おバカな秋の物語
11月5日の記。
夕べはあまり眠れなかった。
一週間ぶりに入れた携帯のEメール。枕元に置いた携帯電話は、
結局鳴らず終い。
過ぎ去りし日々の中で、お互いの気持ちが少しずつ色褪せてき
ていたのか・・・。
みん広で行き交うMSGの中で出会って、そこから交流が生ま
れ、貴女はこんな俺を好きになってくれた。
初めは冗談だと思っていた。俺にはネット上は架空の人々が行
き交う所だと思っていたから。だから架空の存在のハンドルの
異性に、好意を持っても恋愛感情が生まれる事は、今までなか
った。
メールは基本的に嫌いという俺も、返信を繰り返す過程の中で、
個人にしか発信しないMSGの楽しさを知り、何時しか貴女へ
メールを書くことが、時間を割くことが楽しくなっていった。
そしてメールを続ける過程で、お互いをもっと知りたくなり、
メールに時折画像を添付して送るようになり、貴女は架空の存
在ではなくなった。
お互いの住む距離に戸惑いがあったものの、貴女は俺の誕生日
頃、俺の元へ逢いに来てくれた。そして本当の意味で好きにな
った。と言うより、お互いの意志を確認できた気がした。
それから約3ヶ月が過ぎ、今度は俺が貴女の誕生日頃、貴女の
住む町へ逢いに出かけた。それは今でも時折、走馬燈のように
蘇る。
でもいつ頃からか、毎日掛け合った携帯電話も時折休みがちに
なり、携帯のEメールだけが、2人だけの世界、2人の距離を
繋ぎ止めてくれていた。
お互い嫌いにはなって居なくても、出逢った頃のようなときめ
きは、時の過ぎゆく中で見失ってきていたんだよね。きっと。
お互いの事情、仕事の忙しさがそれに拍車をかけ・・・。
でも貴女との距離を物理的に埋められる術は、携帯電話しかな
かった。
が、以前はマメだった携帯電話も数が少なくなり、変わりに携
帯のEメールがその役割を果たすようになる。お互いの電話代
バカにならない金額だったもんね。
そしてそんな時期を相互して、先週の土日を向かえる。
俺が虚しくなったのは、貴女が泊まりで出かける際に携帯電話
を家に忘れたこと。
携帯を持つ人の心理って普遍だと思うんよ。心理学関係の本に
もそんな事は書かれてないけど。真実はどうでもいいの、こん
なに便利な携帯を、と言うより便利さを知っている人なら、携
帯電話は忘れないでしょ。忘れるとすれば、それは意図的に携
帯電話の便利さを嫌うか何か。
土曜日に入れた携帯のEメールは、その日はとうとう返信がな
かった。そんな事は今まで一度もなかった。
次の日の日曜日、心配している旨のメールなどを出すものの、
貴女からは何の音沙汰もない。そして午後、貴女から俺の携帯
にEメールが入る。そして貴女が携帯電話を家に忘れて、その
間俺が掛けた電話に家の人が反応していたことを知らされる。
俺が虚しくなったのは、貴女の手元にない携帯電話に、俺の仕
事の合間をぬってかけたEメール・電話に、貴女の家の人が反
応していた事をあっけからんと貴女に知らされたこと。
その時、俺一人で何やってるんだろう?って思ったんよ。その
時もうどうでもいいやって思ったんよ。今日の花言葉のように
、一緒に踊ってほしかった。
でも1週間の猶予がアダとなり、意地を張り過ぎて、大切な人
を失っちゃったみたい。なんて俺っておバカなんだろう。
でも最後に貴女の声を聞きたかったよ〜。(涙)
貴女から借りたCDは、来週送ります。
俺が送った植物 大切にしてね。貴女も幸せにね。嫌いにはな
ってないから遠くで見守ってます★
このまま別れるにしろ、憎み逢って別れたくはないんよ。
都合が良すぎるのかも知れないけど。
[2001/01/17 20:32:23]