平成17年度 第1回
商船高等専門学校振興協議会
運営委員会 議事概要

日 時 : 平成17年7月1日 12:00〜15:55
場 所 : 全船協神戸支部
出席者 : (敬称略)
| 学 校 |
富山商船高等専門学校
商船学科教授 朝野 洋 |
鳥羽商船高等専門学校
(スケジュールの都合で欠席) |
広島商船高等専門学校
商船学科教授 水井 真治 |
大島商船高等専門学校
商船学科教授 福谷 恒男 |
弓削商船高等専門学校
商船学科助教授 児玉 敬一 |
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| 協 会 |
(会 長) 川村 赳 |
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| (副会長) 田葉 行宏 |
(副会長) 菱田 司 |
| (専務理事) 角田 稔 |
(理 事) 東 功 |
| (理 事) 入江久寿弥太 |
(事務局長) 本望 隆司 |
配布資料
1号 第1期乗船研修者リスト
2号 コースタル部門乗船研修制度1期生の中間報告 (会報第98号のコピー)
3号 『内航貨物船乗組制度の見直し (資格制度・部門間兼務等)』 と商船高専教育の今後の検討課題
(会報第97号のコピー)
4号 カリキュラム (海上技術短大・海上技術学校と商船高専)
5号 海事新聞6月14日付け (日本人配乗要件撤廃で合意)
6号 平成17年度卒業予定者の就職確定状況 (鳥羽商船高専)
7号 平成17年度卒業生の進路 (弓削商船高専)
当日配布資料
大島・広島・富山各商船高専の卒業生の進路資料、
乗船研修制度の手引き、 全船協の概要、
栗林マリタイム求人票

議事の概要
(質疑は学校側は商船高専、 全船協側は全船協と表示した)
1. 委員の自己紹介
2. 会長挨拶
商船高専が抱える具体的な問題はこの振興協議会で審議している。 独立行政法人化の中で専攻科新設問題が浮上し、 この振興協議会を通じて学校間の意見を調整し意思統一を図ってきたと言う経緯がある。 また、 商船高専卒業者の海上就職率向上のため、 コースタル乗船研修制度を平成16年8月に導入を実現したが、 この振興協議会で意見交換と情報収集を行ってきた。 この事業実現に際し国交省の指導による定款の改正と、 研修貸付基金として全船協の基本財産を取崩すため、 国土交通大臣の承認を必要としたので時間がかかった。 そのため具体的に事業がスタートできたのは昨年の8月末であり、 9月の商船学科卒業生の募集には時間が少なかった。 それでも10名が応募し、 新卒者8名は全員研修生として採用された (既卒の2名は受け入れ船社がなかった)。 8名の内1名は本人の意思で途中で止めたが、 あとは全員順調に研修を消化している。 6ヶ月以内の研修期間と定めているが、 2ヶ月で研修を打ち切り正式採用された者もいる。
商船高専は独立行政法人化されたが、 大きな課題は各校共通して横の連携が極めて薄いと言う点が指摘されている。 現在独立行政法人の見直しがされているが、 特に商船学科については横の連携を密にして同じ歩調で対応する必要がある。
独立行政法人見直しで指摘されている点は、 その学校の学科が生かされる就職がどれだけされているかと言う点である。 就職率が高くても本来の学科が生かされる就職率がどうかチェックされている。 商船学科はいかに船の職場に入っていけるかが大きな課題であるが、 このことは学校も卒業生を会員とする本協会とも共通した課題である。 この振興協議会の役割はきわめて大きいという点を理解いただきたい。
各校の校長とは、 独法化や専攻科設置の過程で5校校長が上京された際に懇談の機会を設けてきた。 新規事業の構想についても説明し理解を得てきたが、 現状については詳細に知らないというのが実態であろう。 当番校 (広島) を通じて5校の校長と懇談会開催をお願いしていきたい。 学校のトップと学科担当の先生とが十分連携をとっていかないとうまくいかない。
本日は、 皆さんから見た問題点と、 今後の改善の方向性などを中心に論議してもらいたい。 また、 インターンシップについては、 前回のこの場でも学校側から出されているが、 在学中の学生の問題であり、 全船協の会員ではないため我々は表立ってタッチできないが、 学校の要望について関係業界とその点について話をするというお手伝いは出来る。
質 疑
商船高専 商船学科卒業生がどれくらい関連産業に就職したかという事は重要な点であると考えている。 それに関連して、 専攻科設置申請の際機構から 「関連産業への就職率は30パーセントが目安である、 現実には28パーセント程度である、 専攻科設置を言う前にこの就職率を向上させることが先ではないか」 と指摘された。 これに対して我々は 「28パーセントは国土交通省のデータであるが取り方が違っている、 我々の取り方では30パーセントを超えている、 常にこの比率には注意を払っている」 と反論した。 この比率を我々としてどの程度を目標にすべきなのか?
