牧師室より

朝日新聞に、大岡信氏の「折々のうた」が再開され、朝の楽しみが増えた。先日「通夜の席に笑声起こる死は所詮(しょせん)他人事にてビールがまはる 山本かね子」という歌を紹介していた。山本氏には戦争が落とした重苦しい歌が多いそうだが、左記のような事態が一般的であると大岡氏はコメントしている。

ある女性が夫を亡くし、葬儀が終わった後、私に「葬儀の時、何を思っていたか分かりますか」と問われた。答えに窮していると「葬儀に来てくださった方々も、いずれ私と同じように連れ合いを亡くす悲しみを味合うことになると思っていました」と笑いながら、言われた。悲しみにある遺族と会葬する人とは「歌」のような違いもあるであろう。ただし、教会での葬儀後、ビールはまはりません。

ある方から、葬儀について書いてほしいと言われたので、先回の不足を補いたい。重い病気になった時は、牧師はしばしば見舞います。そして、危篤状態になったら、まず牧師にご連絡ください。私はすぐに伺います。そして、亡くなられた場合、ご遺体を教会にお連れします。もちろん、ご自宅にお連れしても構いませんが、教会に安置した方が遺族の負担は少ないと思います。教会で、遺族と葬儀社と牧師で話し合います。この時、下記のことを決めなければなりません。まず、葬儀社と下記のことを決めます。@棺を選びます。現在、お願いしている葬儀社は「燃やすものですから 」と言います。私も高価な棺にする必要はないと思います。A火葬日に基づいて、前夜式と告別出棺式の日程を決めます。ご親戚が遠い場合、日程を遅らせることができます。B葬儀社と費用を決めます。これは、祭壇のお花、会葬お礼の品、火葬場までの車、火葬後に親戚で会食されるかなどです。C献花や式司第のため、会葬者のおおよその人数を予想していだきます。

牧師との打ち合わせは下記のことです。@司式者、奏楽者を決める。A聖書を二箇所、讃美歌を6曲、選んでいただく。もちろん話し合って決めます。讃美歌は同じものでも結構です。B故人を偲ぶ感話をしていただく方を選定する。本人に承諾してもらわなければなりませんので、最終決定は少し遅れます。

これらは、家族を失って悲しみと混乱の中、精神的に負担がかかりますが、即決してもらわなければなりません。教会で出している「葬儀のしおり」を参照ください。