“拝島駅の長い踏切り”
(サブタイトル:“夜のバラード”)

 米軍横田基地に入っていく航空燃料専用貨物線を見に行ったときのことです。 拝島駅の南東側に広い貨物ヤードのようなところがあり、そこになが〜い踏切りがありました。 (下の地図の赤い線)

 

 後日調べてみたところ、れっきとした公道(昭島市市道北143号)でその長さは日本一(127m) ではないかといいます。しかし、2008年には拝島駅の上に自由通路ができて、この踏切りもそのときに 閉鎖になるとのことです。

(2006年3月記)

(※2009年5月31日の終電後、この踏切りは閉鎖されました。)
(※次に長い踏切りは横浜市鶴見区の総持寺踏切り(60.1m)になります。)

(画像をクリックすると拡大できます)
     
 ここを通過する線路はJR青梅線とJR八高線、西武拝島線ですが、青梅線と八高線の間の空間にいくつかの 引込線があります。回送電車や工事車両を留置するものと思われますが、そのうちのいくつかはすでに 剥ぎ取られつつありました。
 この画像は近くのマンションの非常階段にお邪魔して撮影したものですが、 踏切りの全体は収まりきれていません。
 青梅線側から進むとまず、3本のレールをまたぎます。手前の1本は最近撤去されたようです。 踏切りの名前を「倉庫前踏切」といい、向かいの倉庫に行くため車両の通過も可能になっています。
 しかし、一旦閉まるとなかなか開かない踏切りでした。

 この踏切り渡ったところで一旦遮断機を外れると、保線用作業車や機材が置かれている倉庫と作業エリアになります。 そして広いヤードには撤去した際のレールなどが整理されて野積みされていました。
 倉庫の先は道が細くなって名前が「八高倉庫裏踏切」と変わります。ここからは歩行者、自転車専用となります。 しかしここに遮断機はなく、ヤードの中を少し歩いていって八高線のレールの手前に遮断機がありました。
 遮断機まで2本、そして遮断機の中に入って出るまで5本、計7本のレールをまたぎます。 撤去されたレール跡を数えると5本あったので、計12本分の幅があることになります。 そして一番奥が西武拝島線のレール(単線)です。

 じつはこの画像の位置で警報音が鳴りはじめると、線路上に取り残されたように錯覚して あまり感じの良いものではありませんでした。
 そしてこの空間に立って、広いヤードと何本もの線路を見渡したとき、ふとサブタイトルである 「夜のバラード」を思い出したのです。別に貨車や列車がおかれているわけではないのですが 何か懐かしい風景の中に入りこんだような気がしました。


 ルールールルルーー、と由紀さおりさんのスキャットで始まる あの古いラジオ番組は十条キンバリー提供「夜のバラード」でした。(注:ネット検索によると 明治製菓提供となっていましたので記憶違いかもしれません)
 たしかTBSで、ウィークデーの夜10時台の番組だったと思います。その番組の冒頭に操車場で 貨車の入れ替えをする機関車の短い汽笛と、貨車の連結器がぶつかり合う音が流されていたような気がします。 そして“夜のバラード”というナレーションに続いて先のスキャットが流されました。 詩の朗読と音楽を流す番組で、当時単身寮に暮らしていた某若者の心の癒し番組でした。
 由紀さおりさんのデビュー曲である「夜明けのスキャット」はこの番組から生まれたのですが、 当初歌詞はなく、純粋にスキャットだけでした。操車場の中に立ったとき記憶の中の懐かしい光景を 思い出したのです。もっと広い操車場で、時間的にも夜景の中であったらよりよい雰囲気だったのかもしれませんが・・・。
 

 
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