人生を幸福にするための原理原則

2015(平成27)年7月4日
2015(平成27)年7月11日改訂

第1 「謙虚であること」

1 中国の古典の書教という書物に,「満は損を招き謙のみ福を受く」という言葉があるとのことです。

 満とは満月の満で,驕り高ぶるという意味があります。

 この言葉は,謙虚な人だけが幸運に恵まれるという意味です。

  世界有数の企業で世界に約32万人の従業員がいるゼネラル・エレクトリック社で2000年まで最高経営責任者を努めた有名な経営者ジャック・ウエルチが,多数の後継候補者の中から後継者に現在の最高経営責任者で大成功しているジェフ・イメルトを指名した理由は二つあります。

 1つはイメルトが謙虚であることです。

 もう1つはイメルトが運が良いということです。運が良いこともアメリカの経営者として求められる資質です。

  第1の謙虚という徳目は,自己主張が強くなければ生きていけないとされるアメリカの経済界でさえ重要視されている徳目なのです。

  京セラの稲盛和夫名誉会長は,「謙虚にして驕らず。更に努力を。」を標語としています。

第2 「良きことを思い,良きことを行うこと」

1 中国の易教に「積善の家に必ず余慶(よけい)あり」,「積不善の家に必ず余殃(よおう)あり」とあるそうです。

  良いことを積み重ねた家には幸せが沢山やってくるし,良くないことを積み重ねた家には禍いがたくさん起こるという意味だそうです。

2 インド発祥の仏教の考え方では,「因果応報」という考え方があります。

 「因」とは「思い」のことであり「カルマ」とも言います。

 「因」が縁にふれて結果を生ずるという考え方です。

 「善因善果」,「悪因悪果」といいます。

 良い思いをすれば良い結果が生じ,悪い思いをすれば悪い結果が生じるという考え方です。

3 また,イギリスの哲学者のジェームス・アレンは,その著書「原因と結果の法則」の中で,「人間の心は庭のようなものです。それは知的に耕されることもあれば,野放しにされることもありますが,そこからは,どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。もしあなたが自分の庭に,美しい草花の種を蒔かなかったなら,そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち,雑草のみが生い茂ることになります。すぐれた園芸家は,庭を耕し,雑草を取り除き,美しい草花の種を蒔き,それを育みつづけます。同様に,私たちも,もしすばらしい人生を生きたいのなら,自分の心の庭を掘り起こし,そこから不純な誤った思いを一掃し,そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ,それを育みつづけなくてはなりません。」と書いています。

 すなわち,良い思い,良い行いが良い実を結び幸福が訪れるということです。

第3 「感謝の念を持つこと」

 幸せだから感謝するのではない。

 感謝するから幸せになれるのである。

 自分の立場や環境に感謝の念を持ち,現状改革を心がける。


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