→  小技自慢する迷惑なコーナー?
【Z系 エンジン周辺】

管理人が ドクターX と化してメスを振るう (^^)v

興味
のある方だけを対象に、何かの参考になれば幸いです・・・


注) あくまで管理人の経験則として 
実際の作業は自己責任の範疇でお願いします。




【術式目録】


アジャスタブル機能追加施工術    カムタイミング調整
アースフック背面開腹術         スパークプラグ スリット加工
ピストンリング簡易挿入術        ヨシムラ860ピストン組込
フィン欠け移植再生術         シリンダーヘッドフィン欠け修理
カバー肉盛り再生術             転倒エンジンカバー修理
腹打ちマフラー打撃拡張術          腹打ちマフラー修理
リンケージ新規製作術        移植GSXRキャブリンケージ新作
タイラップ吊るし術             片持ち社外キャブの安定に


【カムスプロケ長穴加工/タイミング調整】 
アジャスタブル機能追加施工術

   
【目的】
@バルブタイミングを管理する             
Aバルブタイミングの基本知識の習得        

【手段】
@バルブタイミングを正確に測る            
                                 

手順@ 準備:タイミングプレート


ZはM8ネジのためタイミングプレート8Φ穴の物を使うと
簡単に取り付けることができます。 
しかも正確に測ることにもつながります。

今回ボルトは M8全ネジ×120Lを購入。





手順A ピストン上死点測定


4番のカム山が内内に向いて
クランクのTマークが合うところが上死点となります。

ダイヤルゲージ測定子プラグホールを利用して
ピストン上面に当てます。
ダイヤルゲージスピンドルピストンストローク線上と一致するように
ダイヤルゲージと位置決めをすること=正確に測定

17oメガネレンチでクランクを時計方向にゆっくりと回し
ピストン上死点を探ります。

Z3台測定の結果、上死点は1〜2°で抜けます。
針が止まった位置を上死点とします。
また遅れは8°〜10°あるのが一般的?

測定は全て正回転で測ります。
回しすぎたら少し多めに逆回転してから正回転で。


手順B カム上死点(ロブセンター)測定


ピストン上死点と同じ要領でカム上死点(ロブセンター)を測ります。

可能な限りシム上面スピンドルを直角にあてる。
今回は正確を期するためカムの逃がしを付けた測定子を製作。

ダイヤルゲージの数値が止まった位置(〇〇°-〇〇°)を読み取る。
頂点は中央値として表す。 EXは左回りでカウント
今回の目標 IN;103〜105 EX;105〜107
分かりやすく書くと  IN;103〜105 EX;-107-105

Z3台測定の結果、カム上死点は5〜10°の幅があります。
中央値を算出して上死点(ロブセンター)として判断しましょう。
1oリフトを測って中央値を計算で出す方法もありますが
ノーマルカム合わせの場合は上死点探しで充分です。
経験上両者の違いは1°以内でした。


手順C カムスプロケット加工


カム上死点角度をずらす必要があると判断したら
調整用の長穴を丸ヤスリで加工します。

通常マニュアルの基準値よりタイミングが遅くなってるので
この場合は、時計周り方向に長穴を広げます。

長穴3mm約17°の調整が可能。


遮音材のカット


金切りノコで切れ目を入れてハツります。


手順D ネジの脱脂


ネジ穴はゆるみ止めが残っているのでタップでさらえます。
ボルトが手でねじ込めることを確認。

スプロケのネジとカムのネジ穴を脱脂


手順E カムタイミング合わせ


スプロケットを仮止めして、手順Bの要領で最大リフト角を測定し
必要によってスプロケをずらして目標の角度に合わせます。

見えているボルトを締めて仮固定
クランクを回して他の2本のボルトネジロックを塗布して本固定
最後に仮固定していたボルトネジロックを塗布して本固定

IN。EX同様に行います。
最後にカム上死点、ピストン上死点を再確認して作業は完了です。


【使った道具】


上死点を見るだけならダイヤルゲージ手順Aで使用したアナログがベストです。
今回はスリンドルの動きが鈍く針の動きが読み取りにくかったので
途中よりデジタルを使用しました。

Zに関して、2バルブでプラグホールが横向きのため専用の測定子を作りました。

またカムが邪魔して測りにくいためカムに合わせた逃がし測定子も製作。


【プラグ スリット加工】 アースフック背面開腹術

   
【目的】
@始動性の向上のため、プラグ点火で発生した火炎核の熱を
 接地電極が奪いにくくし、火炎核の成長を促進する。
AパワーUPのため、接地電極火炎伝播の「影」となることを防ぎ      
 火炎伝播が全周に渡りピストンに均一な爆発膨張を起こさせる。        
B試行による加工技術技能の習得
C品質及び生産性の追求

【手段】
@スリットを入れることて接地電極の体積を減らす。                  
Aスリット空間を広げることでスリットの入った接地電極の強度を維持し     
 接地電極の壁(影)を目立たなくする。    

スリットプラグに関しては特許が取られています。
個人で楽しむ範囲に止めましょう。

                                 

手順@ 切断砥石にてスリットを入れる


接地電極先端1mm以上残す

目視で確認しながら慎重に切断
(連続でやれば1台分が5分で終わります)

砥石切断機がない場合は、ヤスリ・糸鋸・リューター等で代用します。


手順A 余計に残った内側部分を打撃で潰す


手順@砥石が届かなかった内側部分ドライバー先端潰します
接地電極の体積を減らすために更に追い打ちをかけるんです。
って言うか、まぁ自己満足の世界ですね。  (^^)v


これが(↓左)ドライバーで潰すこんな形状(↓右)になります。





手順B 内側に出たバリを斫る


手順B内側に発生したバリ斫ります。

ここでは金切鋸刃を削ったものを使用。



手順C サンドペーパーで内側の面を取る


スリット内側の角を細く切ったサンドペーパーで均します。

タオルで股間をしごくように・・・ ここは手間暇を惜しまず念入りに!