全船協 独立行政法人の評価は各省庁の評価委員会が行ない、 さらに総務省が意見を述べ勧告するなど総合的な観点から行っており、 国土交通省には所管の船員教育機関の統合化・民営化を図るよう圧力がかかっている。 それに抵抗しているのが実情である。 就職率についてはこちらから指摘は出来ないが当面低くても年々向上していることが必要であると思う。
商船高専 30パーセントという率は低いが、 我々から見れば卒業時は人数が減る、 さらに大学への編入がある、 大学進学してから船員になるものも多い、 これが数に入らない。 今後専攻科が出来るのでそこに入る人数も出てくるがそれが船員になる場合もある。 これらは船員になったにもかかわらず船員のカテゴリーに入らない。
全船協 進学は卒業後の就職者の総数入れられているのか。
商船高専 進学というカテゴリーに入る。 その点は今後きちんと仕分けして説明する必要があると考えている。
全船協 就職先は外航から港湾まで幅が広い、 学校としても生徒の希望もあるが、 海上職域への就職を指導していかないと、 教育機関も削減されてしまう恐れがある。 船員の採用がなければレベルも下がるし人も集まらないのは当然である。 船社は必要となったら何でもやりだす、 国土交通省は内航船社の要望に応えて同省所管の範囲でトライアル雇用や様々な対応をしている。 文部省所管の船員教育機関はそこから除外されている。 本協会としてはそこに対して問題を突きつけ、 卒業生の乗船研修制度を認めさせてきた。
3. 報告事項
コースタル乗船研修制度の導入経過ならびに制度の内容について
平成15年度から昨年度の制度の承認までの経過ならびに、 乗船研修制度の内容について事務局長より報告した。
質 疑
商船高専 先日内航のある船社を訪問したが、 「商船高専の教育はもっとしっかりしてもらわなければ困る」 とお叱りを受けた。 学生は船の希望が多く当面内航の採用が増えているのだが、 練習船の教育も含め内航の実態と合っておらず、 内航に行った場合に教育内容とかけ離れた実態にびっくりし萎縮するのではないかと思う。 かつてのアプレンティス制度があれば実態があらかじめわかるので良かった。
全船協 今言われた会社は我々の会員が役員をやっており、 この制度を熟知しつつ研修生を受け入れている。 我々は人脈を通じて側面から推進を図っているということもご理解いただきたい。
全船協 内航の船内ではベテランばかりとなって、 若い者が来たら育ててやろうという風土がある、 そこは船機長以外は外国人という外航と違うところである。 ただ、 あまり育てるのを急ぎすぎると、 若い者がもたなくなるという側面がある。 また、 内航は商船高専にたいして拒否反応がある。 研修制度の立ち上げの際も 「海員学校から採用しようとしているのに、 商船高専は横から無理に割り込んでくるのか」 という批判も強かった。 我々はこれについて 「海員学校は4級免状であり、 我々は3級免状を必要とする会社が対象である」 という方針を示し理解を求めてきた。
商船高専 カーフェリーが大きな比率を占めているが、 この業界も厳しく余裕が無いので採用への投資が困難なようだ。
全船協 確かに燃料高騰もあり厳しい。 担当者レベルでは採用したくても、 経営レベルでは簡単に認めない状況である。 フェリーは社内教育をかなりしないと一人前に使えないが、 全船協の研修制度により社内教育の一部を肩代わり出来れば採用が促進する要因となる。 その点も考えて希望者があれば地方も含め色々会社はあるので、 こちらに出して欲しい。 今内航は売り手市場に変わりつつある。 早く対処しないと人不足が深刻になる。
全船協 新採用してもすぐ止めていくケースも多い。 それに対してこの研修制度は定着率を向上させる効果がある。 商船高専卒業者は会社経営の後継者としても期待されている。 商船大学は吸収合併され将来はどうなるか分からないが商船高専は卒業生を船に維持・確保して、 経営のスタッフとしても育てることを考えていかなければならない。 また、 いざと言う時に外航への船員の供給も可能となる。 学校・先輩・卒業生が同じ気持ちで取り組んでいけば将来は開ける。
