アンソン教授

しかし見よ、そこで主なる神はその書物を受け取る男にこう言われる。
「封じられていないこれらの言葉を取って別の男に渡し、
彼が学者にそれを見せて、
『どうぞ、これを読んでください』と言うようにしなさい。
するとその学者は、『その書物をここに持って来てください。
そうすれば読みましょう』と言う。
ところで、彼らがそう言うのは、世の誉れのため、
また利益を得るためであって、神の栄光のためではない。
それで先の男は、『その書物は封じられているので、持って来ることはできません』と言う。
すると、学者は、『それでは、わたしには読めない』と言う。」
そこで、主なる神はその書物とその中の御言葉をもう一度学識のない者に授けられる。
すると学識のない者は、「わたしは無学です」と言う。
そのとき、主なる神は言われる。
「学者は、これらの言葉を受け入れなかったので、読めない。
しかし、わたしにはわたし自身の業を行う能力があるので、
あなたはわたしが授ける言葉を読むであろう。」
(2ニーファイ27:15−20)

それゆえ、このすべての幻は、あなたがたには封じた書物の言葉のようになり、
人々はこれを読むことのできる者にわたして、「これを読んでください」と言えば、
「これは封じてあるから読むことはできない」と彼は言う。
またその書物を読むことのできない者にわたして、
「これを読んでください」と言えば、「読むことはできない」と彼は言う。
(イザヤ29:11−12)


第2ニーファイ27章は、ニーファイがイザヤ書29章をもとに予言をしたものだが、
この予言は次のように成就した。

この2月のあるとき、前に述べたマーティン・ハリス氏がわたしたちのところへやって来て、
わたしが版から書き取っておいた文字を取り、それを持ってニューヨーク市へ向かった。
彼とその文字に関して起こった出来事については、
彼が帰って来てわたしに語った彼自身の言葉をお伝えする。
それは次のとおりであった。
「わたしはニューヨーク市に行き、翻訳された文字をその翻訳とともに、
文学上の学識があることで広く知られている一紳士、チャールズ・アンソン教授に披露した。
するとアンソン教授は、この翻訳は正確であり、
エジプト語から翻訳されたものでこれほど正確なのを見たことがないと述べた。
その後、わたしがまだ翻訳されていないものを彼に見せたところ、
彼は、それらはエジプト語、カルデア語、アッシリア語、およびアラビア語であるといった。
また、それらは本当の文字であると言った。
そして、それらがほんとうの文字であることと、
それから翻訳されたものの翻訳も正確であることを
パルマイラの人々に証明する証明書をわたしにくれた。
そこで、わたしはその証明書を取ってポケットに入れ、まさにその家を去ろうとしたとき、
アンソン氏はわたしを呼び返して、
どうしてその青年は金版を見つけた場所にその金版のあることが分かったのかと尋ねた。
そこでわたしは、神の天使が彼にそれを明らかにしたと答えた。
すると彼は、『その証明書を見せてください』とわたしに言った。
それでわたしがポケットからそれを取り出して彼に渡すと、
彼はそれを取って細かく破って、いまどき天使の働きのようなものなどないと言い、
また、その版を持ってくれば翻訳してあげようと言った。
そこでわたしは、版の一部は封じられており、持って来ることを禁じられていると告げた。
すると彼は、『わたしは封じられた書を読むことはできない』と答えた。
わたしは彼のもとを去り、ミッチェル博士のところへ行ったが、
彼も文字と翻訳の両方に関してアンソン教授が言ったことを認めた。」
(ジョセフ・スミス―歴史1:63−65)

ニーファイの言う「書物を受け取る男(学識のない者)」はジョセフ・スミス、
「別の男」はマーティン・ハリス、「学者」はチャールズ・アンソンを指している。
イザヤの言う「読むことのできる者」は学者のことで、チャールズ・アンソンを指し、
「読むことのできない者」は学識のない者のことで、ジョセフ・スミスを指している。
イザヤ書では、彼は「読むことはできない」と言うとなっているが、
ニーファイ書では「わたしは無学です」と言うとなっていいる。
彼は、彼の力では読むことはできないが、
神の力によってこの書を読むことができるのである。

ジョセフ・スミスは確かに学識のない者であった。
学歴は小学校程度で、ようやく読み書きができる程度だった。
ジョセフの妻エマは次のように言っている。
「夫はモルモン書のような本を口述しているのに、
手紙では理路整然とした文章も洗練された言葉も書けないのです。
ほかのだれもがそうだと思いますが、わたしにとってはそれは驚きでした。
驚くべき不思議なことでした。」

モルモン書・エピソード集

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