読者感想

 25年前に発表した「大河を遡る・九重高原開拓史」を読んでくださったお方から嬉しいお便りが届きました。出版物とは、こんなに末永く、幅広いお方が大切にしてくれるものかと、改めて感動しているところです。

「大河を遡る」は。本サイト「筑紫次郎の世界」でご覧頂けます。

「大河を遡る・九重高原開拓史」を読んで

神奈川県在住 Y.Yさん

 しつこい残暑が続きますが、昨日あたりベランダに吹き来る風に秋を感じました。
九重には3回ほど登りました。一回目は中学1年の夏、12、3人で、担任の先生の引率で。二回目は会社の同僚男女6人で。三回目は結婚して妻と妹・弟4人で。
特に三回目は妻の会社の関係で(会社が開拓団の民家を買い取って山小屋として利用)。千町無田を横切り、登山道の入り口辺りの山小屋で一泊しました。
この「九重高原開拓史」の知識が当時あれば、単なる登山ではなく、もっと感慨のある旅になったことと思います。
 また開拓団が水天宮を出発して御井の高良大社の鳥居の所で休憩。この場所は、私の実家から歩いて15分くらいかかった所にあります。ここから東に向かう旧道のルートは、実家の前の道を車力を引きながら、よく通ったことを思い出します。
 リコーに入社して、九州三愛観光株式会社を設立、瀬の本高原に三愛レストハウスを建設、経理の責任者として1年間(27才頃)派遣され、湯布院の銀行によく行きました。
 この間、昭和天皇・皇后両陛下の九州行幸の折、大分県警と熊本県警の護衛引き継ぎが三愛レストハウスで行われ、当時の市村清社長が先導され、我々幹部は近くでお迎え致しました。近隣の町・村・集落からたくさんの人が集まったことを思い出します。
 この開拓史に出てくる地名・山・川・ルートのほとんどが我が青春の足跡でもありました。
感動とともに懐かしく読ませて頂きました。


作者より

 四半世紀むかしに発表した拙作に目を通して頂き、その上貴重な感想文までお寄せくださったことに、感謝感謝です。
 文中登場する地名など、ご記憶されていたことに恐れ入ります。中でも瀬の本高原の三愛レストハウスは、本著や筑紫次郎の伝説紀行の取材の折、やまなみハイウェ-を通過する度に食事や休憩場所として立ち寄った建物です。そこに、身近なお方が大きく関わっていらしゃったとは、なおさらながら大感激です。
 若い人たちには、本著を参考にして頂きながら、九重高原の四季を十分に楽しんでほしいものです。
 2025年9月28日

古賀 勝

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