全船協 少数とはいえ外航に採用されているということは、 入社試験に通っているということであり、 それだけのレベルの教育をしていることになる。 ところが外航船社は一般の大学からも船員を募集すると言い出した。 商船高専は勉強が足りないと言われているようなものではないか。
商船高専 乗船研修制度はありがたい制度だが、 2級以上の筆記資格を条件にしている会社があり、 学生にとっては厳しい条件である。 船に乗りたい気持ちがあっても行けない事態となる。 専門科目は4年生から始めるので、 在学中に2級以上の筆記を受けるのは難しい。 それが可能なハイレベルの学生以外は内航に行けないことになり、 今年の卒業生は研修制度の希望者が少ない。 もっと幅を広げられないかと思う。
全船協 すべてが2級以上とは言っていない。 希望者は名乗り出てほしい。
商船高専 外航大手では海技免状の有無は条件ではないと言うが、 結果的に上級海技免状が無い者は採用されていない。
商船高専 外航大手船社では社員を毎年応募者2000名の中から採用する、 船員は50名の中から甲機20名採用すると言う。 「受けたものはもっと多いはずでは」 と確認すると、 それは単にエントリーした者は総数に入れていないと言う、 つまり2級が無い者は応募数に入れないということである。 しかし学校に説明に来たときは 「免状は関係ない、 やる気の問題だ」 と説明する。 もう一つの問題は、 4月に試験をするが受験説明は2月頃にある、 商船高専は4年生で2級筆記を持っていないとテーブルにも乗らない。 会社は学生の事情は考えてくれない、 単に免状があり優秀であれば良いと事務的に考えて処理するだけのような感じである。
全船協 会社から見れば免状の有無ではなく、 社内試験でその人の能力はわかる。
商船高専 大手船社の現実を見ると、 学卒を育てるという考えは薄いように感ずる。 学卒とは無関係に、 一定レベルの人間を必要数採用すればよいと割り切っているようだ。 従って本当の意味で人を育てていこうと言う考えは感じられない。 エンジニアーは少しは可能性があるが、 オフィサーは可能性がほぼ無いと同じ状態であるから内航やフェリーに向かうしかないと思う。
全船協 一般大学から募集したら沢山応募があり、 5名採用したと言う事だ。
全船協 先程4年生からしか専門課程を教えないと聞いて驚いた。 かつては1年生から5年間専門学を学んで卒業した。 これでは入社試験に受からなくても当然だ。 1年程度の詰め込み教育では役に立たない。
全船協 以前現場体験をさせるため学生をターミナルに案内したことがあるが、 途中色々質問したがぜんぜん答えられない、 その点を学校の先生に言ったら 『申し訳ないまだ勉強してないんです』 と言う、 われわれの頃は1年から習っているからそれくらいは知っていて当然と思っていた。
商船高専 海上の就職が減ってきた段階で高卒のレベルの維持を優先し3年間はほとんど一般科目を教え、 多くの専門科目は4年生から教えることとなった。
全船協 船社もそうだが、 タグボート業界でも厳しい環境の中でやっていかなければならない、 1.5人前以上働くことが必要である。 新卒よりも即戦力として経験者を採用せざるを得ない。
商船高専 高等専門学校の中の商船学科として縛りがある。 高等学校卒のレベルの一般教養をやることが前提条件となっている。 3級免状を出すので4学年以降それに相応した専門教育をやらなければならない。 船社の入社試験はまだ教育していない段階で受ける事態になっている。
全船協 学校のための教育なのか、 船員養成の教育なのかと言う問題になる。 かつては採用は少なかったが、 今は現実に船員不足で明日からどうなるかと言う状況である。 事態の変動は早い、 それについていく必要がある。
