牧師室より

「拘置をこれ以上継続することは、耐え難いほど正義に反する」「一刻も早く身柄を解放すべきである」。袴田事件再審を決定した村山浩昭裁判長の言葉だ。10月27日、再審公判がはじまった。短時間での結審を願う。袴田氏の健康が心配だ。  袴田事件とは、1966年に静岡の味噌製造業会社役員の一家4人が殺害された事件。ボクサーであった袴田巌氏が犯人として逮捕・起訴され、死刑判決を受けた。しかし袴田氏は冤罪を主張。彼が逮捕された理由は、殺害された役員が柔道の有段者で、彼と格闘できる人物として袴田氏の名が浮上したからだ。 理不尽なことばかりだ。人生を奪われてきたすべての人たちの上に、神様の慰めがあるようにと祈るばかりだ。        (中沢譲)