Squamata:スクアマータ 有鱗類/ゆうりんるい ニホントカゲ Eumeces latiscutatus 身近なスクアマータ
スクアマータ/有鱗類とは:
スクアマータというグループ名は、ラテン語で鱗を意味するスクアマ(squama)に由来しており、トカゲ、ヘビ、ミミズトカゲなどを含む系統です。日本における訳語は有鱗類(ゆうりんるい)。ヘビ、トカゲがこの仲間ですから、人間にとってもっとも典型的で身近な爬虫類ですね。また有鱗類以外の鱗竜形類はほとんど絶滅してしまいました(生き残っているのはムカシトカゲのみ)。このため、現在の生物だけで考えると、有鱗類(スクアマータ)と鱗竜形類(レピドサウロモルファ)はほとんど同じものになります。
大部分の有鱗類は小さなものですが、コモドオオトカゲは2メートル、最大で3メートルあまりになり、大型のヘビ、オオアナコンダは3〜7メートル、最大で9メートルになるとも言います。
また化石種には7メートルにもなったと思われる巨大なオオトカゲ、Megalania(メガラニア)や、10メートルをこえるMosasauridae(モササウルス類)などがいました。
大部分は陸棲で地上や樹の上で暮らします。一部には樹の枝から枝へ滑空する種類や水中で生活するもの、さらにウミイグアナやウミヘビのように海中ですごすものもいます。
有鱗類(スクアマータ)の系統:
根__________イグアナ+アガマ+カメレオンなど
|______ヤモリ+ヒレアシトカゲ
|_____テグートカゲ+トカゲ+カナヘビ+ヨロイトカゲなど
|____ドクトカゲ
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|____オオトカゲ
|___アイギアロサウルス
|___モササウルス
|___ドリコサウルス
|__ヘビ
ヘビはオオトカゲやモササウルス、ドリコサウルスに近縁だと考えられています。オオトカゲはオーストラリアを中心にアジアの熱帯に分布するトカゲで、1m以上に達する大きな種類もいるトカゲたちです.
モササウルスは恐竜時代の終わり、1億年ほど前に現れ、海で生活するトカゲです。この仲間は大型で12mに達する種も現れました。モササウルス類は恐竜時代の終わりに、恐竜と共に滅びています。ドリコサウルス類も海に住むトカゲで、こちらも1億年ほど前に栄えて、そして滅び去った絶滅種のトカゲたちです。ドリコサウルス類の大きさは1メートル前後で、体が非常になりました。このように体を長くしたトカゲの末裔として登場し、現在に至るまでおおいに栄えているのがヘビです。
シマヘビ Elaphe quadrivirgata シマヘビはもっとも身近にいるヘビですね。ヘビは特殊化していますが、トカゲの一種です。とはいえ、見た目や身体の構造は他のトカゲとまるで違います。手足がないこともさることながら、顎の骨が特殊化して、頭骨全体の骨の構成がかなり変わっています。下顎の骨は左右別々に、まるで腕のように動きますし、口蓋にある骨も動かすことができます。動かせる口蓋の骨には歯が生えていて、この歯で獲物をひっかけ、口蓋の骨を動かして、獲物を口の奥へと送り込むことができる。ヘビは獲物の呑み込みに特化したトカゲだとも言えるでしょう。ヘビは、顎が頭ごとグンニャリと動いて器用に獲物をのどの奥へと送り込みます。
また、ヘビはトカゲがもっているような、開け閉めできるまぶたが眼にありません。ヘビの眼の表面は透明なカプセルのようなもので覆われていて、まばたきすることはありません。脱皮すると、頭の古い皮と一緒に眼のカバーもぽこっとはずれます。