牧師室よ

 私は「港南区9条の会」の世話人の一人になっている。世話人会で下記のような「呼びかけ文」を作った。

「私たちは、横浜・港南区に住まいや職場をもつ市民の集まりです。

 日本国憲法の『恒久平和』の理念に守られて、戦後ただひとりの戦死者も出さず、また戦争で他国の人をひとりも殺すことなく、60年がたちました。このことは、世界中のいたるところで戦争ばかりしてきたこの時代にあって、きわめて誇らしい例外です。ところが今、前文と9条を標的に、憲法を変えようという動きが急速につよまっています。

 20046月、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平靖弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏により、『9条の会』が結成され、国民向けアピールが発表されました。アメリカのイラク攻撃と占領が泥沼状態にあり、武力の行使がいかに無意味なものであるかが明らかになりつつあるときでした。

 あれから1年半、9氏の危惧したことは現実的・具体的なものになっています。イラク戦争には何ら大義のないことが明らかになり、兵士や市民に何万人もの犠牲者を出し、主な派兵国は次々と撤退を決めました。一方の日本では、『国際貢献』の名のもとにイラクへの自衛隊派兵が引き続き行われています。国内では、米陸軍第一軍団司令部の座間移転が合意され、『核を持たない、つくらない、持ち込ませない』と誓った、非核三原則をないがしろにして、横須賀への原子力空母配備が日米両政府で勝手に決められました。さらに、沖縄に新基地を建設して基地の恒久化をはかるなど、憲法9条を踏みにじる動きが着々と進められています。

 1028日の『自民党新憲法草案』では、『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』という戦力不保持と交戦権否認の92項が削除され、「自衛軍を保持する」と明記されています。また、前文の中の『政府の行為によって再び惨禍が起ることのないようにする』の平和的生存権も完全に削除されました。

 日本を戦争できる国にするこのような一連の動きを、私たちは黙って見過ごすわけにはいきません。今こそ、『9条の会』アピールに応え、『憲法を守れ。9条を変えるな』の声を、ここ港南区から発信していきたいと思います。生活を守り、平和を守り、子どもたちの未来を守るため、多くの市民の皆さんと手をつなぎ、憲法を変えようというくわだてを阻んでいきたいと心から願い、訴えます。」

今週の24日(火)、午後6時半から「港南区文化センターひまわりの郷ホール」で「9条の会」の事務局次長で、一橋大学大学院の渡辺治教授を迎えて発足会が催される。ご参加ください。