商船高専 2級以上の資格条件を求められれば、 現状では丸暗記をさせてとにかく試験を受けさせ通ったとしても身についていない。 それで即戦力として採用したいと言うが、 中身が伴っていないような人間で良いんですかと船社に言ったことがある。
全船協 資格社会であり、 2級と言えばそれなりの評価がされるし、 将来の船機長のステップである。 即戦力と言っても何十年の経験者と同じ仕事はすぐには出来ない。 理論と実践が一致させられるのには長い経験が必要である。
全船協 即戦力とは、 国交省で問題にされているのは、 内航のことである。 内航はギリギリの定員なので、 採用してもすぐ一人当直が出来るということが即戦力の定義とされている。 海員学校の教育も練習船の教育内容も国交省主導でそれに合わせて作り変えている。 それでなければ内航には採用しないという事であり、 商船高専はどうするのかという事が問われている。
また、 2級以上の条件については、 このような会社はそんなに多くは無い。 内航の大手船社では3級を持った部員が多数いる。 その中に商船高専出が職員として乗船しても船内で受け入れてもらえない、 だから2級以上を持ってきて欲しいというのである。 それは本人のためでもある。
全船協 9月に高専を卒業しても口述試験は定期試験の12月まで待たされる。 すぐに乗船できないという問題がある。 練習船下船までに口述試験を受けられないのかと国交省の担当者に聞いたところ、 9月末までが練習船の乗船期間となっており乗船履歴のカウント上、 期間終了以降でないと口述試験は受けられないとの回答であった。
商船高専 一方では新3級制度のような、 商船教育を受けていない者にも枠を広げる対応をし、 他方で5年以上もかかる商船教育機関にはこうした縛られた運用がなされているという点は矛盾していると思う。 新3級海技士は活性化のためにはやむを得ないにしても、 全体として統一性に欠けているという感じである。
4. 審議事項
1) コースタル乗船研修事業の実施計画・本年度卒業生の進路状況ならびに商船高専の将来の問題について
角田専務理事より次の説明があった。
本年度の計画としては、 大型カーフェリー労務協会と打ち合わせを行い、 傘下各社に呼びかけてもらうことにしている。
現場ではほとんどの研修生が定員外で乗船し研修実施しているので効果が上がっている。 いきなり定員として乗せても教えられないと現場では言っているし、 研修生もその方が都合が良いようだ。
現在の研修生のうち1名は近海の外航船である。 この船は混乗船で日本人は船長と本人の二人であり、 この研修は将来船舶管理者として養成することを目的としている。
日本人海技者は一生船乗りで過ごす時代は終わったと言える。 船員の経験を積んだら陸上で船舶管理や運航管理をする人材を求められる時代となった。 そのためには語学力や国際感覚も重視される。
特に内航船では年齢の差が大きく、 研修生のすぐ上は30歳代以上でギャップが大きい船内で話し相手もいないのでストレスがたまる。 全船協としても学校とタイアップして何らかのバックアップを考えて行きたい。 また、 外航では周りは外国人なので言葉の問題がある、 さらに外国人の職員は優秀な人材が多く三航士として外国人一・ニ航士の下で働いた時、 知識が不足すると日本人のように指導してもらえないし、 相手にされなくなるのが実情の様である。
このような状況を踏まえ、 本年度はさらに乗船研修制度を発展させていきたいので、 学校側の協力をお願いしたい。 また、 この制度に関すること、 それに関連する問題として本年度卒業生の現在の進路状況、 商船高専の将来の問題なども含めて審議をお願いしたい。
審 議
全船協 外航では将来の船舶管理者養成が採用の基準となっている。 色々な会社のルートがあるので、 一社がだめでも連絡してもらえば他の会社を探すことは可能である。
商船高専 そのようなルートが出来れば、 すぐ相談して対応できる。 そうすれば学生もそれを見て安心できる。 先輩・後輩のつながりが実感できる。 そのようなレールが出来ることが大切だ。
