巻頭言2007
LAST UPDATE 2007-10-01
過去 2007-9-30
◆高3生自死事件の決定的背景に、悪質ななりすまし個人攻撃サイトがあったことが明るみになりました。金銭要求の再三のメールを送りつけていた「友人たち」が、被害者を管理人とするなりすましサイトを開設し、下半身の裸体をケータイで撮影して掲載するなど、極めて悪質な内容だったようです。一種の「学校裏サイト」です。もともとは彼等が所属するクラブの親睦サイトがあり、掲示板への中傷書き込みがひどいと今春閉鎖したものが、形を変えて復活したようです。人格を踏みにじる極めて悪質なサイトも、悪意を持つものの操作一つで簡単に開設でき、悪質な文章や画像がすぐさまネット公開されてしまいます。すでにある電子掲示板への投稿も見られます。日常的に顔を合わせるもの同士で悪意に満ちたネット上の情報を共有してしまうことも多く、ひとたび悪意のメールやネット情報が級友を飛び交うと、絶望的疎外感と恐怖にさいなまれ、学校へも行けなくなり、生きる気力さえ奪われてしまいかねません(最近では新入社員いじめもあるようです)。自我の未成熟な多感な時期は、過剰で不安定な自意識から人間関係に不安や緊張をいだきやすいものですが、ネットの拡幅効果は、「第二の誕生」(ルソー)ではなく「人格の破壊」をもたらしかねません。緊急連絡ができるケータイは、安全対策にもなりますが、深刻な危険ももたらします。「表現の自由」や「アクセス権」を権力的に制限することは許されませんが、「子どもたちの成長への責任放棄」をカモフラージュしない親子の約束が大切です。(日々雑感1118)
2007-1-5
◆2006 年は高校3年生の担任として、学校行事への取組や進路指導を中心に慌ただしく過ぎ去った感がある。3月までの高2担任期を含め、随分と家庭訪問もした。クラブ指導は6月で終了し、出張は比較的少ない年だったが、特別支援教育コーディネーター養成講座を修了、デジタルアーキビスト養成講座も受講した。3月に橿原人権ネットシンポジウムでパネラーをしたり、8月に奈良県高等学校人権教育研究大会で実践報告をしたり、同じく8月に川崎で行われた全国在日外国人教育研究集会で分科会司会をしたりと、いくらかの集会等にも参加した。一方、2月初め以来1日も欠かさず勤務校サイトを更新し続けた。読書にもいそしみ、様々な分野で多くの刺激を受けたが、新聞のスキャニングはなかなか進まず古新聞が一段と増えてしまった。子どもたちは何度も病院にお世話になったが、順調に成長してくれている。個人サイト「kurochanほっトコーヒーClub」はおかげさまで30万アクセスにまで達したが、新たな工夫はほとんどできず、クイズ出題や掲示板レスも滞りがちだった。ポイントラリー記念品も発送できずにいる。奈良県外国人教育研究会サイトの更新も見せかけ上はまめにしていたが、内容的には付け加えられなかった。Flashもマスターしたかっし、ピアノもしっかりと練習再開したかったが、時間的に無理だった。◆2007
年は、勤務校の閉校と転勤、長男の小学校入学がある。転勤先であらたな課題がまっているだろうが、教材開発や専門的読書に加えてテーマを絞った研究もとことんしてみたい。「人権と情報」を軸にした論考も深めたい。人生後半の見通しもふまえて物事に取り組みたい。まずは、3学期の授業準備とクラスや勤務校のエンディング計画、3月の旅行計画、書斎の整理に取り組もう。みなさんもよいお年を。(日々雑感902に加筆)