牧師室より

「発掘20年、ついに手がかり 初代ローマ皇帝・アウグストゥスの別荘 東大の調査団」という見出し記事が、朝日新聞夕刊の一面を飾った(2023年12月18日)。場所は、イタリア南部ソンマベズビアーナ。 聖書にアウグストゥスの名が登場する。「そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た」(ルカ2章1節)。イエスが誕生した時の皇帝が、アウグストゥスである。彼は、ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の姪の息子で、カエサル暗殺後に、「カエサル」と自称した。その後、カエサルの「養子」として政治を行い、初代皇帝になっている。在位期間は、紀元前27年 〜 紀元14年。41年の長期政権である。  当初発掘していた場所は、「アウグストゥスの別荘」ではないということが判明した。ところが今年の夏、思わぬ発見があり、それらしい建物の発見に至ったという。現在、発掘された炭の年代鑑定中だが、来春には記者会見を予定しているという。  クリスマス直前のタイムリーな報道に、ちょっぴり興奮した。皇帝アウグストゥスの誕生には、ヘロデ王の関わりもあったという。2千年前の出来事に思いを馳せつつ、ワクワクしながら、今年のクリスマスを過ごすことにしたい。世界の平和を祈りつつ、クリスマスおめでとう!       (中沢譲)