全船協 研修生には学校に帰って後輩に研修について説明してやれと言っている。 筆記試験は科目別に2年間有効であるが、 中には2年過ぎて無効になりやり直さなければならない者もいる。 在学中に筆記はクリヤーするようアドバイスしてやるように言っている。 こうした実態を報告にまとめて出したい。
全船協 我々は、 船に乗れるなら何処でもよいと言うわけにはいかない、 就職しても3ヶ月もしたら止めてしまったと言うような職場では意味が無い。 そのために3級資格を必要とする会社などの条件をつけている。 その部分だけでも開拓して行きたいと考えている。 したがって学校側はこの事業は一つの選択肢であると理解してほしい。 幅広く船へのソースを確保していかなければならない。 商船高専の卒業生が安定して採用されるようになれば、 研修制度の必要性も無くなる時が来る。 その時までに優秀な学生を送ってほしい。
船員教育機関は文科省と国交省があり、 今後どうするかと言う検討が始まった段階で、 国交省は全船協が商船高専を掲げて動き回られることは好ましいとは思っていなかったようだが、 最終的には全船協の役割は評価すると認めることとなった。 したがってそれなりにやっていかなければならない。 そのために学校の体制が重要だ。 学内の横の連絡が悪い現状では困る。
商船高専は商船学科でもっているのであり、 これが無くなったら存続が困難となろう。 全船協は運命共同体だと思ってやっているのでよろしくお願いしたい。
全船協 商船学科は40名定員で少ないが少子高齢化でやむを得ないとしても、 進学などを考えると船に就職する数は非常に少なくなる。 学校としては数の確保の努力をお願いしたい。
商船高専 専攻科希望者のうちかなりの数は船員希望だが、 とりあえず時間稼ぎ的に専攻科を志望している。 2年待ってもらえば船に乗せられる傾向である。
商船高専 専攻科生に対し企業は高専でもない、 大学でもない中途半端な存在と言う認識を持っているように感じる。
今年度卒業者の進路は船員になる者が多いが乗船研修制度に乗る者は少ない現状のようだ。 まだこの制度の認識が薄いので努力が必要であると思う。
商船学科の存続についてもあまり熱心に動いているとは言えないが、 学生は船に乗る希望者が多いので更に努力していきたい。
全船協 この制度推進に当たり、 業界とも話を進めている。 大型カーフェリー労務協会とも話をしており、 採用は本協会の研修制度によるという打合せもしているので、 今採用と言っている対象は研修制度による採用となる可能性があることを承知していてほしい。
全船協 外国船主の船舶管理者が、 日本人の大学院出身者を採用したいと言っている。 語学力とコンピューター技術を見込んでのことである。 その点では専攻科の教育目標になるのではないか。 まさに、 本科・専攻科とも英語教育の充実により学生の実力を向上させ活性化を計るべきだ。
商船高専 専攻科が出来てそこに入れば本格的な勉強が出来るという意識に変わっているようだ。 その意味では将来的に意義があると思う。
全船協 練習船の間に英語教育を強化すべきだ。 外航船社の社内では書類の半分以上は英語である。 語学力の強化が必要だ。
全船協 練習船での英語教育は外国人講師をいれるなど、 強化を図りつつあると言われるが、 学校側からもさらにその点訓練所に要望してほしい。
全船協 タグ業界では、 規制緩和でノーパイロットの範囲が広がったため、 タグ乗組員は英語で直接外国人船長とやり取りする必要に迫られている。 英語教材の作成などあわててやっているところである。 内航でも英語の必要性が広まっている。
2) 海技免状制度上の問題点について
会長より次の説明があった。
内航活性化3法が本年4月から施行されたが、 この中で定員の定めが明確になった。 同時に海技資格に新たに甲機両用制度が入ってきた。 現在海員学校を出ると甲機両方の4級筆記が免除され、 口述が通れば資格が付与される。 船内では兼務雇入れを可能として、 両用資格が認められることとなった。 機関士であれば航海士や甲板手として両方の雇入れが認められることとなった。 しかも経歴はダブルカウントされるので片方しか資格の無い商船高専卒業生はきわめて不利な立場におかれている。 これをどうするのかと言うことが問題になっている。