表面の引っ掛かり丸ヤスリシコシコと。

あとで鉄片シリンダー内に落ちるようなことがあった致命傷です。



手順D 整形と清掃


スリット部ドライバー先端を差し込んで形を整えます。

接地電極の壁(影)と言うことからすれば
接地電極断面積を更に少なく削る
又は流線型を求め翼型にする方法がありますが
ここでは接地電極強度を優先してこれ以上の減肉は行いません。

その代わりにここの空間をいかに稼ぐかが効果に直結すると考えます。

こちらはスリット間隔を2o以上とした「匠手仕上げVer


異物残りが無いよう、エアーを吹かして完成です。


【総評】
手際の良さではTopクラスを行ってるという自負があります。 (^_-)-☆


【特工?】 ピストンリング簡易挿入術

   
【目的】
@ボアアップして薄くなったスリーブに、安全にピストンリングを入れる。   
A試行による作業の簡略化

【手段】
@リングを挟んで縮める      
                                

自分は 初めに2・3番を入れます。

2・3番下に樹脂板で下駄をはかせて固定。



リングステンホースバンドで。
しかも指の力だけでリングが収まる。



注:ウソみたいですが、これで足りるんです。 


【溶接】 フィン欠け移植再生術

【目的】
@オブジェとして見た目の完品を目指す。
A試行による技術技能の習得

【手段】
@フィン欠けにアルミ材を溶接でつぎ足す。       
                                



補修用にアルミ型材をもらって来ました。




段差がないように仮止めして、あとは溶接するだけの状態にします。
フィン下にも当て物をしてフィンが傾かないようにしてます。




熔接は、毎度お世話になってる○○社長直々の作業です。 m(__)m
裏側は溶接できないんで、溶け込み重視こんもりと!

いつもタダでやってもらっています。 今度差し入れ持っていきま〜す。



あとはサンダー粗削り組ヤスリ手仕上げ
ガレージに戻って・・・






↓これが最終形 カッコいいやん!

【溶接】 カバー肉盛り再生術


【目的】
@廃棄相当品を再生して予備パーツとする。
A試行による技術技能の習得

【手段】
@疵・凹み部を熔接肉盛り整形      
                                

ダイナモカバー 割れ、へこみ  文化遺産の再生です。














↑気が済んだので、これを完成形としま〜す。ペーパー#320仕上げ



【板金】 腹打ちマフラー打撃拡張術


【目的】
@腹打ちマフラー再生の可否確認。          
A試行による技術技能の習得              

【手段】       
@内側に中子をいれて凹み部分を押し出す。    
                                

 @鉄


気持ちまでへこみますね。3時間掛けて、何とか立ち直りました。
マフラーのヘコミ
完全?復旧
です。
暇を見て耐熱塗料を塗らないと・・・汚いっす!



こんな感じで、プラスチックハンマーでひたすら叩きます
ポイント凹んでないところ叩く?


Aチタン t=0.7


チタンマフラー修正挑戦してみました。
薄くて硬いからモリワキ鉄モナカのようにキレイには出来ませんでした。
やり方鉄モナカ同様で、内側にバーを当てて外側からプラスチックハンマーで叩くだけですが。

まぁ、こんなもんで妥協しましょう。
叩いたことが原因で、で割れなければいいけどね。 (^^ゞ


Aチタン t=1.0  


マフラー腹打ち修正 4作目です。
チタンモリワキt=0.7に続き2件目となります。
今回はt=1.0厚みがある分、叩きやすく出来映えもキレイに出来ました。

今回のへこみ「擦った」と言うより「当たった」方になりますね。
ダメージ的には修正がしやすいかと。



Bステン


腹打ちしたニンジャマフリャーです。
仕上げがイマイチですが修正済。 (^^ゞ
冶具はバール(25Φ)プラハン(0.8kg)

冶具の形状がイマイチでしたね。
ん〜ん、今後需要?が有るのなら専用のバーを作るかな?
会社30Φくらいの厚肉管、ないかなぁ?


【旋盤加工】 キャブのリンケージ新規製作術


【目的】
@GSX-RキャブをZに流用装着            
A試行による技術技能の習得             

【手段】  
     
@2・3番間にスロットルリンケージ取付。       
                                





TMキャブ交換リンケージ製作。アルミ魂旋盤加工手仕上げ半割アルミ熔接
チョッと上級者コースですね。 (^^ゞ

【気配り】 タイラップ吊るし術

   
【目的】
@キャブレター片持ちによるインシュレーターゴム劣化防止     

【手段】       
@タイラップにてキャブレターをフレームに吊るし保持する      
                                

キャブのフローティングマウント


黒は概ね耐候性に優れてます。物によっては耐熱タイプも有ります。