Shadows on the Ground
EP-4「サウンド」の最大の特徴は何だったであろうか。
それは、カヲル自身が言う「クールなファンク」であったり、「ヴォーカルが
圧縮加工」されていたりと、このあたりが代表的回答であろうと考える。
BBSでMetaNekton 様より、貴重にして細微な情報を戴いた(unit4の項目)。
以下は、その抜粋である。
「取り敢えず、UNIT4について書き込みします。
「UNIT4」の表記は、「EP-4」の様なハイフネーションは不要だと思います。
UNIT4に初めて遭遇したのは、'87年?頃の夏場の今は無き Ink Stick芝浦Factory。
(株)シャープが主催した「SHARP Presents・お初に(おはつに)」という関西他
当時新進のバンドを紹介するキャンペーン・ギグで、確かMCは久保田麻琴氏だったと思います。
その当日は3バンドの出演奏で、トリを努めたのがUNIT4。
知的クールさを拡散させるEP-4のファンクに対して、UNIT4は、リズム&ホーンセクション
が絶妙に絡んだ骨太ファンクでした。メンバーは確か総勢8名。中央に陣取ったユン氏+
2人のMCが客を関西弁で煽る煽る。ヴォイス・エフェクトにより、MC YUNG から
MASTER MAR へと人格(笑)が転化する。このヴォイス・エフェクトは、EP-4 Flavor が
感じられて非常にグッドでした。
ちなみに、このライブ時のUNIT4のDrumsは三条通氏でした。
当時この系統のバンドは、暗黒大陸じゃがたら位しかいなかったような…
この「お初に」シリーズでは、その翌月?あたりに MEME も登場しました。
MEMEのベースは好機タツオ氏で、「Elementary Poem」や「Five to One」を彷彿させる
重低音のうねる様なベースが印象的でした。確か2人での演奏だったと記憶しますが
この当日、MEMEは2番目の出演で残念ながらトリではなかったです。
その割にはトリを努めたバンドを記憶していない…;-)」
(謹写、編集 圭骸)
<Captain KYOTO NIGHT FUNK ALTERNATIVE 裏ジャケット>
EP-4「サウンド」の最大の特徴は何だったであろうか。僕は「極限まで抑制、抑圧されたサウンド」
という事を第一義にしたい。
つまりは佐藤 薫の呪縛により、抑制せざるを得なかった「禁欲的なサウンド」である。
注目戴きたいのは、6人編成という大所帯なのに「ソロ・パート」が無い。淡々とリフを爪弾くギター
、打ち込みの様な正確なベース、、、。
<Captain KYOTO NIGHT FUNK ALTERNATIVE 裏ジャケット>
過度の禁欲は「影の色気」を産む。その色気っぷりこそが、EP-4最大の特徴であり魅力ではないか。
呪縛は、決して佐藤 薫の本意では無かったであろう。しかし、余りにも、余りにも彼は
格好良く、又、背負っているものが大き過ぎた。それは持って産まれた、いわば「宿命」ともいうべきものだ。
他のメンバーも本能的に「それ」を察知してしまい、自己抑制してしまった。
MetaNekton 様が仰った様に、unit4は実に奔放、開放的なファンクを聴かせてくれる。
呪縛から逃れると、こんなにも異なるものなのか。
さて、EP-4メンバーで、唯一人だけ呪縛を受けなかったであろう人物が居られる。
キーボードの川嶋バナナだ。総氏に代わっての、途中参加であった事もその要因の一つであろう。
高い評価を得られなかった「LF-1」。当時の評を見てみると(後日掲載)「ライブの
躍動感が無い」「低音が出ていない」等々ある。
しかし、20年毎日聴いて、ようやく考えがまとまってきた。
「LF-1」は、「影の色気」が不足しているのではないだろうか(その分、精鋭さが増しているが)。
「ライブはカヲルのもの、レコードはバナナのもの」と以前に記した。呪縛から逃れていた
バナナ主導で製作された「LF-1」なので、止むを得ない事だと思う。
EP-4最大のミステイクは、「制服ー」を最初にリリースしてしまった事だ。
あの色気満載のライブを聴かされたら、やはりスタジオ・ワークは苦しい。
「影の色気」が薄くなるのだ。
最後にー図らずもセンチで妄想の様な項目になり、赤顔の至りです。病棟で考えて
いたので御勘弁ください。
また、想を授けてくださったMetaNekton 様に深く感謝いたします。
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