この点について、 国交省は海員学校の必要なカリキュラムは定められている、 商船高専がそうしたいなら同じカリキュラムを消化してもらう必要があるという主旨の回答である。 今後この問題をどう対処していくか検討してもらいたい。

審 議
商船高専 以前に近代化教育を実施していたが、 今回は免状のレベルが本体は3級資格で反対資格は4級と言う理解でよいのか。
全船協 その通りである。 今度の法改正で限定近海資格を導入し、 しかもその範囲を拡大したため、 5000トン以下は4級資格で限定近海の船機長が出来るようになる。 そこで兼務雇入れも可能となる為、 内航を目指す商船高専卒は3級資格があってもきわめて不利である。 内航の大型 RORO 船やカーフェリーではまだ兼務雇入れは考えていないが、 内航タンカーは実施を考えているようで、 この部門に研修生を送り込みたいと考えているがうまくいかない。
商船高専 反対教育は現在でもいくらかやっているので、 それにプラスアルファを考えてカリキュラムの微修正を行なえば、 座学分はなんとかなると思われる。 問題なのは航海訓練所の練習船カリキュラム内容の一部変更と単位の読み替えである。 これについては学校だけで決められる問題ではないので、 しかるべき筋を通して働きかける必要がある。 その際最も大切なのは商船高専5校が統一歩調を取ることである。 この点はトップを含めその方向を目指さないと困難である。
全船協 練習船対策については、 確かに5校が足並みをそろえて働きかけをする必要がある。 現在当番校の広島商船を通じて5校長との懇談会開催を呼びかけており、 近いうちに実現すると思うので、 その際この問題を提起したい。
5. その他
商船高専 水先問題について制度が変更される方向が出ているが、 どのような方向になるのか。
全船協 大手企業は人がいなくなり従来の供給体制はなくなった。 内航など広く後継者を求めざるを得なくなっている。 水先制度そのものの変革も実施段階にある。 本協会も後継者対策として会員で水先人を目指す人のバックアップを検討実施している。 国交省の動きは同省のホームページに詳細に議事録や資料が出されている。 平成19年4月から新制度の実施を考えているようだ。
全船協 ある船社では LNG 船の新造をして船長が必要となる為、 パイロットになりたい船長がいても受験させてもらえないという事例もある。 中には、 定年後も契約社員のような形で給与を若干下げて60歳代まで乗船してもらいたいということを言われたというケースもある。 人不足が深刻で水先人は独自養成が必要となるだろう。
全船協 今は、 就職が少なく厳しいがこれから日本船員の必要性は増してくる、 したがって卒業生は必ず海技免状だけは取得するよう指導してほしい。 資格は一生じゃまになるものではない。
商船高専 そのとおりである。 我々も指導を強めていきたい。
終わりに会長よりまとめを次の通り行った。
本協会の事業に引続き協力をお願いしたい。 また、 新しく出てくる問題について5校の校長と意見交換の場を持ちたい。
当協会で預かった研修生については当方で責任をもって事後も面倒を見るが、 学校側には30歳くらいまで卒業生の就職後の追跡調査をお願いしたい。 退職した場合、 大手は中途採用を密かにやっているようだし、 内航の即戦力の対象ともなりうる。 本協会が再就職の支援を出来る可能性があるのでその点の調査である。
商船高専側から締めくくりとして次の意見があった。
両用教育については対応したいと思うが、 5校がまとまって足並みをそろえて取組む必要がある。 個々の学校単位で本件について動くことは止めておきたい。
5校長と全船協との懇談については校長に報告し実現をはかりたい。
以 上 |