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IT革命の企業進化論

(´ー`)ノ< こんにちわ、吉川幸雄です。

配信が遅れましたことをお詫び申し上げます。

今回から3号にわたって、10月12日(金)に東京新宿で行われた
「IBM次世代進化フォーラム」の講演録をお届けします。

基調講演のほかに、顧客対応力強化、社内スピード強化、情報共有
基盤強化、e-ビジネスインフラの4つのテーマがあり、その中から、
情報共有基盤に関する講演と、顧客対応力強化に関する講演を聴い
てきました。

今回は、「未来予知科学」「ITビジネス戦略」の世界的パイオニ
アであり、実践的コンサルタントである、多摩大学経営情報学部教
授 星野克美先生の基調講演のダイジェストをお届けします。

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◇基調講演「IT革命の企業進化論 〜2005年をいまから見る〜」

デフレ構造不況に終わりはない。そのため2005年には、20世紀型の
「旧業態企業」は衰退、崩壊する。
そして、ドットコムベンチャーと呼ばれる「旧IT企業」も業態劣
化し、リアルとバーチャルを組み合わせた「IT転換企業」だけが
生き残る。

ITは単なる「ツール」にとどまらず、「構造」そのものである。
SCM、CRM、DataMining等の導入・活用による21世紀型企業進化が勝
ちパターン。

強力な頭脳・神経を持ち、贅肉を削ぎ落とした筋肉質な企業だけが
生き残る。

IT革命から「Brain Technology革命」へ。Brain Technologyで人
間の脳の働きである企画、開発、創造を支援する。

これらはブロードバンドの普及により加速する。

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◇IT時代の新たなビジネスモデル

物理的効率から情報的・知能的効率へ。

経営効率の時代から「業態」効率を目指す時代へ。
業務処理の効率化だけにとどまらず、事業形態・業態そのものの効
率化が必要。

(1)中抜き
  ・卸し抜き、小売抜き、代理抜き
  ・直販
  ・公開買付、調達(e-マーケットプレイス)
  ・コンテンツ配信
(2)代理
  ・情報検索、情報収集、比較
  ・希望商品探索、最適化
  ・安値売り手探索
(3)仲介
  ・予約仲介
  ・販売仲介
  ・販売代理
  ・広告仲介
  ・ネット証券
(4)共同業務
  ・情報共有物流:SCM
  ・情報共有営業:ナレッジマネジメント
  ・共同開発:R&D、MD
(5)仮想機能
  ・仮想通貨、仮想プリペイドカード
  ・ファッションシュミレーション
  ・インテリアシュミレーション
(6)顧客ニーズ充足
  ・インターネット調査、インターネットマーケティング
  ・双方向マーチャンダイジング、参加型MD
  ・BUILD to ORDER、カスタマイズ
(7)ネットワークカルチャー
  ・対戦ゲーム
  ・マルチパスムービー
(8)メディア・リプレイスメント
  ・インターネットラジオ
  ・インターネット電話
  ・電子出版
  ・音楽、ゲーム、映画配信
  ・インターネットテレビ
(9)情報家電連動ビジネス
  ・家庭医療サービス
  ・家庭教育サービス
  ・家庭POK食品宅配(point of kitchen)
  ・電子レンジ、レシピ&食材宅配

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◇消費者主導型ビジネスモデル

21世紀の消費社会は「消費者主導社会」となる。

21世紀消費者=消費型生産者
 (1)企業&生産物の情報流通&評価
 (2)生産物の消費者選択
 (3)商品開発への消費者参加
 (4)生産システムの消費者使用
  (生産システムの消費者開示&使用)

消費者主導型のビジネスモデル
(1)Build to Order。
 デルコンピュータ、シチズンの時計工房など
(2)消費者参加型
 Web調査、アイデア公募による意見導入
(3)共同購入・グループ購入型
 共同購入による割引価格
(4)提案・受注型
 デザイン提案&受注販売
(5)企画開発代理型
 顧客ニーズの企画開発化
(6)消費者生産型
 資生堂「紅工房」http://www.my-lips.com/

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◇BT(Brain Technology)革命

人間の脳の創造、思考の働きをITにより支援する。

暗黙知を形式知に。

<ビジネスモデル開発ナレッジマネジメント>
思考作業の工程分割

基本要点思考のテンプレート化

発想アイデアの人工知能シュミレーション

暗黙知による家内制手工業的な創造過程を、形式知によるナレッジ
マネジメントシステムに進化させることが重要。

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◇講演を聴いて・・・

人間の脳は先天的に予知能力を持っているそうです。それはこれま
で「暗黙知」として占いや予言として活かされてきました。今後は
ITの活用によりこの予知能力を「形式知」にすることが必要だと。

ITは、人間動作の代わりになるものではなく、人間の脳がもつ
「創造」を支援するものとして活用することにより、一層その効果
を発揮するとの考えが、講演の中心だったように感じました。

皆様からのご意見、ご感想をお待ちしています。
それでは、また来週。(´ー`)ノ