の命を弄び、被害者の神経を逆撫でるどころか、世界市民の公正と信義さえ踏みにじり、それを当然だとばかりに振る舞っているのがアメリカ政府であるからだ。まさに帝国主義であり、悪質な詭弁に基づくイラクへのアメリカ植民地軍に、さらに1年もの協力を自衛隊にさせようというのが悲しきかな日本政府の決定である。イラクで無辜の命を奪い続けるアメリカ軍に対し、「人道復興支援」だなどとごまかして莫大な血税を注ぎ込む日本政府が、北朝鮮人民への人道支援を安易に凍結するのは矛盾も甚だしいといわざるをえない。(571、04/12/9)
◆「週刊金曜日」(04/12/24号)の「論争」欄は、「遺骨のDNA鑑定結果をめぐる歪んだ解釈」として、科学警察研究所ではDNAは検出できなかったこと・帝京大学が別人物のDNAを検出したと・消却された遺骨からのDNA検出は困難であり遺骨に触れた人々のDNAが検出されるケースが多いこと、などが指摘されている。そして、二つの研究機関に分析を依頼し異なった結果が出たにもかかわらず、一方の結果だけを採用し、経済制裁までを言うのは、事実を都合よく解釈する北朝鮮と同様であると主張している。マスコミも家族会も「遺骨はニセモノ」という前提を疑うことなく論を進めているが、こうした科学的で慎重な解釈こそが、必要ではないのか。僕自身、一方的な報道を鵜呑みにしていたことを反省しなければならない。(04/12/30筆)[→12月目次]

 ※関連資料(06/8/2)・・・・米本昌平「しんゆり通信」第2号

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