牧師室よ

篠ノ井教会の山本将信牧師から送られてきた文書から紹介したい。

長野市「憲法9条の会」連絡会主催、長野市教育委員会後援の「憲法9条と高遠菜穂子講演のつどい」が開催され、1300名ほどが集った。

 遠氏は、拉致から解放された後、現在もヨルダンを根拠地として救援物資を送り、報道管制下にあるイラクからの情報を受けて、インターネットで世界に発信する活動を続けている。ファルージャの生々しい惨状をパソコンから大画面に映し出して講演した。以下は要旨である。

 米軍は「テロ掃討作戦」と称して、ファルージャを封鎖し、女、子供、老人以外の男子をことごとく拘束して取り調べ、疑われた者は拷問、あるいは銃殺した。当然、住民は米国への憎悪を増幅させ、武器を持って戦っている。彼らの求めているのは秩序の回復、平和である。それを破壊しているのは米軍で、米軍撤退闘争を組織せざるを得ない。流入「テロ組織」は米軍をイラクに縛りつけて疲労困憊させようとしている。彼らは秩序回復を目的にしていない。

 ファルージャで米軍が住民に引き取らせた75の遺体は身の毛もよだつような映像であった。腐乱してウジ虫が目や鼻から湧き出していた。その中に不思議な遺体があった。ウジ虫が湧いていない白く変質した遺体である。白燐弾による殺戮だという。燐が酸素に反応して、致死量のガスとなる一種の「化学兵器」で、それを焼夷弾として使用している。米軍はその事実を認めた。イラクは殺戮兵器の実験場と化している。米軍は「敗北」したくても、もはや交渉相手がない。まさに泥沼に引きずり込まれている。米国は軍事的・経済的に行き詰まるまで戦争を続けるのだろうか、と話し終えた。

 高遠氏のイラク情報は確かであろう。米国の理不尽な戦争に加担している自衛隊を一刻も早く撤退させるべきである。米国でもイラク攻撃は間違いであったという世論が半数を超え、特に退役軍人からの批判が強くなっているという。イラクでは連日のように、テロによる死者が出ている。彼らの悲しみ、米国への怒りはいかばかりかと思う。