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<年金を知る> 1. 年金制度
☆「余生」?それとも「第二の人生」?
何十年にも及ぶ仕事人生を終えたあとに来る時間。かつては余生などと
言われていましたね。でも、よく考えてみてください。今や人生80年。
リタイア後の生活は20年〜30年の長きに及びます。寝ている時間を除くと、
ほぼ現役時代の労働時間に相当する、第二の人生=セカンドライフが
待っています。
【日本人の平均寿命】
年 齢 |
男 性 |
女 性 |
定 年 |
昭和22年 |
50.06歳 |
53.96歳 |
55歳 |
平成20年 |
79.29歳 |
86.05歳 |
60歳 |
老後生活の長期化によってもっとも心配なことは何でしょうか。健康?
生きがい? もちろんそれも大切ですが、忘れてならないのは生活資金、
つまりお金の問題です。
☆あなたが受け取るのはどの年金?
年金と言うとまず思い浮かべるのは公的年金。公的年金には3つの種類が
あり、その人の働き方によって加入する年金が違います。
年金を掛けている人のことを被保険者といい、第1号から第3号まで
3種類に分類されます。
第1号は、自営業者や学生などで国民年金に加入します。第2号は会社員や
公務員ですが、民間企業に勤務する人は厚生年金、公務員は共済年金に
加入します。最後に第3号ですが、これは第2号被保険者の妻つまり専業
主婦のことで、加入しているのは国民年金です。
途中で脱サラして自営業になったり、公務員を辞めて民間企業に就職
したり、結婚して専業主婦になったりすると加入する年金は変わりますが、
加入歴は記録され、将来加入実績に応じてそれぞれの年金を受け取れます。
国民年金、厚生年金の被保険者には、平成21年度から「ねんきん定期便」が
誕生月に送付されていますので、記録漏れがないかしっかり確認して
おきましょう。
☆年金制度の今後とライフプラン
現在の日本の年金制度は、世代間の助け合いを前提とする世代間相互
扶養方式です。つまり、年金保険料は将来自分が使うために貯めているの
ではなく、今現に年金を受給している人たちのために現役世代が分担して
仕送りしているという考え方です。
しかし今この方式が危機に瀕しています。キーワードは「少子高齢化」。
かつて一人の高齢者は10人以上の現役世代に支えられていましたが、
今や3人を割り込んでいます。世代間扶養の根幹が揺らぐ中、残念ながら
公的年金だけで老後生活資金を賄うことが難しくなっているのが現実です。
でも悲観してばかりいられません。生活資金の中に隠れているムダを
減らし、さらに一工夫して手持ちのお金を効率的に運用すれば、不足分を
かなり補うことも可能です。次回からは、老後生活資金はいくら必要なのか、
どう備えたらよいのか、などに加え、医療や介護、老後の資金管理について
など、セカンドライフと生活設計についてファイナンシャルプランナーの視点
から書いていきたいと思います。
2.年金制度Aへ
○執筆
静岡ライフプラン設計相談室 代表 山川正人
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