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2025年12月
Mさんは93歳。奥さんは88歳。
Mさんが90歳の時に奥さんから相談を受けました。
「夫は死ぬまでおむつですかね」
唐突ですが、切実な悩みです。
きっかけは山歩きをしている時、
転倒をして右足首を骨折したことです。
入院するとすぐおむつ。
本人も嫌がっていましたが、
逆らう訳にはいきません。
約一か月後、退院。
なんとか歩けるようになりました。
そこから私との付き合いが始まりました。
おむつはつけたままですが、
ベッドの柵につかまり、立つ練習です。
廊下に手すりを付けて歩く練習もしました。
ポータブルトイレでの排泄に励みました。
冬の夜は尿器を使いました。
3か月後、
なんとかおむつを取ることができました。
「病院へ検査に行くとおむつを付けていないので、
看護師さんが不思議そうにしていましたよ」
奥さんは胸を張って教えてくれました。
私も嬉しくなりました。
3年が経ってMさんは老衰が進み、
またおむつになりました。
自然の流れです。
それでも昼間はベッドからソファーに移ります。
Mさんはお茶を飲みながら、
庭の紅葉を眺めています。
ユーチューブでM-1の準決勝を見ながら。

尾瀬

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