白い神の伝説

アメリカ先住民の教会員はモルモン書を彼らの先祖の記録として受け入れている。
モルモン書の中に出てくるイエス・キリストのアメリカ大陸への来臨の話と、
彼らの先祖の白い神の伝説に共通点が見られることも要因となっている。

白い肌の神の伝説はラテンアメリカ一帯で、確認されている。
アステカのケツアルコアトル。マヤのククルカン。インカのビラコチャ。
これらの神々は、みな肌が白く、高度な暦など、多くの文化を人々に授けたのである。

アステカのケツアルコアトルの神話

「羽毛ある蛇」の意味であるこの男神は髭が長く白い肌をしており、
蝶や花を愛し、アステカの民にトウモロコシを与えた文化・農業神とされている。
ケツアルコアトルや闘神ウィツィロポチトリ、戦神テスカティルポカは
柱たる男神と女神から生まれた息子で、数々の神と共に世界を4度、創造した。
そして、それらはことごとく滅び、5度目で今の世界が作られた。
ケツアルコアトルは、人間を作るために苦行に耐えねばならなかった。
一度死に、血を流し、苦労の末人間が誕生した。
人間の生みの親、文化・農耕神ケツアルコアトルは人の生贄を禁じた。
一方、恐怖と暗黒の象徴である戦神テスカティルポカは生贄を求めた。
この二人は、生贄を巡って対立する。
戦神の罠にかかり、負けたケツアルコアトルは東の海の向こうを目指し、魔法の筏に乗った。
そして姿を消す寸前、彼は不気味な予言を残した。
「私は一の葦の年、必ず帰ってくる。そして、今度こそ私が要となる。
それは、生贄の神を信仰する民にとって大きな災厄となるであろう。」

一の葦の年にあたる1519年、ケツアルコアトルの消えた方角から、
彼と同じ長い髭と白い肌の集団が不思議な船と共に押し寄せてきた。
スペイン人の一行であった。
しかし、アステカ人は彼らを伝説の白い神と勘違いをしてしまった。

*「1の葦」とは各年に割り当てられた名前の一つで、52年ごとに1巡する。
1から13の数字と20の物の組み合わせは各日に割り当てられ、260日で一巡する。
ある年の元日が「1の葦」ならその年が「1の葦」になる。

ケツアルコアトルとイエス・キリストの共通点

ケツアルコアトル イエス・キリスト
蛇の姿をした神である。 モーセが荒野でかかげた青銅の蛇はイエス・キリストを象徴している。(民数記21:8−9、ヨハネ3:14−15)
翼を持った神である。 アメリカ大陸を訪れたとき、天空よりやって来た。(3ニーファイ11:8)
白い肌をしている。 白い衣を着ている。(3ニーファイ11:8)光輝く御方である。(教義と聖約110:3)
柱たる男神と女神から生まれた息子である。 父なる神と母なる神から生まれた長子である。
他の神々といっしょに世界を造った。 他の霊たちといっしょに地球を造った。
テスカティルポカとの対立。 ルシフェル(悪魔)との対立。
人を造るとき、血を流し、死に、よみがえった。 人類に永遠の命を与えるために、血を流し、死に、よみがえった。
人のいけにえを禁じた。 モーセの律法で定められた動物のいけにえを廃止した。(3ニーファイ9:19)
テスカティルポカとの戦いで負けた。 大背教の時代にキリストの教会は崩壊した。アメリカ大陸でも神の預言者はモロナイを最後にいなくなった。
再び戻って来ると言い残した。 再臨を予言した。
4度世界が滅んだ。 ノアの時代の洪水で1度世界は滅んだ。
アステカ人の先祖にいろいろなことを教えた。 アメリカ大陸の人々に多くのことを教えた。
神々の中で最も重要な神としてあがめられている。 人類の救い主としてあがめられている。

民数記21:8−9
そこで主はモーセに言われた、
「火のへびを造って、それをさおの上に掛けなさい。
すべてのかまれた者が仰いで、それを見るならば生きるであろう」。
モーセは青銅で一つのへびを造り、それをさおの上に掛けて置いた。
すべてへびにかまれた者はその青銅のへびを仰いで見て生きた。
ヨハネ3:14−15
そして、ちょうどモーセが荒野でへびを上げたように、
人の子もまた上げられなければならない。
それは彼を信じる者が、すべて永遠の命を得るためである。
3ニーファイ9:19
あなたがたは、もはや血を流すことをわたしへのささげ物としてはならない。
あなたがたの犠牲と燔祭は取りやめなさい。
わたしはこれから、あなたがたの犠牲と燔祭を受け入れないからである。
3ニーファイ11:8
すると見よ、天から一人の男の方が降って来られるのが見えた。
この御方は白い衣を着ておられ、降って来て群衆の中に立たれた。
教義と聖約110:3
その目は燃える炎のようであり、その頭髪は清らかな雪のように白く、
その顔は太陽の輝きに勝って光り輝いていた。

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