博多名物数あれど…
(地下鉄「櫛田神社前」駅コンコース)

 博多の街をぶらぶら歩いていると、町衆が「自慢」してやまない「博多文化」が、やたらと目に飛び込んでくる。
博多を代表する場所と言えば、上川端に位置する櫛田神社だ。地下鉄の櫛田神社前で降りて改札を出ると、山笠を初めたくさんの「博多文化」が出迎えてくれる。その一つ一つがユニークで、深掘りしたくなる。

地下鉄「櫛田神社前」コンコースの「名物」オンパレード
目  次
博多曲げもの
マルティグラス 博多人形 博多張り子 今宿人形
博多おきあげ

懐かしい弁当箱

博多曲げもの

  博多曲物は、杉や檜の板材を曲げ、板の端をさくらの皮でとじ合わせて作られます。起源は諸説ありますが、江戸時代より盛んに作り始め、筥崎宮の神具として、古くから奉納されてきた伝統を有しています。福岡県知事指定特産民工芸品でもあります。(はかた伝統工芸館説明)
 博多曲げ物は、初代吉右衛門から400年続き、現在は十八代目の柴田玉樹さんが受け継いでいます。
 曲げ物は1枚の薄い板を曲げて。さくらの木の皮で綴じて作る木製容器です。釘や金属は一切用いず、自然の材料だけで作られます。「博多曲げ物は、曲げ物発祥の地とされ、塗装をしないのが特徴で、むかしは近くの若杉山の木を使っていましたが、現在は奈良の吉野杉を使用しています。
 曲線と木目が美しい「無節正目」の木探しから始まり、裁断、曲げ加工、乾燥縫い合わせ、磨き、絵付けと一つ一つの工程に時間をかけて作品が出来上がります。無塗装で湿気を吸う飯櫃や弁当箱などに適しています。
 現在は、二人の息子さんも手伝っており、約400年の伝統と技術を継承しつつ、新しい発想で、その時代に合うものを作ることを大切にした曲げ物作りに励んでいます。アクロス福岡1階展示場説明)


マルティグラス

古典的文化を優先する博多人が、珍しくカタカナ文字で売り出している。ガラス細工のマルティグラスのこと。展示棚に置かれた品は、まさしく郷土が誇る民芸品である。
展示品の説明では、「さまざまなガラスを何層にも重ね合わせて作り出される多重積層ガラスのことだと。製作しているところは、福津市の積層ガラス工房だそうな。今から100年以上も以前に中島硝子製造所に起源を持つ、まさしく博多民芸にぴったりの造形物だ。

博多人形


博多山笠集団

美人の装い

黒田節

わらべ

三姉妹(博多那珂川縁)

三姉妹人形(小島与一作品)福岡市立博物館所蔵
 博多人形は、掛け値なしで福岡を代表する民芸品である。中でも、明治時代から活躍した小島与一は、その代表的作家だ。小島の代表作は「三人舞妓」。福岡市立博物館に寄贈され、現在も展示されている。
一体は福岡市民のみならず、全国から訪れる中州の福博であい橋」に置かれている。三人姉妹は、恋人たちの末永い平和を約束してくれる人形なのである。

博多張り子


代表的な首ふり虎と起き上がりだるま

博多どんたくでお馴染み・男女かつら

起き上がりこぼし

ひょっとこ
 博多張り子は、主に福岡市の博多区で作られる伝統工芸品です。江戸時代の中期に上方(大坂地方)から伝わってきたと言われています。木型に和紙や新聞紙を貼り重ねて形を作り、その後に色をつけて仕上げます。
子供の成長祈願や安産祈願、祝い事などの贈り物に重宝がられてきました。今では、観光客の土産品としても売られています。

今宿人形


めでたい、めでたいのう

笹の才蔵

左:猿面 右:祝い人形

招き猫

製作中の佐藤さん
 今宿人形は、福岡市西区今宿で生まれ育った伝統的な民族土人形です。明治期に大橋清助が創始した郷土玩具です。質素な土の質感と丁寧な彩色が特徴で、縁起物として親しまれてきました。
 代表的なものとしては、毎年2月に福岡市西区の猿田彦神社で行われる初庚申祭で授与される「猿面」があります。他にも、写真のような博多人形や「笹の才蔵」なる人形があります。いずれも贈り物や飾り物など縁起を担いで買い求めます。

博多おきあげ

重なる布のぬくもりと美しさ 受け継がれる博多の押絵

「おきあげとは、描いた絵を布や綿を使って立体化した押し絵のことです。上図のように、羽子板や飾り物として、全国各地で創られてきました。江戸時代に宮中の女官らによって作られており、幕末に、今の博多区須崎町にいた画家・村田東圃(とうほ)の妻・千賀が博多の町に広めたと言われています。明治、大正時代には博多の女性の教養の一つでした。
博多では、女の子の誕生を祝って、贈る習慣がありました。
博多おきあげの特徴は、手描きの面相(顔)の美しさと繊細さだと言われます。職人が、一つ一つ手描きで顔を描くことが魅力です。
現在は、清水清子さん親子が技法を継承しているとのことです。伝承者が明確であることも、他地域の押し絵と比べても特徴的です。

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