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古賀様
平尾山荘物語を読了致しました。
丁寧で正確な文章が、望東尼の激動の人生をわかりやすく伝えてくれて、大変面白かったです。そのとき、そこで起ったことを正しく伝えようとする意図を感じました。私の父に、著者の古賀さんは80歳後半だと聞いてびっくりしています。私も負けてはおられんなあと思いました。
高校卒業まで、平尾山荘のすぐ近くに住んでいましたが、望東尼の生涯については全く知らずに育ちました。今回物語を読んで、望東尼の存在が幕末の日本にとってとても重要だったことを知り、驚きました。ただ、その生涯が尊王の士と重なるのは、晩年、50歳を過ぎてからなんですね。それにも驚きました。
京都・大阪に旅行に出て見聞を広げ、戻った最初は、単に土産話を聞くために人が集まってきたんだろうと思います。福岡ではなかなか聞けない話も多いでしょうし。でもそのうちに、倒幕を志す人たちの集まる場所になった。それは望東尼自身の思想が彼らとリンクしたのもあるだろうし、あとは、個人的な想像ですが、かなり資産のある家柄だったようなので、様々な形の援助も行われたのではないか、と思います。
現在大阪に住んでいるので、博多から瀬戸内、淀川を経由して大阪、伏見にいたるくだりは、よく知っている地名ともリンクして、大変楽しく読みました。やはり当時、水運が重要な交通手段だったのだなと思いました。それで幕末は、水運に利がある、長州や薩摩が力を付けたのかも知れない、と思いました。これまで黒田藩が、幕末にどのような立ち位置だったかを知らずにいましたが、かなり重要な立場だったのだな、ということがわかり、大変勉強になりました。(そして最終的に、尊皇派は弾圧を受けてしまいますが…)
本を読んでから、興味をもち、野村望東尼に関連した動画をいくつか見ましたが、平尾山荘に高杉晋作をかくまった際、西郷隆盛が平尾山荘を訪れて高杉晋作と会談をしたという説があるそうですね。平尾山荘物語には記述がなかったと記憶していますが(書かれていたらすみません…)、一説には過ぎないのだろうけれど、そのような可能性も含め、幕末にとって平尾山荘と望東尼の存在は大きかったのだろうと思います。
先述のように、高校卒業まで福岡にいましたが、いくつかの島があるのは知っていましたものの、その島に罪人が流されていたことは全く知らなかったので、驚きました。確かに、福岡は日本海に面しており、海との関係がないわけではないので(世界遺産にもなりましたし)、当然のことですが、自分の住む内陸のイメージしかありませんでした。そして高杉の手のものに助けられたときも、海を越えて下関へ……、痛快ですね。
楽しかったです。有難うございました。これからもぜひ、たくさんの物語を執筆して頂き、いろいろな知識を授けていただきたいと思います。
大阪 箕面市在住 IMさん(女性)
MTさん(男性=元勤務先同僚)
頂いた「平尾山荘物語」を、今朝一気に読みました。
野村望東尼については、名前くらいはなんとなく知ってはいましたが、その内実についてはあまり興味もなく、調べてみたこともありませんでした。
しかし、御作品により、主人公である野村望東尼だけではなく、平野国臣や高杉晋作、また、黒田藩における勤王派対佐幕派の幕末前後の状況などが分かりやすくまとめられており、面白く読みました。
本稿の文の多くは、何かを参考に書かれたものと思いますが、それにしても、会話部分や人々の出会いや別れの場面などの文章は、古賀さんのもっとも得意とする部分だと思います。本稿でもよく生かされていると感心しました。また、本稿に出てくるいろいろな場所にも足を運ばれたようで、楽しみながら冊子を作成したことがうかがえます。
ところで、先日亡くなった久野さん(共通の同僚)の先祖で、黒田藩の家老の一人だった久野将監さんは、佐幕派の有力者だったようで、維新後、切腹を命じられた人物ですが、御供所町(福岡市博多区の寺町)の妙楽寺にある久野家の墓地に大きな粗削りの墓石がありました。5月初めに妙楽寺を訪ねましたが、同僚の久野さんの墓は、将監さんの墓のそばに久野家代々の小さな墓があって、その名前が刻まれていました。一見の価値はあります。
機会があれば、いろいろ話を聞かせてください。

上記MTさんより追加通信
上記MTさんより、間を置かずして、野村望東尼伝に関連する便りがありました。福岡市博多区の妙楽寺に関連する新聞記事と説明です。

朝日新聞 2025年8月3日版
8月3日朝日新聞に関連する記事が載りましたので送ります。
先に書いた佐幕派の家老・久野将監さんの名とも関わりがあり、黒田藩が何故勤王派を弾圧し、望東尼がその反対派の勤王派にのめり込んでいったのか、など知りたく思ったのです。
<中略>
私は、福岡市を中心とするリベラル派の読者の多くは、今に至る福岡県民の「保守志向」について、何故なのか疑問を持っていると思っているのではないかと勝手に考えています。明治維新に先立つ幕府べったりの黒田藩の成り立ち、維新前後の行動について知りたい福岡県民は少なくないのではないでしょうか。
