Therapsida テラプシダ/獣弓類(じゅうきゅうるい) 哺乳類+哺乳類型爬虫類
テラプシダ/獣弓類とは:
テラプシダとは、簡単にいうとスフェナコドン科よりも哺乳類に近いシナプシダのことです
[All synapsida phylogenetically more derived than sphenacodontids form the clade Therapsida(laurin & Reisz 1996 ) 参考:Rubidge & Sidor 2001, Annu. Rev. Ecol.Syst. 2001.32;449~80)。
テラプシダはペルム紀の中ごろ、ディメトロドンなどがいた時代にすでにいました。哺乳類や初期のキノドンティアを抜かすと、テラプシダが繁栄したのはおもにペルム紀の間です。ペルム紀末期の大絶滅でほとんどの系統が全滅。生き延びたのはキノドンティア(犬歯類のこと)と、ディキノドン類という植物食に適応した系統だけでした。
一部他にも例外的にペルム紀末期の大絶滅を生き延びた系統があったようですが、まもなく絶滅してしまいます。
テラプシダの系統:
根__________Tetraceratops:テトラケラトプス
|________Biarmosuchia:ビアルモスキア
|_______Dinocephalia:ディノケファリア
|______Patranomodon:パトラノモドン
| |___Dicynodontia:ディキノドンティア
|______Gorgonopsia:ゴルゴノプシア
|_____Therocephalia:テロケファリア
(キノグナトス、ディアデモドン、トリチロドン、哺乳類など)
「動物系統分類学」とRubidge&Sider 2001 Evolutionary Patterns Among Permo-Triassic Therapsids Annu.Rev.Ecol.Syst. 2001. 32:449-80を参考。
テロプシダの原始的、というか祖先的な種類の外見はディメトロドンとたいして変わりません。ビアルモスキアやディノケファリアに含まれる動物たちはまさにそういう種類です。ゴルゴノプシダやテロケファリアはもう少し派生的な特徴を持っていました。これら比較的祖先的な特徴を残したテラプシダが栄えたのはペルム紀中頃から末期の間です。彼らのほとんどすべてがペルム紀の大絶滅で滅びさり、生き残りも三畳紀のなかごろまでに滅びました。テラプシダで最後まで生き残ったのはキノドンティアだけです。
獣弓類は基本的には肉食動物ですがペルム紀前期に滅亡したカセアやエダフォサウルスにとって代わるように、植物食のディノケファリアやディキノドンティアが進化しました。
獣弓類の範囲について:
テラプシダ/獣弓類という名前は古典的には意味が違っていました。古典的に獣弓類とは、以下で示すようにシナプシダのツリー・オブ・ライフのうち、”盤竜類ではなく、かつまた哺乳類でもない部分”のことを指し示す言葉でした。
_____________スフェナコドン科の盤竜類
|=========ビアルモスクスなど
|________ディノケファリア
|=======ディキノドンなど
|======ゴルゴノプスなど ←古典的なテラプシダはこの緑の範囲のことをいっていた
|_____Procynoschus:プロキノスクス
|====キノグナトス、ディアデモドン、トリティロドンなど
|===プロバイオグナトス、トリテレドン科など
|__Mammalia :哺乳類
でも現在では獣弓類はツリー・オブ・ライフの形に正確に合わせるために
_____________スフェナコドン科の盤竜類
|=========ビアルモスクスなど
|________ディノケファリア
|=======ディキノドンなど
|======ゴルゴノプスなど ←現在のテラプシダの範囲はこうなる
|_____Procynoschus:プロキノスクス
|====キノグナトス、ディアデモドン、トリティロドンなど
|===プロバイオグナトス、トリテレドン科など
|__Mammalia :哺乳類
哺乳類まで含むよう、以上のように拡張されています。このコンテンツではこの意味で獣弓類(テラプシダ)を使います。