(´ー`)ノ< こんにちわ、吉川幸雄です。 トム・クランシーの最新作が出ました。タイトルは「大戦勃発」。 経済危機を迎えた中国が、シベリアで見つかった石油資源と金鉱を 狙って戦争をはじめ、世界大戦へと発展するという物語のようです。 まだ、前半部しか発刊されていないので、その後の展開は不明です。 単なる小説として片付けるのはどうかと思います。 トム・クランシーといえば、前作「合衆国崩壊」において、9月1 1日の旅客機テロとイスラム原理主義組織との戦争、生物兵器攻撃 を予言していたとして、大きな注目を集めた作家です。トム・クラ ンシーの作品は、その正確な分析と予測によって合衆国の軍事大学 の教科書にもなっているそうです。 最近、中国がWTOに加盟し国際経済の中心的存在になるのではな いかと注目されています。 ユニクロやダイソーなどに代表されるように、中国で生産し日本に 輸入して安売りするというビジネスモデルが注目され、中国に生産 拠点を移す動きが顕著になっています。 ────────────────────────────── ◇リスクは大きい しかし忘れてならないのは、中国は天安門事件を起こした独裁の共 産主義政権であるということです。 また先進国との貿易摩擦も拡大しており、今後紛争に発展するリス クもあると考えています。台湾問題も含めて。 【米国の貿易赤字の、相手国別の構成比(2001年1月〜10月)】 中国 日本 EU カナダ メキシコ その他 20% 16.5% 14.5% 13% 7% 29% 米国テロ事件の一週間前、9月3日の米誌ニューズウィークは、か つての「日本株式会社」をもじって、「中国株式会社」をカバース トーリーとした。それはまさに当時のマスコミの主要関心事であっ た。もし9月11日がなければ、中国のWTO加盟は控えられてい たかもしれません。(読売新聞02.03.04) ソ連邦が崩壊し、日本の経済崩壊が間近の現在において、中国が米 国と並ぶ新たな強国となることは確実です。というより、既になっ ているといってもよいかもしれません。 ────────────────────────────── ◇本に書いてあることは、半分しか信用するな トム・クランシーは、前々作の「日米開戦」と「合衆国崩壊」の双 方で、戦争のきっかけを引き起こしたのは中国であると描いていま す。ソ連邦が崩壊した現在、スパイ小説や軍事エンターテイメント の敵役として中国が選ばれているだけのことなのかもしれません。 ただ、マスメディアで描かれる中国経済活性化論だけにとらわれず、 別の視点からも現実を見直してみることも大切ではないかと思いま す。 学生時代、ジャーナリストを志す先輩が言いました。 「本に書いてあることは、半分しか信用するな」 マスメディアやドキュメンタリーといったノンフィクションは事実 を描いていますが、その全てが真実とは限らない。逆に小説やや映 画などのフィクションはうそを描いていますが、その全てがうそと は限らない。 先輩のこの言葉は、社会に出てからもなぜか時々頭の中に浮かび上 がってきます。いい言葉です。読者の皆さんの記憶にもこの言葉が 残り、真実を見分ける目をもつ助けになればと思います。 ────────────────────────────── 皆様からのご意見、ご感想をお待ちしています。 それでは、また来週。(´ー`)ノ |