FSさん(男性=滋賀県在住)
この度は、御作「野村望東尼伝」をお送りくださりまことに有難うございました。久しぶりに貴方の作品を手にして、間もなく卒寿を迎える歳なのにと、大変心強く感激させて頂きました。まだ読み始めですが、楽しみながら読ませて頂きます。
NTさん(男性=幼馴染み、元マラソン選手)
「平尾山荘物語」拝読させて頂きました。余りの立派さに感心しています。貴君の勤勉ぶりに脱帽です。
KYさん(男性=出身高校先輩)
炎暑殊の外厳しい中、いかがお過ごしでしょうか。
さて、この度は長年続けられた著作郷土人物伝に、更に「平尾山荘物語 野村望東尼伝」をご完成出版され、まことにおめでとうございます。小生にまで貴重なご労作をご恵贈賜り恐縮の至りです。まことに有難うございます。
早速一読致しました。読みやすく、勉強になりました。
幕末の福岡藩内にも、佐幕派・公武合体派や尊王攘夷派が対立し、野村望東尼なる人物が長州藩高杉晋作をはじめ尊王攘夷派の志士たちを感化し励まし、幕末維新期に重要な役割を果たしたことを改めて知りました。不明を恥じております。
KEさん(男性久留米市在住))
野村望東尼を中心に、幕末から維新にかけての激動の歴史作品を頂戴いたし、誠に有難うございます。拝読させて頂きました。
時代の変化はいつの世でもあるとは言え、今まだ平和な世の中に生かして頂いていることに改めて感謝しなければならないと感じております。
去年今年かなたこなたにまどいつつ徒にのみすぐす春かな
短歌・俳句に興味ある家内は、表紙を見て手に取り、早速拝読致したいと申しておりました。
先生のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げます。
MMさん(男性=卒業高校の先輩)
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この度「平尾山荘物語」野村望東尼伝ご送付頂き、誠に有難うございます。ゆっくり読ませて頂きました。
古賀勝様には、最初「大河を遡る」九重高原開拓史を平成12年発行時に頂いて以来、郷土人物史を数冊頂きました。今度の「野村望東尼伝」は、80才台のご高齢での作品ということで、すごいことdさと思っています。更に、どの作品でも綿密な調査、そして一貫して主人公に対する大いなる情愛を感じさせます。
今回の望東尼伝は、野村モトという歌人が、夫を亡くしたときを境にして54才で妙光寺で得度し、法名「招月望東禅尼」を名乗り、61才で亡くなるまでの僅か15年間の人生を、それでも幕末の激動の時代、福岡藩、山口藩の争乱に巻き込まれ切り抜けられた半生を見事に書き上げています。すがすがしい読後感有難うございました。
猛暑激しい折、ご自愛ください。乱雑な字で申し訳なく
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久留米市在住TKさん(男性)
この度は、ご出版おめでとうございます。
野村望東尼や平尾山荘については、不勉強ながら今回初めて知りました。幕末動乱の時代に、高杉晋作をはじめ憂国の志士たちに大きく関わっていたという事実を知り、胸をいためるとともに、勉強になり
ました。また、著作においては、望東尼の人生が丁寧に描かれており、特に第5部の「乙丑の獄」以降は、夢中で一気に読み終えてしまいました。
17歳での初婚、24歳での二度目の結婚、仏門入り、姫島への流罪、高杉晋作らによる救助等々、まさに波瀾万丈の人生には、驚きと希望を与えられました。またそうした人生の中で、家族や大隈言道、高杉晋作への想い、平尾山荘での若い志士たちから慕われている描写から、望東尼の人柄の一端を、時代を遡り感じることが出来ました。
そんな彼女の人生や想い、苦労や葛藤を想像すると、個人的には人生最期の句、「冬籠り怺えこらへてひとときに花咲きみてる春は来るらし」との句が一番感慨深く、印象に残りました。
私の会社・勤務先は鳥栖市にありますが、昨年には糸島(前原)に新事業所が竣工致しました。作中でも馴染みのある場所の記載があり、読後はこれからそうした地域の印象も新たになります。さらには、今年の12月には防府のマラソン大会に出る予定です。私にとって初めて行く地ですが、物語の舞台にもなっている萩往還や三田尻もコースになっております。その節は、望東尼に想いを馳せながら走りたいと思います。時間があれば、防府天満宮にも立ち寄りたいと思っています。
望東尼の人生も波乱に満ちたものですが、高杉晋作も孫の助作も、いずれも20代で逝去とのことで、この時代の移り変わりの早さと現代との時間軸の大きな違いを実感致しました。一日一日を大切に生きていかねばと、自己を省みるよい機会ともなりました。
時代や対象としても、文献が限られていたのではないかと推察致しますが、望東尼の半生を赤裸々に深く綴られた著書を出版されたことに、心から尊敬の念を抱いております。このような素晴らしいご本をお贈り頂き、本当にありがとうございました。
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