『悲劇の原理』について


1.
古代からカントに至る先哲はその時代のソフィストの
憶説によって構築されている。
それは真実の哲人なら肌で感じるのである。
『悲劇の原理』はその「比較論」の中で鋭く分析している。
正に哲人なるが故の感覚である。


2.
最近、ジョン・ホーガン著、竹内薫訳で『科学の終焉』が発表された。
しかし哲人中田ムメノはすでに半世紀前に気づいていたことである。
それ故に我が子安麿の数学力を見込んで量子力学を専攻させた。
そして母子共に大激論し乍ら辿り着いたのは、
20世紀科学を超越した別世界であった。
それが「生命哲学」である。
20世紀が産んだ世界の悲劇は、個人的であれ国際的であれ
茲に立脚してはじめてその原点が正しく究明できるのである。
漢方医学の「気」の原理も生命哲学によって解明できるであろう。
その集大成が『悲劇の原理』である。


3.
「後光の原理」
哲人中田ムメノには後光が射す。
その原理は『生命哲学原理論』の中に収録されている。
神性に徹した者にのみ射す生命力の余剰である。