牧師室より

今年4月、「救援連絡センター」の総会に久しぶりに参加した。人権問題を扱うNGOで、弁護士の無償派遣などを行っている。 その総会で袴田巌さんの支援会から報告があった。袴田さんは冤罪事件の被告で、死刑囚にされた人だ。キリスト者でもある。今年3月、再審請求が認められ、今後無罪が確定する。再審請求中の狭山事件にも言えることだが、日本社会はいくつもの冤罪事件を生み出してきた。「わたしの父に祝福された人たち…用意されている国を受け継ぎなさい…牢にいたときに訪ねてくれたからだ」(マタイ25:34〜36)。冤罪の苦しみの中にある人を覚え祈る業も、キリスト者に託されている。  (中沢譲)