牧師室より

差別を批判する権利を守る裁判が勝利した。差別する人(レイシスト)は、自身の差別発言を「言論の自由」と表現し、差別発言への批判を「差別」だと反論する傾向がある。 『神奈川新聞』の石橋学記者が、差別発言を繰り返す元川崎市議会議員の発言に対し、「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗中傷」だと報道したことなどで訴えられた。名誉毀損だという。今年1月、横浜地裁は、レイシストの訴えを認め、石橋記者に罰金を命じた。名誉毀損だと判決したのだ。ヘイトスピーチを「言論の自由」と認めたような、驚きの判決であった。 これに対し、石橋記者は控訴し、東京高裁は石橋記者の発言を認め、逆転勝訴となった(10月4日)。差別発言に「どっちもどっち」という曖昧さがないことが証明された。ハラスメント問題と同様に、マイノリティの人たちが差別だと感じれば、差別であると思う。この件については、来年の社会委員会主催の学習会で、共に考えたい。  (中沢譲)